保育園の数はもう足りているという人が保育関係者の中にも多くいますが、その発言は子どもの未来を考えていない政治家と何も変わらないレベルで現実が見えていない人の認識。というお話

 政治家や役人は、現場の現状を正しく認識しようとせず、数字だけで判断し決めていると思わざるを得ない状況に今も昔も日本にはあります。
それを保育業界の人は、常日頃から痛感し苦しみ闘ってきています。

ただ、私自身が今年東京を離れ地方に仕事で引っ越したのですが、本当に酷い現実を知ることになりました。

ある小さな企業園だったのですが、園所有の絵本がほとんど無い・教具などの玩具もまともに揃っていないなどをはじめ保育環境が劣悪、組織の人間も保育の事をまともに分かっている人間はおらず保育士の扱いが酷く、開園してから数年しか経っていないのに開園時にいた保育士は全員退職。保護者も園に対して不満や不信感しか持っていない状況。

本来であれば、保育園が十分に足りているというのであれば、そんな園から離れ次の園へ転園するという選択が1番良いと誰もが考えます。しかし、現実はそういう行動を起こせた保護者は一部だけでした。

その理由には、やはりすぐに次が決まらない。すぐに決められるのは無認可の企業園のみで、当然保護者の皆さんは同じ不安を持ちたくないという想いがあり、次は認可保育園が無難と考えるのは自然な流れであり、次を探すのですが、空きがない。だからどうしても足踏みしてしまい転園までが出来ずに、不満と不安を持ったまま高い保育料を払って登園しなくてはいけないという事になっていました。

本来の【保育園が足りている】という言葉の現状は、子どもを預ける保護者が安心して預けられる保育園に子どもを預けられ、もし価値観が合わない・園自体が酷い園と分かった時には別の園に1ヶ月以内で転園できるという【余裕】があってはじめて言っていい言葉だと思います。

前に記事でも書きましたが、酷い園であっても《子どもを人質に取られている》と感じている保護者がただでさえ一定数いる現状があります。
なのに、酷い園と気づいても《子どもが人質》《空きがなく転園先が見つからない》という現実の板挟みで転園できな現状で悲鳴をあげている保護者がいるにも関わらず、《保育園の数は足りている》という認識に業界の人間ですらなってしまっているという現実。

未だに酷い保育環境の保育園が存在し、保護者によっては初めての保育園であれば、その環境がスタンダードなのだと誤認してしまい、別の要因で不信・不満を持った際にそもそも保育環境が劣悪だったと知る事になるケースもあると容易に想像もつきます。

勿論企業園=劣悪という訳ではありませんし、認可認定だから絶対に良い園とも限らないのが現実です。

ただ本当に入園してみないとその保育園の実態が良いか悪いかがとても判断し難い現実もあります。多分、誰1人として『100%良い園を見極められる方法がこれです!』と言える判断方法を知っている人はいません。

だからこそ、数字だけで役人・政治家だけでなく、現場の保育業界人が【もう保育園の数は足りている】という言葉を口にする・認識する事はしてはいけないはずです。

保育現場の人間も含め、保育関係者の皆さんは
《保育園の数は十分に足りている》と、
どういう意味で発言しているのでしょうか?

保育士不足、園児数の確保という大変さで自分の園の事だけで精一杯という事は理解しています。
ただ、保育現場の人間が、《役人・政治家と同じ数字だけの認識》でそういう発言をしてしまっている現状に私は危機感を感じています。


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