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怖い副作用

こんばんは(^ ^)クマです!


この記事を読んでいただいている方の中にも採卵を経験された方がいらっしゃると思いますが、みなさんは採卵時の刺激法をどうやって決めましたか?

しっかりと医師や看護師から説明がありましたか?

採卵する時は、卵子をたくさん採りたいものですよね。だから刺激を強くする。それもありだと思います。

でも、たくさん採ればいいという話でもないのです。

そこで今日は、採卵時に起こる副作用についてお話していきます。



◎刺激法

採卵をするために卵胞を育てていく時には、排卵誘発剤を使用します。内服薬や注射を行い卵胞発育していくのですが、その方法を刺激法とよんでいます。

薬の種類や量、投与の仕方によって刺激法の名前が変わってきます。

・自然:薬を使わずに卵胞を育てていく方法

・低刺激

 ①SLC:クロミッド(内服薬)+注射(1日おきのことが多い)

 ②レトロゾールマイルド:フェマーラ(内服薬)+注射(1日おきのことが多い)

・アンタゴニスト法:注射(連日)

・ショート法:注射(連日)+点鼻薬(連日)

・ロング法:注射(連日)+点鼻薬(連日)

上記のように刺激法にはいくつか種類があります。

基本的には、下にいくほど刺激が強くなります。


◎刺激が強くなるとどうなるの?

一般的に刺激が強ければ強くなるほど採れる卵胞数が増えます。よって、確率法で言うと妊娠率は高くなります。

しかし、体にかかる負担も大きくなってしまいます。

また、刺激法によっては個人差で合う・合わないがあるので、刺激を強くしても思ったほど卵胞が採れなかったり、逆に刺激が弱いけど沢山採れたりすることがあります。刺激法を弱くしたことで高刺激の時よりも質の良さそうな卵胞が採れると言うこともあります。ただ、これに関しては、やってみないとわからないと言うのが正直なところです。もし、採卵に何度か挑戦することがあるのなら、刺激法を変えてみると言うのも手だと思います。


◎体にかかる負担って?

今日のテーマでもある、副作用についてです。

排卵誘発により卵胞が複数育ってくることは嬉しいことですが、育ちすぎもよくないのです。20個超えてくると副作用の方が心配になってきます。

副作用って何?と言うところですが、一番怖いのが卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。

OHSSとは、排卵誘発によって複数の卵胞が育ってくることで、血液が卵巣に集中して流れてきます。そうすることで、体全体をめぐっている血液がドロドロになってしまい、血の塊(血栓)ができやすくなってしまいます。血栓ができ、大事な血管をつまらせてしまうと重篤な合併症を引き起こしてしまう可能性があるので、本当に注意しなければならない副作用です。

OHSSのリスク因子は様々ありますが、主にAMH(抗ミューラー管ホルモン)が3〜4以上の方、見えている卵胞数が14個以上の方です。

排卵誘発をしているといつもより卵巣が腫れますので、お腹の張りっぽさは感じると思いますが、OHSSになってしまう方は、その張りが日常生活に支障をきたすほど酷く痛みも伴います。また、体の水分が卵巣に集中しますので、尿量が減ることがあります。酷くなると腹水が溜まったり、呼吸が苦しくなったりと入院が必要になることもあります。

一度腫れてしまった卵巣をしぼめる薬はありませんので、脱水や血栓症が起こらないよう、補液(点滴などによる水分補給)をしながら安静にして様子をみると言った対処療法を行っていきます。

ここまで聞くと本当に恐ろしいもので、高刺激は選ばない方がいいのでは?と思ってしまう方もいらっしゃると思います。しかし、OHSSの重症例はほとんどが妊娠している方です。採卵し、受精卵を凍結せずに移植する新鮮胚移植によって妊娠する場合、OHSSが酷くなる傾向にあります。もし、新鮮胚移植を行い妊娠し、OHSSになってしまった場合、症状が酷ければ人工妊娠中絶を行わなければならないこともあります。


OHSSのリスクが高い方に対しては、血液をサラサラにする薬を処方したり、刺激するときの薬の量を調整したりしていきますので、怖がりすぎなくて大丈夫です。

しかし、注意は必要ですので、お腹の張りが酷い、尿量が減ったなど気になる症状があれば早めに医師へ相談してみてくださいね!



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