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旧作名画をみた1:ひまわり

ヘンリー・マンシーニの主題曲が哀愁を誘う、ひまわり。50周年で2020年に再上映されていたのが、2022年のウクライナ侵攻事変を憂えて、現在各地で上映中だ。
ー以下ネタバレを含みますー


新婚時代のひまわり

ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。その名前だけでも「おお!」となる大看板俳優が揃っての夫婦役だから、間違いない。
出会った二人は求めあい結ばれて新婚となるも、ベッドの合間に腹ごしらえをせねばならない。そのオムレツがすごかった!卵24個で巨大な黄色いオムレツを食べる二人、しかし全部食べ切るまでに飽きてしまい“もう卵はひと月の間、見たくもないし食べたくない”のお茶目ぶりが可笑しい。

平松洋子さんも、このオムレツはひまわりだ、と語っている。(下記)

本当のひまわり


一方、冷戦時代真っただ中、当時ソビエト連邦だったウクライナでロケ撮影した、というひまわり畑。

私の記憶では、行方不明の夫を探してひまわり畑にたどり着き、記憶喪失の夫(マルチェロ・マストロヤンニ)に再会するものの、彼は妻のことを覚えていない、泣き崩れる若妻ソフィア・ローレン… だったのだが、まったく違っていた。
見渡す限りどこまでも続く、ひまわり畑は別れのシーンではなく、寒冷地ソ連の地で亡くなったイタリア兵の寂寥とした墓地だった。咲き誇る花々の下で眠る無名無縁の兵隊たち。
物語はラブストーリーの中に、社会派の一面もちゃんとあったのだ。

数年後、イタリアとソ連に引き裂かれた二人は再会する。

時間軸は別々の人生の針をすすませ、むかし愛し合った二人はもう過去に戻れない。二度目の別離は一度よりもさらに哀愁を映す。そして、イタリアの駅がとても美しくとても悲しいのだった。

大阪・シネマート心斎橋さんの展示


二本各地で上映中のため、リストア映像でぜひご覧ください。
劇場情報はリンクの最終頁をどうぞ。

ひまわり I GIRASOLI
(1970年/イタリア・フランス・ソビエト連邦・アメリカ)
★★★▲☆ 3.5/5
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤン二


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