見出し画像

長くて暗い転職活動と、その先にある小さな光

高卒で編集未経験の私が編集の仕事に

高卒で特別自慢できるスキルもなく、いつも将来に対して大きな不安を感じて生きる意味を失っていたフリーター。でも、それは先月までのこと。

私はずっと編集の仕事がしたいと思っていた。そして、念願だったWebメディアの編集の仕事に携わることができた。26歳でようやく掴んだ長年の夢。雑誌が大好きで読み漁っていた10代の頃の私と、編集者になるために去年から転職活動に励み、悔し涙をいっぱい流していた私に伝えたい。

「実現するまでに時間が掛かっても、"諦めない"という気持ちを忘れず強く抱いていたら、それが夢から現実になる。だから、諦めないでずっと頑張ってくれて本当にありがとう」

過去の私がいたから、今の私がいる。最近まで生きるのが辛く、過去の私をいっぱい責めたこともあった。だけど、今は過去の私に感謝している。ここまで来るまでにどんなことをして、何を思っていたのかを振り返っていきたい。今この記事を読んでいて、転職活動や仕事のことで悩んでいる人がいたら、私の経験談があなたにとって少しでも励みになればいいなと思っています。世の中、悲しいことばかりじゃないみたいです。

高校生の頃から編集者を目指していた

中学生の頃からティーン雑誌を読み漁っていた私は、いつしか雑誌の編集者を志していた。「私も形に残る仕事がしたい」そう思ったのがきっかけ。雑誌は、学校で教えてくれない教科書のような存在だった。可愛いモデルさんや、東京で流行していたファッションやトレンド。全てがキラキラしているように見えた。今振り返ると、あの頃からエンタメに携わる仕事がしたかったんだと思う。

高校卒業後は大学進学を考えていたが、勉強をまともにしてこなかった私には到底、進学は無理だった。「東京のマスコミ系の専門学校に行きたい!」と親に頼んだこともあったが、もちろん反対された。当時の私には親を納得させる言葉もなく、気持ち(やる気)も足りていなかった。


今まで携わってきた仕事

母親が介護福祉士をやっていたので、高校卒業後は地元にある資格不要の施設で福祉関連の仕事に就いた。正社員で実家暮らしで、お金にも不自由なく過ごしていた。18~20歳まで、その職場で過ごしていたので、あの頃は自分に自信があって今までで一番イキイキしていたと思う。

その後は「東京で暮らしてみたい」という理由で一人で上京。フリーターとして、あらゆるバイトを経験してきた。接客や飲食、清掃業など。派遣としてコールセンター事務、正社員としてエステティシャンの仕事をしたこともあったが自分に合わず、短期間で辞めてしまった。


苦い思い出しかない転職活動

去年、25歳になり「このままフリーターのままでいいのかな……」と焦る気持ちが出始め、正社員を志す決意をした。今まで何も考えず、好きなことだけで生きてきた。正直、アルバイトの方がシフトで融通が利くこともあるし、お金に不自由がなければフリーターでも良いと思う。当時の私は世間体のことしか考えられず、今思うと突っ走って転職活動を始めてしまったのが良くなかった。

編集職をメインに求人を探し、雇用形態関係なく応募した。書類が通って面接まで辿り着けても全滅。25歳まで何も考えずに生きてきた。偉業を成し遂げたわけでもなく、特別誇れるものすら何も持っていない。履歴書の中身はボロボロ。企業面接では、私の話すことに対して「なるほど」としか言わず、明らかに興味なさげな様子だったり、「どうして編集の仕事を目指したいの?」とニヤニヤ聞かれることもあった。どの企業も面接官の顔が怖く見えた。

自分の力だけでは無理だと感じ、ハローワークに行ったり、あらゆる転職支援サービスも利用した。編集職以外にも、SE(システムエンジニア)や営業職の面接も受けた。

「何でもいいや……」と思って求人応募をしたのが裏目に出てしまった。

それはある日のこと。営業職の企業へ行き、若い男性と女性の面接官と面接をした。自分なりに明るく頑張って話をしたつもりだった。正直、早く就職先を見つけたいという焦る気持ちと、自信なさげな部分が面接中にも出てしまっているのが自分でも分かった。すると、しばらくして女性面接官が「ちゃんと面接練習やってきたの?」とボソッと笑うように言葉を放ったのだ。その瞬間、心が凍り付いた。後日、その企業も不採用だと祈られた。

長い転職活動をしていると、自分でも何のために転職活動をしているのか分からず道に迷うこともある。正社員になるためなのか。スキルアップのためなのか。自分には向いていないだろうと思いつつ、早く就職先を見つけたいがために応募した企業。その企業に運良く採用をもらって入社しても、短期間で辞めてしまう。情けなかった。やりたいこともできない。普通に働くこともできない。お金と将来の不安だけが積もるばかり。人間を辞めたいとばかり言っていた2020年。生きた心地がしなかった。


つづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?