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日常に活かせる天真体道瞑想

先日、天真体道瞑想クラスに参加して下さった方が、帰り際にとても興味深い体験をシェアして下さったので、記憶が風化しないうちに記録しておきたいと思う。

今年(令和6年)最初の対面クラスに参加されたSさんは、その日が初体験であったのにも関わらず、このボディワークが何を目指しているのかを速やかに理解され、ひとつひとつの動きや説明に対して新鮮な驚きを表現しつつも、ワカメ体操などはまるで昔から知っていたかのような自然さで取り組まれていた。

対面クラスでは、気の流れを良くする天真柔操という体操から始め、自分で無理せず力みを抜いて行くストレッチ、その日のテーマの動きと進んで、最後に15分くらい椅子に座っての瞑想を行う。瞑想クラスと銘打っている割に瞑想そのものの時間は短いのだが、心身の力みを残したまま1時間座り続けるよりも、それらを適切な手順で解放した状態で行う15分の瞑想の方が、はるかに深く有意義なものとなる。

なぜそう言えるのかの理由や具体的事例については『天地人々ワレ一体』にまとめてあるので、関心のある方はそちらをご覧いただければと思うが、一番のおすすめなのは、もちろん直接体験してみることである。

さて、Sさんは2回目のクラスの後に思いがけない体験をしたと、3回目の時に伝えて下さった。傘をさしながら自転車に乗っていたら、前方から歩いて来た男性にその傘が少し触れてしまって、大声で怒鳴られたという。ここまでは、割とありがちな話だと思うのだが、その先が違ったのだ。

普段なら恐いと思ったり、ビクッとしてしばらく動揺してしまうような場面だったのにも関わらず、Sさんはそういう気持ちが起きたかどうかという間もなく、それがすぐに消えてしまって、後に何も残らなかったらしい。感情を瞬間に手放せて、全く引きずらなかった自分に驚いたという。

Sさんにとってはかなり印象的で、ある意味初めての体験だったらしく、わざわざそのことを報告して下さったのだった。その話を聞いて、私はすっかり感心してしまった。理由は3つある。1つ目は、その体験がチベットの高度な瞑想体系であるゾクチェンにおける「心の本性に留まる」状態を彷彿させるような話であったことだ。

拙著『霊性のアート』に、ボン教ゾクチェンについて書かれた『智恵のエッセンス』から引用している文があり、私は話を聞いている最中にそのことを思い出していたので、ここにもその文を引用してみたいと思う。

”思考が突如生じるまさにその一瞬に(もしあなたが、リクパの境地に留まったまま認識していれば)、思考はおのずから解き放たれて行くだろう。”

『智恵のエッセンス』(シャルザ・タシ・ギャルツェン著/森孝彦訳/春秋社)

2つ目は、これに近い状態を日常生活の中で、しかも予期せぬ場面で実現してしまったという点である。知識としてこういう状態を知っていたり、瞑想中にこれに近い状態を体験していたとしても、日常生活の中で出くわすトラブルの場面ではあまり役に立たなかったという話の方が多い。実際、よほど習熟して「それが当たり前」の状態にでもなっていないと、娑婆では使えないものだ。

しかし、Sさんはたった2回クラスに参加しただけで体験してしまったのだ。もちろん、瞑想直後で一時的に特殊な状態であったという見方もできるが、私が目指しているのは、瞑想クラスの参加者が日常生活の中でその成果を実感できるようにすることなので、早速それを実現してしまったSさんに驚かされたのである。

そして、3つ目は、その体験を瞑想クラスの影響だと思って私にフィードバックされた点だ。新刊『自分で感じ、自分で決める13の月の暦』では、暦の使い方の一つとして「気づきのシェア」を紹介しているが、これが出来る人は意外なほど少ない。しかも、暦のクラスでは極意として推奨しているそのやり方も、瞑想クラスでは特に触れていないし、Sさんにも別に促したりはしていなかった。

にも関わらず、Sさんがその体験を私に伝えて下さったのは、それが新鮮な体験で、なおかつ瞑想クラスの影響だと実感されたからであろう。もし、自力でそうなったと考える人だったら私に報告はしないだろうし、瞑想クラスの影響かな?とは思っても、素直に驚きを表現する姿勢がなければ、やはり他者に伝えたりはしないだろう。エネルギーの循環という意味でも、Sさんの行為は素晴らしいのだ。

実は、ZOOMで行っているオンラインクラスでも、変化や気づきを体験して報告して下さる方はいる。最近も、諸事情でしばらく心身のバランスを崩していた会員(参考:天真体道瞑想クラス会員制度)が、画面OFFで横になったまま参加して、そこから回復し始めたケースがあった。

自分自身の体験からも、ちょっと頭痛があるとか具合が悪いという位の時は、クラスに参加した方が速やかに回復するので、常連参加者にはそう勧めているのだが、画面OFFや横になっての参加が失礼だと考えるのか、せっかく良くなる可能性が高いのに、ログインしないで休んでしまう人が時々いるのは勿体無い限りである(稽古の意味や働きに対する理解が浅いと思う)。

もちろん、人の声も聞きたくないという程に辛い時は、無理して参加する必要は無いが、大抵の不調は気血の巡りが滞っていたり、心の状態と連動する姿勢に問題があったりするので、それをリセットする方向性を持つこのクラスに参加すれば、「あれ?さっきまでの頭痛はどこへ?」というようなことがごく普通に起こるのだ。

元気な方はますます元気になるし、肌艶も良くなる。多面的なアドバイスが可能な対面クラスの方が変化率は高い(よりはっきりと変化を実感できる)が、オンラインでも開始前と終了後の顔を鏡で見比べてみれば、その変化を自分で確認できるだろう。

ちなみに、一番長くこのクラスに参加し、弛まず稽古しているのは妻だが、20年前は冷え性で靴下2枚に電気敷布まで入れないと眠れないとか、15年前までは月に1回はマッサージやリフレクソロジーにも通っていたのが、今では全て必要なくなって、自力でより健康かつ元気になっているという事実が、この動的瞑想の効果を何よりも証明していると言えよう。

私たちは、自分たちが実践して「これは素晴らしい!」と感動し、一定期間の検証にも耐えたものしか紹介しないし、ましてやその手法を直接教授したりもしない。縁あってこのブログを読まれた方で、心身の本質的な健康に関心のある方は、ぜひ一度試してみてほしい。きっと素晴らしい体験が出来ると思う。(D)

太陽の月21日 2・鏡(KIN158)

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