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「すまスパPROにおじゃましてきましたよ」からのくまからの補足や解説など

こんにちは。

今回は、番組宣伝でございます!

日頃お世話になっているピリカさんが主軸となって続けられている「すまいるスパイス」という音声配信の番組があります。


私は以前、そこにゲストとしてお招きして頂いたこともあり、恥ずかしながらも長々とお話をさせてもらったこともあるのですが、今回もなんと1人の話し手として

出演することになりました。


うわーめっちゃ緊張する!
心臓がうさぎのように飛び跳ねていました。
どきどき。


今回、出演させて頂いたのは、普段のすまいるスパイスとは毛色の違う

「すまスパPRO」

という番組です。


このすまスパPRO。第一回目は「介護に対する質問会」として、3人の介護分野のプロが集結し、皆様の質問にお答えするという会でしたが、今回は

認知症×お金

をテーマにそれぞれが話してみようということになりました。

今回の配信がこちら。


出演者は

企画者であるファイナンシャルプランナーのピリカさんと

介護支援専門員のおだんごさん


介護事業部の統括責任者のコッシーさん


そして私です。
私はリハビリテーション専門職(作業療法士)の
プロとして

プロ…….!

プロと言う響きがどこかこそばゆい。
noteには、他にもっと介護分野のプロとして素敵な方がたくさんいらっしゃるのですが、僭越ながら今回の出演に至りました。
理由はただひとつ!今回の出演者さんたちが私は大好きなのです。

間近で3人の話が聞ける!

というミーハー心で、おじゃまさせてもらいました。

えへへ。

それで実際に参加させてもらって、やっぱり学びになったし楽しかったです。3人ともありがとうございました。たのもしかったです。


今回の記事はその配信の宣伝と
くまが配信の中で
気になる箇所の補足や解説を
この記事でしてみようと思っています。

興味がある方は、ぜひ配信を聞きながら読んでみてください。


①結局、収録中におだんごやTシャツを私は着ていたのか?

結果として言うと私は着ていませんでした!
やばい!
おだんご愛が足りないのか!!

いやいやいや
ちょっと言い訳をさせてください!
おだんごやTシャツは
「もしかしてまたおだんごさんの催事(例えば再度の文フリ出店とか)があった時にこれは着るのだろうな」と思って、私は普段は着ないことにしています。
その日は着ぐるみさんのTシャツを着ていました。


いつもこれを着ています

着ぐるみさんのグッズ、かわいいのでぜひ見てみて下さいね(さり気に宣伝)

(おだんごさんには「Tシャツを着てなかったんですよ、ごめんね」とあとでご本人にはお伝えしてあります)

②おだんごさんの言う「シンデレラ・パジャマ」とは?

この記事を読めばわかると思います。
認知症にまつわる物語なのでぜひご一読を!

ちなみに、私はうっかりしていたので、収録後にシンデレラパジャマをおだんごさんに見せてもらうことを忘れていたんですよ。
見たかったな~。

私が訪問時に押し買いの業者さんに対応をした話をしていますが、まさに収録の日のお仕事で実際にあったことで「なんとタイムリーな!」とついついその場で話してしまいました。
この方の話を、記事で書いてみてもいいのかなとふと思ったりしたりしなかったり。
(もちろん個人情報などはいつもどおり大幅に伏せたり変えたりしてですが)

③認知症状が出現している方の「とりつくろい」とは?

おだんごさんが「とりつくろう」場面についてお話されています。
これはよくあることで、日頃一緒に過ごしているご家族は「ああ、最近おばあちゃん少し忘れっぽくなってきたな」ということを実感したりするのですが、遠方にお住まいのお子さんや親戚の方は電話越しでご本人と話していても、そういう細やかな部分の変化には気づきにくいものです。この話で出てくる介護認定調査もその一つで、一回だけお会いした人の全てを把握する事はプロの役所の方と言えども難しい場面があるということです。(見る視点や質問もある程度決まっていますしね)
特に認知症初期にはそのような状態がしばらく続くことが多いので「全然しっかりしてるじゃん、心配しすぎだよ」と言われて、同居家族が「わかってもらえない」と無理解に傷ついたりといった話もよく耳にします。

「とりつくろう」という単語がそもそも私は好きではないのですが
(のちに出てくる「ものわすれ外来」もそうですね)

このホームページで述べられていることがしっくりときましたのでご紹介させて下さい。

 確かにアルツハイマー型認知症のある人は、事実と異なることを述べることがあります。例えば、実際には食事をしていないが、食事をしたかどうか尋ねられ、「もうこの歳ですから食が細くなりまして」と述べるといった具合です。この場合、本人は食事をしたかどうかわからないけれども、答えなくてはその場の空気を壊してしまう、しかし間違いを指摘されて恥ずかしい思いをしたくないという心情がうかがえます。診療の際にこうした取り繕い反応が生じると、同席しているご家族や介護士さんは大抵、隣で苦笑することや首を横に振って残念そうな表情になります。どうも、この取り繕う態度は取り繕われる側をイライラさせたり、残念がらせてしまうようです。

上記ホームページから抜粋

 確かに取り繕うという言葉の意味を辞書で調べてみると、「外見だけ飾って、体裁をたもつ」「過失などをその場だけなんとかうまくごまかす」と記されています。取り繕うという言葉には、そうしたネガティブなイメージを含んでいます。ですから取り繕うという言葉を用いることは、取り繕う人への侮蔑的な印象を与えかねません。

 しかし、アルツハイマー型認知症のある人の取り繕う態度は、意図して取り繕っているわけではありません。間違ったことを言ってその場を壊したくないという、気遣いのあらわれです。間違いを人に知られて恥ずかしい思いをしたくないという、自尊心を保とうとすることのあらわれです。ですから、取り繕う態度に気付いた時には、「そんな風に言い訳ばかりして」などと批判することは適切ではありません。苦笑することや、首を横に振って残念がるのも適切とは言えません。思い出せず困る中で生じる心理的な葛藤が生み出す現象なのですから、むしろこちらの尋ね方が本人を困らせたのかもしれないということに気づき、困らせない尋ね方、関わり方を見直すことの方が大切なことのように思われます。

④なぜ早期受診をすすめるのか?

私の個人的な主観ですが。

認知症であるかないかという診断を受けることについては、私自身はそんなにこだわりはありません。

診断名がつくことのデメリットもあるかもしれないからです。

何より本人は傷つきます。

けれどもそれを上回るメリットがたくさんあると私は感じているので、やはり心配であるようなら受診は早めにしてもらった方がいいかなと思います。

ひとつは配信で話している通り

治る(可能性のある)認知症がある

ということです。

治せるものは早急に治療をすればまた改善します。要はそれを放置していると、もったいないなということです。

 認知症になると、脳に起きた障害により頻繁にもの忘れが起こり、自分がいる場所や時間などが把握できないことで生活に支障をきたします。そして、認知症には「治る可能性がある認知症」と「治らない認知症」があります。
 治る可能性がある認知症は、主に「正常圧水頭症」や「慢性硬膜下血腫」「甲状腺機能低下症」などが原因で起こるもので、外科手術などの治療にともなって治る可能性が高いことから「治る可能性がある認知症」と呼ばれています。また、アルコール性認知症も断酒をすることで認知機能が改善する可能性が高く治る可能性がある認知症と呼ばれています。

よくあるのが、ここであげている
「正常圧水頭症」や
「硬膜下血種」
「甲状腺機能低下症」です。

硬膜下血種は、私が出会った方の例を出しますが、転倒して頭を打つと頭の中に血種ができてしまうことがあります。血種は脳を正常に機能させないので、転倒した事をご本人が忘れてしまったりもする。
ご本人がまわりに言えないので「あれ?なんか様子が変だぞ?」と思っても認知症状が出現している起因が誰もがわからないわけです。

なので、まず高齢者が転倒した場合(乳児などもそうですが)頭部を打っていないかどうかの確認は非常に大事になってきます。

「アルコール性認知症」の方もお会いしたことがあります。
断酒したら、徐々にしっかりとされてきて、徘徊したり不安になったりということがなくなり、その後は落ち着いて生活されていました。

あとは診断を受けると
「必要なサービスや制度が使えるかもしれない」
「適切な支援に繋がりやすい」

などもメリットとしてはあげられます。

介護認定がおりれば、おだんごさんやコッシーさんのサービスなどに繋がっていくわけですね。

あとは、病院で画像を撮るというのは
さきほどの血種ができているか水頭症になっていないかというのも重要ですが
・脳の萎縮がないか
・血流が悪くなってないか
なども医者は診ています。

撮って診る認知症のホームページより

お薬の種類も様々です。
血流が悪くなっているのであれば血流を良くするお薬を飲んだり、神経伝達物質に働きかけるようなお薬であったり、イライラや不安をおだやかにするようなものもあります。

その指針を決めるためにも、画像を撮って診るというのはおすすめしたいところでもあります。

あなたが認知症だからという切り口ではなく、たとえば人間ドックの中での「脳ドック」みたいなものを受け付けている病院もありますので、健康診断の一環として受けてみようというのもありかなぁとは思います。

そうはいっても病院ってなかなか足を運びたくないところですよね。それもわかります。

薬も飲みたくな―いという認知症の利用者さんもいたりするので、肌に貼る種類の薬も出ています。
まぁ、それも何だかよくわからなくてご本人が取ってしまったりとかもあるわけですが(支援側との攻防が繰り広げられるところでもある)

④介護認定と認知症について

これは配信でおだんごさんが詳しく話して下さっているので、そちらを聞いてください。

認知症の程度と介護度が比例するわけではない。
ということにつきますかね。
介護度2の方より介護度5の方が介護が楽になったということもあるわけです。
(おだんごさんがおっしゃっているとおり関連はしています)

認知症と言っても、それぞれが全然違うんです。

個々で症状が全く同じということはない。

そしてコッシーさんがおっしゃっているように同じ症状でも

環境次第で変わる

ということがあります。

施設と在宅では環境が違うので、問題になるかならないかは、環境次第で変わります。

ちなみに私は仕事で、利用者さんやご家族で何か困りごとがあった場合に、環境を変えられないかなというのをまず最初に考えます。

本人を治したり変えるのは大変。
もちろんそこはほったらかしにしているわけではなくて、専門職として考えてはいるのですが、早々すぐには変わりません。
だったら、環境(人的、設備的、サービス)などを変えられないかなと考えたりします。

⑤財産保全サービスや成年後見制度について

調べたら名古屋市のが出てきましたので、参考までに上記に張り付けておきます。
「社会福祉協議会」というところで取り扱っているケースが多いかなと思います。ご自身の地域ではどのようなサービスが受けられるのかを確認してみるのもいいかなと思います。
自治体でけっこう色々なサービスがあります。
(オムツを支給してくれたりなどなど)

厚労省でも「日常生活支援事業」としてホームページに記載されています。


⑥話しにくさについて

お金や介護の話って話しにくいよねっていう話題が、配信でも都度出てきます。

配信では話しませんでしたが、以前記事でも取り上げた「もしバナゲーム」というのもACP(アドバンス・ケア・プランニングまたは人生介護)的な観点でも、一度やってみたらおもしろいかなと思ったりします。

あとは、私が企画した「さいごに何食べたい?」という企画も、実はそのようなことをみんなで考えるきっかけになったらいいなと願って取り組んだものでした。

この先の事を考えるのは、死や老いや認知症など、重苦しいですよね。

もっとライトに話せないかなぁ、それこそ小学生位から話せたらいいのになと個人的には思います。

誰しもが訪れる可能性があることですからね。

あとは身のまわりに実際に関わっている人の話を少しだけ聞くのもいいかなと思います。直接的に聞くというよりもお互いの雑談の中で出てくる話って、けっこう覚えていたりするのです。

⑦字が書けないこと、書く練習をすること

これなんとかならんかなって思いますけどね。筆記必須という常識。

生まれつき字が書けない方もいらっしゃるのでね。

ここでぼやいても仕方ないのですが。

『なぜ書けないのか?』

実は、様々な要因があって、しかもそれらは単一のものではなくて複雑にからみあっていたりする。

そういうものを私達は仕事でアセスメントするわけです。

一番見ているのは「言語聴覚士(ST)」という職業なのですが、STってまだまだ少ない職業なので、あまり身近にいなかったりする。

なので、OTである私なども深い知識がないながらも考えたりします。

ことばそのものを想起できない
手が震えてしまって書けない
手の力が衰えてしまって書けない
視力が低下していて書けない
集中力が続かない
手の感覚が鈍くなっていて書けない
空間を認識する力が衰えている
ペンを書くものとして認識していない
下手だからはずかしくて書きたくない

ざっと思いついたものでもこれだけある。

それらをどのように解消していけるのかを練習では一緒に考えます。

配信で話している、単に字を忘れてしまった方は、症状が初期である場合は私がまず書いてみて「これをまねして書いてみてください」と提示すると、思いだして書ける方もいます。お試しください。

⑧福祉用具の償還払いや受領委任払いのこと


今治市のホームページがわかりやすかったです。

償還払いで返ってくると言えども、いったん全額払いがつらい方は受領委任払いを検討してみてもいいかなと思います。

⑨お薬やポリファーマシーについて

 高齢になると、加齢による身体的・精神的機能の低下とともに複数の慢性疾患にかかり、飲む薬が多くなってきます。多くの薬を飲んでいることにより、薬の相互作用や飲み間違い・飲み忘れ等により正しく薬を飲めなくなることなどから引き起こされる有害事象のことをポリファーマシーといいます。(単に薬が多いことではありません。)

兵庫県のホームページより

コッシーさんのいうとおり、お薬手帳は大事です。心配な方は薬局に相談してみましょう。

⑩認知症になっても

「若いからといって私たちとあっち側の人と分けない」

「病気だからなんだからではなくてその人を感じる」

ピリカさんが配信の最後でおっしゃっていた発言を聞いて、私は嬉しく思いました。

頼れる人がいること
頼れるサービスがあること

今はこれを知っているだけでもいいかなと思います。
ピリカさんなり、おだんごさんなり、コッシーさんのような方たちがいて、一緒に伴走してくれるということを忘れないでほしいなということです。

2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されています。

認知症になっても豊かに暮らしている方もいます。
私もおだんごさんもコッシーさんもそのような方がいることを目の当たりにして生活しています。学ぶことも本当に多いんです。

私はその方が認知症と診断を受けても、その方の尊厳を持って生活してほしいなぁと願っています。

私が病院ではなくて、施設や在宅分野で働きたいひとつの理由として、一人の方と長く関わっていられることがあります。

徐々にその方が変容していっても、お話ができなくなってきても、以前一緒に関わらせてもらった経験や、お話ができる時に聞かせて頂いた若かりし頃のストーリーやその方の価値観が、介入のヒントになったり、私を手助けしてくれるものになったりします。

ご家族は一番間近でその方を見ています。

一番知っているからこその強みもあるし、知っているからこそのつらさもあります。

一人で悩まずに、たとえ自身がキーパーソンや介護の責任者になっても、支えてくれるものがあることを思い出して頂きたいと思うし、自分と親しい人がそのような立場になった場合は、まずその方のお話や、場合によっては愚痴めいたものでもなんでも、聞かせてもらうだけでも、間接的な支援になります。

さいごに。

ピリカさんが前回のすまスパPROを配信した時にこのようなnoteを書いています。

でも、自分の持っているスキルが誰かを救うなら。声で安心を届けられるなら、みんなの「仕事」の知識を共有する場を作りたい。
肩肘張らず、それぞれの分野の「プロ」の話を聞ける場を。
ずっとずっと、そう思ってました。

きっと、場をつくることが、本当に好きなんだなってよく思います。

それは何も小説だけとは限らず、人と人とつないで豊かに暮らしてほしいという願いを、ピリカさんから感じます。

でも、私のインタビューを受けてくれる方がいるのなら、ぜひ、聞きたいのです。
あなたの仕事にかける想いを。
あなたが「普通」と思っている、スペシャルなスキルを。

次回は「あなた」かもしれません。

最後に一緒にお話しさせてもらった3人と
配信を聞いて下さった方に
感謝の意を示して終わりにしたいと思います。

このような機会を頂きまして、まことにありがとうございました。

サポートは読んでくれただけで充分です。あなたの資源はぜひ他のことにお使い下さい。それでもいただけるのであれば、私も他の方に渡していきたいです。