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国立大学卒業後、お笑い養成所に入って、芸人になったけど挫折した話 その1 〜お笑い養成所ってどんなとこ?マネー編〜

東京か大阪か

 プロのお笑い芸人を目指すために僕はまず、お笑いの養成所に通うことにした。
 お笑いの養成所は東京か大阪に集中している。東京の方が養成所やお笑いタレントを抱えている事務所が多く激戦区、大阪は東京より激しくはないが、なんといってもお笑いの本場というイメージがある。

 僕は大阪にある養成所に入ることにした。理由は実家から近く帰省しやすいからだった。売れるためにはどうすればよいか、という視点はゼロの選択であった。なんとも安直である。

入学試験


 僕が入ったお笑い養成所には入学試験があった。ただし、試験といっても形だけの試験である。
 試験は集団面接のみであった。その方法は非常に雑である。
 希望者は数十人単位で面接会場に入り、順番に志望動機などを試験官に向かって述べるだけである。まさに、形だけの試験である。

 そして、ほぼ全員合格する。なぜか。それは、お笑い芸人になりたい人達から、養成所を経営している会社が入学金を搾取するためである。
 入学金は40万円である。入学金は1年間の学費も兼ねていた。しかし、入学時に払った入学金は途中で辞めても1円も戻ってこない。普通なら、途中で辞めたら残りの期間の分を返してもらえてもよいと思うのだが。
 さらに入学金を払うのが難しい人のための貸付制度も存在した
 とりあえず入学金を集める。あとは途中で辞めようが知ったことではないというのが、その養成所のスタイルであった。

お笑いビジネス

 僕の年度には700人程の同期が入ってきた。その養成所は大阪の他に東京にもあったので、東京の同期を合わせると1000人は超えていたと思う。
 40万✕1000人=4億円
 この額が養成所の運営会社の懐に入ったのであった。

途中で辞める人々

 養成所は1年間で卒業となる。しかし、卒業時には入学時の半数程の同期しか残っていない。
 皆知らず知らずの内にドロップアウトしていくのだ。その理由は途中で辞めた人間から聞いたことがないので定かではない。
 だが、授業が面倒くさいとか、やっぱりお笑いは向いてなかったとか、ことあるごとに叱られてウザいとか、大半は対した理由ではないと思われる。
 ちなみに僕は、自分で言うのも何だが、真面目な性格であったので、最後まできちんと通って卒業した。

そんなこんなで

 僕は養成所に入学した。ほとんど養成所の批判になってしまったが、別に批判するためにこの記事を書いている訳ではない。
 僕が入った10年程前はそういう実情だったというだけだ。

 お笑い養成所では実際何を学んだか、僕がどのような生活をしていたのか次回以降に書いていく予定なので乞うご期待下さい。

次回へ続く

 
 

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