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わたしとくるり

久しぶりにライブに行った。

しかも私の好きな「くるり」のライブ。


私はあちこちで「くるり」好きであることを公言している。


私は決して、くるりの全てのアルバムや全てのシングル曲を網羅しているような「どマニアック」なコアなファンではない。
けれども、私の人生のそこかしこに、くるりの曲はただその場にいてくれて、私を見守っていてくれていると思う。


私が今回ライブに足を運んだのは、東京公演1日目が開演された昭和女子大学人見記念講堂だ。私はこの場所でライブを聴くのは初めてだ。

調べてみると、この建物は昭和55年に学園創立60周年を記念して建設されたとの事。

私とほぼ同い年やないかい(私は昭和56年生まれ)……と考えると、この建物は年月を経ている割には古さを感じさせず、そして思い返せば音響もとても良く響いていたなと感じた。

夫に「ライブに行きたい」と頼み込んで許可をもらった私は

とことことライブ会場に向かう道中でくるりの曲を思い返していた。

道中で
カフェに寄りましたよ


くるりの曲に出会ったのは私が20の時。

このPVにひとめぼれした。

淡々とした白い世界。

暗闇でゆっくりと揺れる人々。

いろいろな表情を魅せるそこらへんにあるような海。

物憂げな表情の横顔のみんな。

ポケットに手をつっこんだボーカルの岸田さんが、徐々に踏みだす謎のステップ。

黙々と演奏し続けるメンバー。

静かでタフでダンサブルなナンバー。

なんだこりゃ~と思い、すぐにアルバムを購入した。

それが「THE WORLD IS MINE」

くるりの4thアルバムである。当時専門学校時代に仲良くなりかけていた夫に「何の音楽が好き?」と聞かれた時に「最近くるりにはまってます」と答えたことを覚えている。

(余談だが、夫とは「林檎ちゃん好き同士」としてその後お互いに親交を深めていくことになる)

白いアルバムジャケットに靴が舞っている。

このアルバムは無機質なイメージが伴っている。

私の中のイメージカラーがジャケット同様白いのだ。

そして、白い空間の奥で、ふにゃふにゃとうねうねとエネルギーが巻き起こっていて、出たい出たいとわめいているような感じなのだ。

そのぼやんぼやんとした見えない何かにすごく惹かれてしまった。

無機質というイメージは、そのすぐあとに私が前のアルバムをさかのぼって購入したからこそ抱いた感情なのかもしれない。

さよならストレンジャーや図鑑、TEAMROCKの荒さ、熱量、素朴さも大好きであるが、私の原点は4thアルバムなんだなと、今回のライブで演奏された「GUILTY」であらためて感じた。(岸田さんは「歌詞がひどい曲をやります」と前置きされていたのが印象的)

(そんなにひどくないよーと思ってた。普遍的であるとさえ思ってる)

その後6thアルバム「NIKKI」の発売を楽しみにしていた、当時精神科のデイケアの実習中に出会った利用者さん(彼は私とほぼ同年代であり双極性障害と診断がついていた)とくるりの話題で盛り上がり

その後のベストアルバム発売で、私のくるり熱はひとまず落ち着いてしまった。

おそらくこのあたりから就職、結婚、出産と人生の大きなイベントが立て続けに起きたことも熱が落ち着いた要因なのではないかなと感じている。

けれども、シングル曲をCMソングで不意に耳にしたり、夫が仕事先として当時通っていた都内の大学病院へは、京急線を利用していたのでイメージソングに選ばれた「赤い電車」が耳になじんでいたり、完全にくるりから離れていた訳ではなかった。(夫は「羽田」から京急に乗車していたので歌詞の状況とリンクしていた)

岸田さんがタモリ倶楽部に出演した時に(彼は音楽番組は出ないのにタモリ倶楽部には出たりするのだ)
「いっかいだけやってみたかった!」と電車の床に耳をつけ始めた時……

「ええええ、やば!!この人大好き!!」と萌えてしまった。
うーん、変態だなと思った。(いい意味で)

さて、実は、私はくるりのライブの演奏を聴くのは初めてでもあり初めてでもなかったりする。

ややこしいことを言っているかもしれない。

説明すると、一度だけオムニバス形式の夏のライブイベントで、くるりのライブを鑑賞したことがあるのだ。

それはまだ私たちに子供が生まれる前。
夏のフェスイベント、代々木体育館で開催された「J-WAVE LIVE 」に夫と参加した際に、その年はくるりも出演していたので、3曲くらいだが生演奏を聴くことができた。

夫はくるりの魅力を初めてそこで感じたようであった。
たまたまライブ後にJ-WAVEのラジオのインタビュアーに私たちがつかまり

「誰のライブが印象的ですか?」
と聞かれた際に夫は

「くるりです」

と答えていた。

私はまさか夫がくるりと答えるなんて....!と、彼の回答にかなり意外性があったので、このエピソードはいまだに覚えている。

彼はこのライブイベントでたびたびプロモーションビデオ的に流れていた「Baby I Love You」という17thシングル曲が好きである。そして、カラオケでも歌ったりしている。
自分の好きなミュージシャンの曲を、配偶者が一緒に聞いてくれることは、私はありがたいことだなと感じてる。彼がこの曲を歌うたびに私はついついニヤっとしてしまうのだ。

話をもとに戻すと


くるり単独のライブに行ったことがなかった私にとって、初のくるりのライブとなった今回のライブは、大変充実した内容であった。

セットリストにかなり満足している。

01. 真夏日
02. LV45
03. ワールズエンド・スーパーノヴァ
04. 琥珀色の街、上海蟹の朝
05. 赤い電車(ver. 追憶の赤い電車)
06. THANK YOU MY GIRL
07. Morning Paper
08. GUILTY
09. ハイウェイ
10. 7月の夜
11. Smile
12. 旅の途中
13. In Your Life
14. 益荒男さん
15. つらいことばかり
16. スラヴ
17. 八月は僕の名前
18. 愛の太陽
19. 虹
20. ばらの花
21. Liberty&Gravity
22. ロックンロール
23. 奇跡
<アンコール>
24. California coconuts
25. 潮風のアリア

https://natalie.mu/music/news/535723
より転記

個人的には発売前の新曲である「California coconuts」が聴けたのは嬉しかったが、最近はまりにはまっている「In Your Life」と本編の最後に流れた「奇跡」が思い出に残っている。

もちろん大好きな「ばらの花」や「ハイウェイ」「ロックンロール」そして冒頭にあげた「ワールズエンド・スーパーノヴァ」いつか記事にもはりつけた「琥珀色の街、上海蟹の朝」もあって、もりだくさんの内容であった。

久しぶりのライブがくるりで良かったと思う。

くるりの曲はずっとそばにいてくれて

たぶんこれからも私のそばにいてくれるものだと思っている。

かけがいのない想い

忘れることのない風景

にじんだ涙

あふれる気持ち

「すごいぞくるり」

1999年リリースの『さよならストレンジャー』のリリースにあたってつけられた有名なキャッチコピー。


私はずっと「すごいぞ」と思っている。


ここへおいでよ
なにもないけど
どこへでも行けるよ

私はいつだって飛べると思ってる。

どこへでも行けると思ってる。

様々な可能性をあきらめたくないのだ。

くるりと一緒に
隙間に咲いた花に気づけるやさしさを抱きながら

また来年もあなたに会えるように。

そんなことをずっと願っている。

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