グルート 11バリエーション
・臀筋群(大臀筋・中臀筋・小臀筋)は股関節の動きに作用するなかで 骨盤・体幹の肢位(姿勢)に影響を及ぼします。股関節は形状による分類では 関節頭は球状で回転運動も行う多軸性の関節です。屈曲-伸展 内転-外転 内旋-外旋 の運動を行い 体重などがかかる関節です。臀筋群を含めた股関節周囲筋群・体幹筋群を安定させることが上肢を含めた動作の質につながります。強化していく上でのポイントは腹筋と背筋の筋力比と同様に股関節屈曲筋群と股関節伸展筋群の筋力比( 1 : 1.4 )の調和をとることです。また 中臀筋・小臀筋は股関節屈曲位では股関節の内旋に作用することを理解しておくとエクササイズの幅が広がります。
グルートブリッジ ベーシック
・仰臥位になり指先で踵を把持できる位置で両膝を立てます。
・腰を反らないようにドローインあるいはブレイシングして腰部を床に押しつけます。
・骨盤後傾をキープしたままゆっくり股関節を伸展します。腰椎のアーチから動作が始まらないように注意してください。
・脊柱のアーチ・肩甲骨の内転まで意識して行います。
・ゆっくりスタート姿勢に戻ります。腰の反り・緊張をリセットしてから動き出します。
ワンレッググルートブリッジ + ローリング
・仰臥位になり指先で踵を把持できる位置で両膝を立てたら 一方の下肢を伸ばします。
・腰を反らないようにドローインあるいはブレイシングして腰部を床に押しつけます。
・骨盤後傾をキープしたままゆっくり股関節を伸展します。その動きに合わせて頚部の回旋(床を見るように)と一方の上肢を対角に伸ばします。
・腰椎のアーチから動作が始まらないように注意してください。
・頚部 上肢を元に戻しながら ゆっくりスタート姿勢に戻ります。腰の反り・緊張をリセットしてから動き出します。
グルートブリッジ + オーバーヘッドリーチ
・仰臥位になり指先で踵を把持できる位置で両膝を立てます。
・腰を反らないようにドローインあるいはブレイシングして腰部を床に押しつけます。
・上肢は伸ばして脚の間に置きます。ボールなどを持つとよいでしょう。
・骨盤後傾をキープしたままゆっくり股関節を伸展します。その動きに合わせて上肢を挙上します。腰椎のアーチから動作が始まらないように注意してください。
・脊柱のアーチ・肩甲骨の上方回旋まで意識して行います。
・ゆっくりスタート姿勢に戻ります。腰の反り・緊張をリセットしてから動き出します。
クラムシェル 1
・側臥位になり両膝は曲げます。踵の位置は背側と一直線です。動作に慣れてきたら踵の位置を前に置き換えて行っていきます。
・動作中上体が床に対して垂直を維持できるように上肢で支えます。
・上体を安定させて股関節の外転・外旋を行います。
・上肢を床に置いて行うとからだが開いてしまう場合には臀部を後ろから支えてください。
アブダクション 1
・側臥位になり両膝は曲げます。動作中上体が床に対して垂直を維持できるように上肢で支えます。
・一方の下肢を伸ばします。からだと下肢は一直線です。
・上体を安定させて股関節の外転を行います。挙上するときは踵側から上げるイメージです。
・急がずゆっくり行います。
アブダクション 2
・側臥位になり両膝は曲げます。動作中上体が床に対して垂直を維持できるように上肢で支えます。
・一方の下肢を伸ばします。床側の下肢の大腿に合わせます。
・上体を安定させて股関節の外転を行います。挙上するときは踵側から上げるイメージです。
・急がずゆっくり行います。
クラムシェル 2
・側臥位になり両膝を曲げます。
・肩の下に肘が位置するように肘立ちの姿勢になります
・上体を安定させて股関節の外転・外旋を行い ます。
・一方の脚を伸ばして この姿勢をキープします。下肢と上体は一直線です。
ローテーション
・ボックス姿勢になります。
・肩甲骨外転・前腕上部外旋 とドローインあるいはブレイシングして体幹を安定させます。
・骨盤の高さを変えないように 股関節を外転します。
・外転した位置から下肢を伸ばします。下肢と上体は一直線です。
・伸ばした下肢は股関節を屈曲しスタート姿勢に戻ります。この時下肢は床からかすかに浮かせておきます。
・この動作を繰り返し行います。動作中からだが開かないように左右の骨盤の高さを意識しましょう。
スクイーズ
・シンボックスの姿勢(両下腿でボックスを描き 上体は直立して座ります)になり上肢は挙上します。
・上体を安定させて その姿勢から起き上がります。
・股関節をしっかり伸展させたら 骨盤を後傾させます。(お尻の筋肉に力を込めます)
・骨盤の後傾(お尻の筋肉に込めた力を緩めます)を緩めて ゆっくり元の姿勢に戻ります。
・繰り返し行います。
トライポッド + エクステンション
・トライポッド姿勢になります。胸の前で両手をそろえます。
・上体と下腿を平行に保ち 重心が踵にのらないように注意してください。
・スタート姿勢を崩さないように 一方の下肢を伸ばします。同時に上肢も伸ばします。
・頭の位置が上下しないようにしてください。
・スタート姿勢に戻り 繰り返します。
トライポッド + アブダクション
・トライポッド姿勢になります。胸の前で両手をそろえます。
・上体と下腿を平行に保ち 重心が踵にのらないように注意してください。
・スタート姿勢を崩さないように 一方の下肢を横に伸ばします。同時に上肢も伸ばします。
・頭の位置が上下しないようにしてください。
・スタート姿勢に戻り 繰り返します。
「ちょっとやってみようかな、マネしてみようかな」というところからカラダの使い方に興味をもってもらえれば嬉しいです。