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ナガネギマンを知ってるかい
中学校の娘とこの前「アンパンマン」の話をした。
娘が小さい頃は、大のアンパンマン好きで、毎日アンパン狂いの生活をしていた。
彼女は寝ても覚めてもアンパンマンだった。
横浜のアンパンマンミュージアムに何度足を運んだことか。行った回数は数えきれないほどである。(入場料もグッズも高いのである。非常に親泣かせなのである。)
ミュージアムでゲットしたアンパンマンのマントをつけて、アンパンマンの歌を張り切って歌い、踊り、録画したアンパンマンの映画やテレビアニメをひたすら集中して見ていた。
中学生になった彼女は、以前自分がアンパンマン好きだったことは覚えていたようだ。
特にカーナちゃんの話が忘れられないらしい。
ヤマハのオカリナ教室の看板を見て、このカーナちゃんとアンパンマンの話になったのだ。
カーナちゃんは「それいけ!アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌」という映画に出てくるキャラクターである。彼女はオカリナを操っている。
カーナは、カナリアの雛鳥の化身である女の子。彼女は、嵐の夜に「暗闇の森」へ飛ばされ、闇の女王・ブラックノーズによって人間の姿に変えられ育てられた。
ある日、ブラックノーズの命令でアンパンマンワールドにやってきたカーナは、「暗やみの笛」を吹いて人々から幸せな気持ちを奪ってしまう。
「歌やダンスや美味しいパンは間違った幸せだ」と教えられ育って来たカーナ。自分が彼女に騙されていた事に気付いた時には、世界はブラックノーズによって暗闇の世界と化していた。(Wikipediaより)
アンパンマンの世界では何とも珍しく、カーナちゃんは重い悲劇を背負ったヒロインだ。信じていた親にうまく利用されていたことを知ったカーナちゃんは葛藤する。最後に葛藤を乗り越えたカーナちゃんが歌う姿が何とも印象的である。
うちの娘はこの映画と「それいけ!アンパンマン だだんだんとふたごの星」を繰り返しよく見ていた。
何がそんなに彼女を心をつかんだのだろう。
今となっては本人にもわからないところである。
そんな訳で、私もこの時期のアンパンマンには大変詳しくなってしまった。
我が家にはまだあの全キャラクターを網羅している「アンパンマン大図鑑」が残っている。
辞典のように非常に分厚い本である。
この厚い本が示すように、アンパンマンはたくさんのキャラクターがいて、故やなせたかしさんが生前に「ディ〇ニーにも負けない」と力強く誇っていらっしゃった姿を何かでお見掛けしたような記憶がある。
その中で、今日は(特に意味もないのだが)私が印象に残っているキャラクターを何人かあげてみたい。
1人目は「しらたまさん」
『アンパンマンとしらたまさん』(関東地区2003年3月21日放送)で初登場。アンパンマンワールドきってのミュージカルスターで、自分の世界を表現するための芝居の役者を探している。宝塚をモチーフにしたキャラクターで、モデルは元タカラジェンヌの紫吹淳。
何ともきらびやかな彼女は、ばいきんまんがいても気にせずいきなり歌いだす。宝塚歌劇団の世界が唐突に始まる。
アンパンマンの演技にダメ出しをしたりするので、主人公であるアンパンマンもたじたじである。何ともマイペースなお人だが、とても華やかでスタイルも良く恰好いいのだ。
次は「ニガウリマン」
「アンパンマンとニガウリマン」で初登場。
白いギターを抱えて旅をしている、顔がニガウリの流れ者で正義の味方。語尾に「ウリ」を付ける。少々キザな性格で、自分のことをニヒルだと言っているが小心者で怖がりな所がある。ギターの弦やギターから発射するニガウリやニガウリジュースで悪者を退治する。戦いが終わるたびに何かとニガウリをプレゼントしたがる。また、片足を乗せるための岩や切り株などを直接持ってくる。ばいきんまんとも互角に戦う。
強いのだがどことなく抜けている。
>戦いが終わるたびに何かとニガウリをプレゼントしたがる。
ニガウリ嫌いにとっては、非常にいい迷惑でしかない。
最後は「ナガネギマン」
「アンパンマンとかいけつナガネギマン」が初登場。
正義の味方の剣士で実力は非常に高い。その正体はネギーおじさんという行商人であり、普段は畑で育てたネギを売っているが、誰かがばいきんまんに襲われているなどいざという時には籠に隠したヒーローの服装・マント・帽子・黒い仮面マスクを着けて、レイピアを腰に差して「怪傑ナガネギマン」に変身する。
普段はネギーおじさんなのだが、ナガネギマンになると雰囲気が全く違う。元ネタはおそらく怪傑ゾロである。
普段は及び腰で非常に臆病だが、ナガネギマンに変身するとそれまでとは打って変わって勇敢で頼もしくなる。Nの文字を刻印する西洋剣術が得意技。他人に正体を知られることを極度に嫌っているため、自身がばいきんまんに襲われているなどの状況下にあると、変身しようにも出来ずにピンチに陥ることも少なくない。ばいきんまんが倒された後にはネギーおじさんに戻って陰から一部始終を見ていたかのようにナガネギマンを絶賛するのが定番である。この時に周りがナガネギマンを褒めると思わず照れてしまい、危うく正体がばれそうになることが多い。
>この時に周りがナガネギマンを褒めると思わず照れてしまい、危うく正体がばれそうになることが多い。
かわいい。
はい、わかってましたよね。
そうです。ジジイ愛です。
おじさんキャラに弱いんです。
ナガネギマンは一粒で二度おいしい、情けないおじさんと格好いいおじさんの両方が味わえるスペシャルなキャラです。
そしてうちには「プリちぃビーンズシリーズ」というアンパンマンのお人形が「お店かよ!」とつっこまれそうなくらいに一時期はそろっていました。このナガネギマンの人形があったことは言うまでもないことですね。
夫は当時、仕事の帰りが遅かったので、娘への罪滅ぼしのためかよく帰り道に買ってきてくれていました。今も昔も変わらず親バカです。
今日は娘の話からアンパンマンを振り返ってみました。懐かしく大変お世話になったのですが、数多くのユニークなキャラクターには私も楽しませてもらいました。
今度は甥っ子がもしはまるような事があれば、喜んで語り合いたいものです。
もつにこみさんの下記の記事の最後で「ナガネギマン」の歌について触れていまして、私も記憶が鮮やかに呼び覚まされました。
カーナビの曲リストについて書かれているのですが、「懐かしいなぁ」と思いながら読ませて頂きました。
保育園の帰り道など、アンパンマンやいないいないばぁなどの歌を車中で子供達と一緒に歌って帰ったものです。
子供が大きくなると、この時感じた新鮮な気持ちから離れてしまって、幼少の頃のきらめきや驚きやほかほかした体感的なものも思い出すこと自体が少なくなります。蘇らせられなくなってしまうというか。もう戻らないあの時の私たち、のような。
もつにこみさんの丁寧で地に足のついた心地よい描写によって、私があの時体感したカケラのような物が舞い降りてきました。
いつも読ませて頂いて幸せだなぁと思います。あらためて名乗られた「エッセイスト」として、今後も綴られていくさまざまなストーリーを楽しみにしていきたいものです。
ありがとうございました。
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