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夏の夜にエモい名曲が流れてきて泣いてしまった話

最近、ひょんなことから中高の1つ上の先輩とお酒の席で一緒になった。
会うの自体15年ぶりくらいだろうか。
めちゃくちゃ親しかったというわけではないけれどお互いに青かった時代から何となく面識のある先輩とまさか20年以上の時を経てお酒を傾けることになるとは何とも嬉しいような恥ずかしいような不思議な気持ちになった。
当時から声がデカかった先輩は今も声がデカくて、相変わらず無茶苦茶で、その変わらなさが懐かしくて泣きそうになった。

そんな出来事から数日後の夜、Apple Musicでランダムに音楽をかけながらひとり飲みしていたら突然globeの「Precious Memories」が流れてきた。気づいたらいよいよ泣いていた笑

「Precious Memories」は1996年に発表されたglobeのデビューアルバム「globe」に収録されていた1曲。450万枚以上売れたらしい。改めてすごい時代だ。
年齢がバレるけれど当時私は13歳。globe、華原朋美、安室奈美恵などなど小室ファミリーをガッツリ聴きながら青春時代を過ごした。

当時は友人からCDを借りたり、TSUTAYAでCDを借りたりして、それをテープにダビング、カセットが擦り切れるくらいまで何度もウォークマンで聴いていた(そういえばあのカセットたちは一体どこに消えてしまったんだろう)。

サブスクが一般的になってしまった最近は1枚のアルバムを曲順に聴くという文化が消滅しつつあるのが非常に残念だけれど、当時は1枚のアルバムを繰り返し繰り返し聴いていた。
そんなわけで「Precious Memories」もおそらく数え切れないくらい聴いていたはずだけれど正直全く意味も分からないまま聴いていたんだろうなと今更ながら思う。

あれから四半世紀以上の時が流れて、40になった今聴くと歌詞が沁みて胸がぎゅーんとなる。
いつの間にこんなに遠くにきてしまったんだろうか。

懐かしくても 会えずに
どこにいるかも
理解らずに

偶然 街ですれ違っても
気付かずに
お互いの道を目指してる

月日が流れて少しずつ遠ざかる夢のかけら
誰と暮らしているかも知らずに何かを忘れてく

globe「precious memories」

私の記憶が正しければglobeのファーストアルバムは隣の席だった友人Aに借りた。とっても綺麗でスタイルが良くて大人びていて歌も上手な女の子だった。クラスの中では明らかに違うグループに属するタイプなのになぜか仲良くしてくれて、まだまだ子どもだった私にいろんなことを教えてくれた。でもある日彼女は急に学校を辞めてしまった。最後に会ったのは16歳とかなんじゃないかな。連絡先も分からないし、もうきっと会うこともないかなと思う。それこそ偶然街ですれ違ってもきっと気付かないだろうなと思う。
だけど今でもこうしてたまに思い出す。そして彼女がどこかで幸せに暮らしていたらいいなと心から思う(タフな彼女のことだからきっと大丈夫だと思うけれど)。

「ずっと友達でいよう!」とか「今日のことは一生忘れない!」とか散々誓ったのにもう会わない人はたくさんいるし、零れ落ちた記憶もたくさんある。
それは仕方のないことだし、それで良いのだけれど何でこんなに切ない気持ちになるんだろう。

一方で、「切ない」と言いながらこのエモさに少しだけ酔いしれている自分もいる。こういう気持ちになれるのは歳を重ねた者だけの特権かもしれない。

というわけでエモさがギュッと詰まった名曲globeの「Precious Memories」を歳を重ねた皆さんにお届け。

もう二度と戻れない時間に思いを馳せてみる夏の夜。きっとこの夜のことをまた懐かしく思い出す日が来るのだろう。

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