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たまごくんのものがたり

ここはたまごの王国

ぼくはただのたまご。生たまごさ。
ころぶとわれちゃう、よわーいたまご。

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ここ、たまごの王国は王さまはいないんだけど
りっぱなたまごの王子さまたちが国を守っているんだ。

えらーい人はみんなおいしそうなたまごりょうりなのさ。

そう、これはぼくがりっぱなたまごになるまでのお話。


それよりきいてきいて!

ぼくの村、たまご村は今たいへんなことになっているんだ。
ぼくの村、なんとぼくたちの村人がめだまやきを食べることをきんじられてしまっているんだ。
そう、あの悪のしょうぐん、めだまやきしょうぐんのせいで。

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あ、言ったそばから声が聞こえてきた。

「あーめだまやきのたいぐんがこっちに来るー!」
「にげろー」

あいつらは、めだまやきしょうぐんのぶかたちだ!


「村人がたいぐんにひかれてしまったー」

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「みんなーめだまやきをかくすんだ」
「めだまやきしょうぐんが来たぞー」

「全員整列!」

大きな声でめだまやきしょうぐんがいいました。

「今日もめだまやきを食べていないだろうな」

めだまやきしょうぐんはこわい声で、きいてきます。

「はい」

すると、ならんでいるたまごたちの中からちいさいたまごがあらわれ、こういいました。

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「わたし食べたよー!みんなで食べたんだよー!おとうさんやおかあさんがみんなでめだまやき食べようって言っててみんなでいっぱいたべたんだよーー!」

めだまやきしょうぐんたちがびっくりして、こっちをむきました。

「何だと!」「よし、全員めだまやきパンチのけいだ!」

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村人たちは、にげようとします。

「めだまやきパーンチ!」

ちいさなたまごにめだまやきパンチが、あたりそうになったとき!

「やめなさい。」

だれかが、パンチをとめてくれました。

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「そのたまごたちにつみはない。」

パンチをとめてくれたのは・・

「その声はたまごやき王子!たまごやき王子さま!」

みんなが、おどろきながらいいました。

「そうだよ。たまごの国からきた。たまごやき王子だ。」

たまごやき王子は、めだまやきしょうぐんにいいました。

「おまえは、たまごの国からだっそうしたはんぎゃくしゃ。めだまやきしょうぐん!」

「正体がバレてしまったかー。」

「あたりまえだ。名のっているからな。」

めだまやきしょうぐんはとってもおこりました。

「なまいきなやつめ。きさまのいきのねをとめてやる!めだまやきパーンチ!」

「さっききかないってわかっているだろう?」

「何だとー?」

たまごやき王子は、めだまやきしょうぐんのパンチをさっとよけました。

「たまごやきこうせん!」

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「そ、それはたまごの国につたわるでんせつのわざ!きさまがすでにマスターしていただと?!」

めだまやきしょうぐんはおどろいてうごけません。

「そうだー!めだまやきを作る時につかうざいりょうをぶちまけるわざだー!」

「ぐわーっー!!やられたー!に、にげろー!」

するとめだまやきたちはめだまやきしょうぐんをかついで、にげていきました。

「やったぞー!」


「村がかいほうされたー。これで心おきなくめだまやきが食べられるぞー!やったー!!!」

村人たちは、とてもよろこび、おどったりないたりしていました。

すると一人の村人が、たまごやき王子にかけよってきました。

「ありがとうございます!今までわたしたちの村は、めだまやきしょうぐんたちにのっとられていたのです。そのせいでめだまやきが食べられなかったのです。
わたしたちこの村のものはめだまやきが大好きでめだまやきしょうぐんがいないうちにとめだまやきを食べていたのです」

村人はなきながらいいました。

「そうですか。でもわたしは大したことはしていません。あなたたちがよろこばれたならよかったです。」

そのとき、たまごくんはおもいました。

たまごやき王子、なんてかっこいいたまごなんだ!同じたまごなのにぼくときたら・・

よーし!ぼくもがんばってりっぱなたまごになるぞー!!

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そのためにどうしたらいいか、たまごやき王子にきいてみよう。

かえろうとしているたまごやき王子をよびとめて、たまごくんはききました。

「ぼくも王子のようにかっこよくてきれいな色でおいしそうなりっぱなたまごになりたいのです。どうしたらいいですか?」

たまごやき王子はにこっとわらってたまごくんの方をむいていいました。

「それはいいたまごいき。よく見るとなかなかいい形のたまごじゃないか!そうだなあ・・いまキミはまだ、ただのたまご。だけどめだまやき、たまごやき、スクランブルエッグ、オムライス、これからなんにでもなれる。とてもすばらしいたまごなんだ!」

「ただのたまごのぼくがなにかになれるの?」

「そうだよ。これからどんなたまごりょうりになり、どんな人生をおくるかはじっくりかんがえるといい。」

ぼくはただのたまご。生たまごさ。
ころぶとわれちゃうよわーいたまご。

でも、なんにでもなれるんだ。

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たまごやき、めだまやき、スクランブルエッグにオムライス、それからそれからエッグベネディクト。なんになろうかな・・・。

たまごくんは、村を出てりっぱなたまごりょうりになるほうほうを、さがしにでかけました。

たまごくんは、森をとおっていきました。

「あ、こんなところに川がある!」

森をでたところには川がとおっていました。ながれはゆるやかであるいてとおっていけそうです。

よし!ここをとおってもうすこしおくのほうにいってみようかな?

・・そうだ!いいことおもいついちゃった


ヒントは、ひろってきたえだや、おちていたまるたをつかって・・火をつけて、川のみずをおいてあったドラムかんにいれると!

そう!ぼくがここに入れば、ねえねえなんになると思う?



そう!せいかいはゆでたまごさ!

おもったよりもかんたんに、たまごりょうりになれそう!

よしさっそくはいるぞー!!

ちゃぽん

たまごくんがドラムかんのおゆにつかりました。

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ああちちち、ちち!あち!あっつーーーーい!!

たまごくんはあまりのあつさにあわててばっしゃーんととびだしました。

え?はんじゅくたまごは8ふん?かんじゅくたまごは12ふん?このねっとうで?ぼくしんじゃうよー!

はあ、今日もりっぱなたまごになれなかった。ころぶとわれちゃうよわーいたまごのまんま。

でも、明日はがんばるぞ。

たまごくんは、てくてくと村にかえっていきました。

あーつかれたゆっくり温泉にでもつかってみるか。

たまごくんの村には、温泉があります。

そこでたまごくんはきづきました。

まてよまてよ。ぼくが温泉につかったら、もしかして・・ぼくわかったよ!

みんなはわかる?


そう!せいかいは温泉たまごさ。

よし、さっそくおんせんにって・・

たまごくんは、ゆかにおいてあったせっけんに、のっかってしまいました。

うわーっ!?目が!目がまわるよーっ!!

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そんなにまわったらきみとしろみが入れかわっちゃう!!

とうとうたまごくんは、せっけんからすべりおちてしまいました。

いてててて、あ!

ひびが入ってる!?

なんと、たまごくんのからにころんだ時にひびがはいってしまいました。

う、う、どうしよう。どうしよう。

たまごくんは、とてもあわててしまいました。

すると・・

あれ、なんかからだが、からだのうちがわから、あたたかい力があふれでてくる!

うわーー!!


ピ。ピ。ピヨ?ピヨピヨ!

えー?ぼくひよこになれるたまごだったんだー!

なんとたまごくん、たまごがかえってひよこになってしまいました!

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ぼくはただのたまご。たまごっだったけどひよこになったよ!

みんなひよこがなんになるか知ってるかい?


そうだコケコッコー!

ただのたまごだったぼくがにわとりになっちゃった。コケコッコー!

たまごくんは、せいちょうしてにわとりになりました。

今、ぼくはたまごの国の王様になって毎日たまごの国の国みんを生んでいるんだ。

みんなどんなたまごになるか、たくさんなやんで、たくさんがんばっているよ。

キミたちはどんなたまごになりたいのかな?

あ、ごめんごめん。キミたちはにんげんだったね!

にんげんのたまごのキミたちはぼくたちとおなじように
これからなんにでもなれるんだよ。

え?ぼくみたいににわとりになりたい?

それはどうかな?うふふ。

これでたまごの国のお話はおしまいおしまい。

バイバーイ!

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作画:くまさんの子ども。
原作者、脚本:くまさんの子ども、学童の先生。
文章校正、文字おこし、アドバイス:くまさん。くまさんの夫。
編集:くまさんの子ども。

この脚本は元々、学童の劇団用に作られたものです。
一昨年、学童の劇団は小さな劇場でデビューしました。人形劇のように紙でキャラクターを作って公開されたので、原作の脚本はセリフだけだったのですが、今回はnote用に、我が子があらためて状況説明の内容と絵を描き下ろしてくれました。ありがとう。

そしてかすみさん!
何だかこんなものができました。親子で楽しく共同作業ができて、とても思い出に残る良い体験ができました。あらためて感謝をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。


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