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運動歴ゼロ、不摂生な体を改善したヒロコさんと歩んだヨガトレーナー10年の軌跡

「ヒロコさん、おきてくださーい。」

この掛け声を何度もしていたころが懐かしい。

日テレでバリバリ働いていた「ヒロコさん」
と出会い、ヨガでパーソナルレッスンを始めて10年。
出会った頃のヒロコさんは出産を終えて間もない時。
体力、筋力、気力があるとは言えない身体で、セッション中によく寝ていました(笑)

「立つポーズ」は一切せず、仰向けやうつ伏せで寝たまま&座って動くだけであっという間の3年。

柔軟性、筋力がなくてもいいんです。
いわば体のセンサーを正しくするための大切な期間と大切なアプローチ。

それを経て今では寝るどころか、体の状態を細かく説明してくれるまでに。


集中力が上がり、右脳で体を感じ、どのように体を使っているのかを
数多くいるインストラクターよりも、かなりマニアックなプロレベルにまで体を使いこなせるようになったこれまでの軌跡をヒロコさんとのキャッチボール形式に綴っていきます。


出会った頃のヒロコさん。↓↓↓

産後のホルモンバランスで変化した体を見極める


出会った頃のヒロコさんは2人目の出産後だったので、1人目出産の体のまま追い打ちをかけた状態でした。

妊娠後期から産後初期は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの影響で関節・筋肉が緩みやすく一時的に柔軟性が上がり、その後産後ホルモンバランスで関節が硬くなります。
それを知らずに力任せで伸ばせば、腱鞘炎・股関節炎・腰痛・内臓下垂からの尿漏れ・不眠・体重増加の原因に。

産後の体力回復・ホルモン変化による体とメンタルの調整も。

育児とホルモン変化による強張りをとり、1人目から追い打ちをかけて弱くなった骨格・内臓を支える基礎筋肉をいちから作ること。

これが当面の目標でした。


妊娠で開いたままの肋骨と骨盤を締める

まずはここから。

吐く息に合わせてお腹を凹ませて、吸う息を肋骨に

イメージするTHE腹筋運動ではお腹が膨らんでることがほとんど。
でも狙うのはその筋肉では無く。内臓を支えている奥の「腹横筋」。
だから、必死に頑張ってお腹を使っても、違うんです( ノД`)シクシク…

ヒロコさん、お腹を凹ませて吸うときに肋骨を広げてください!!!

これはもう呪文です。(笑)

呼吸を利用することでホルモンバランスの調整で、産後うつの防止も期待できます。呼吸って意識してても漠然としていて何が良いか実感していない方が多いですが、呼吸は唯一自分でコントロールできる自律神経に関与している運動神経なのです。


ヒロコさんが産休から開けて仕事復帰をしたりと忙しくなり始めてから
「突発性難聴」との診断を受けることも。
環境の変化に順応できるよう、焦らず、呼吸とお腹を凹ませる感覚と肋骨
にフォーカスしてヨガを続けました。


呼吸で体を診ていく練習

呼吸は大きく分けて3つ

腹式呼吸(横隔膜をターゲット)
胸式呼吸(肋間筋をターゲット)
鎖骨式呼吸(頚部筋肉をターゲット)

これをコントロールして自身で使いこなせるのが健康な状態です。
呼吸が通らない、コントロールできないところは老廃物がたまって
筋肉の硬直、痛みの記憶で感覚が鈍くなり動かせなくなっている状態です。
この状態を「サンスカーラ」と呼んでいますが、本来の状態ではないということです。

ですから『ヨガは腹式呼吸』と発言をする指導者もいますが
必ずしもそうではありません。腹式呼吸もその一つということです。

ヒロコさんにこの呼吸で体を診ていく練習を取り入れ全くできなかったのが
鎖骨式呼吸
確かに、首はいつも筋が立つほど緊張し食いしばりが強く奥歯が歯茎にめり込むほど。
マウスピースを作っても噛ちぎるぎるほどでした。


■呼吸から体を診る方法
うまく呼吸が入らなかった場合の症状も参考にしてみてください。

●腹式呼吸
①仰向けで寝る体勢をとり、お腹に手を当てる
②鼻から吸う息でお腹をふうせんのように膨らます
③吐く息で風船がしぼむようにお腹を凹ませる

便秘または下痢・ストレス過多・胃腸炎・腰痛・下半身のむくみ
PMSや生理痛のトラブル・婦人科系の病気・股関節痛など


胸式呼吸
①足を腰幅に広げて立ち、両手で腰をつかむ。
②腰をつかんだ手をあばら骨が当たるところまで上に移動する。
③あばらが触れたら、鼻から吸う息であばら骨をアコーディオンを開くように横へ動かす。
④吐く息でアコーディオンを閉じるように体の中心へ動かす。

全身のだるさや疲労感・全身のむくみ・背中の痛み・猫背・狭窄症柔軟性の低下・肋間神経痛・高血圧・アレルギー症状・喘息など


●鎖骨式呼吸
①仰向けで寝る体勢になり、両手を鎖骨の下に添える。(胸の上)
②吸う息を手を当てたところをめがけて膨らませる。
③吐く息で胸をなでおろすような感覚で力を抜く。

肩・首の凝り・寝違え・自律神経失調症・慢性頭痛・眼精疲労・五十肩
顔のむくみ・顔がくすむ・顎関節症・めまい・睡眠障害・感覚神経の過敏症など


どうでしたか?
呼吸からご自身の体を診れたでしょうか。
分からない方はいつでもご相談くださいね。
詳しい呼吸の調整法はまたの機会に。

さてさて、本題にもどります・・・

■ヒロコさん改善のために処方した内容

①鎖骨式呼吸ができるように胸椎の動きを整えるアーサナ(ポーズ)
②吸気を感じるための呼吸法
③交感神経を整えることを目的に首の筋肉と神経叢のリラックスを狙って
背中にも胸椎・頸椎にも呼吸を通すアプローチ。


物理的には出来ないと考える方が多いですが、呼吸は筋肉でするもの
体幹といわれる筋肉全てが呼吸に関与しているということを考えれば可能ということがわかります。
呼吸をしている筋肉細胞に働きかける集中力と感覚器官を磨くと
肺に取り込まれた酸素は血管を通じて細胞に運ばれて行くのが感じ取れます。

ヨガではプラーナといいます。気の流れということ。
これがヨガのだいご味で、エクササイズや運動ではないということの一つです。そんな指導を受けたことがない方はきっと多いのでは?


3つの呼吸がコントロールできるようになったころには
産後のからだが整い更地に戻ったような、癖の少ない状態へ整いました。

更地=スタート地点

です(笑)

ここまで3年の月日が経ちました。

ここからはみるみるうちに変化を実感していくフェーズに入ります。

いよいよ立つのか?動くのか?ヨガっぽい動きをするのか?

ヒロコさんの感想やあの時どうだった?とリアルな体験者の記事も上げていきますね。
次回をお楽しみに( *´艸`)








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