見出し画像

7.いつまでも可愛かった弟がアラサーだと感じた、泣いた。

私は友人たちの結婚式にたくさん呼ばれ、「佳き日」に受付やスピーチで関わり、親友の結婚式では二次会のお見送りで「貰って…」と大きなブーケを貰って、今までありがとうとかこれから幸せになってねだとか、そんな言葉では表せない気持ちで号泣した程の、ミス御祝儀である。

参列させてくれた挙式ではiPhonのくせに200枚超えの写真を撮って、厳選した写真をグループLINEのアルバムに投稿したし、そこから40枚厳選してFBに参列レポートを愛を込めてしたためていた程である。

そんな私は30歳で6年彼氏がおらず、未婚独身である。
大学卒業したての同窓会では「結婚は諦めた、脚の病気もメンタルも理解してくれる人は少ないし、そこから子供をってなると育てられる自信もないし」と。そもそも定職についている期間はもう30歳なのに1年に足るか足らないかの瀬戸際である。(休職期間も長いから)

そんな私でもブライダルで働いていたのは、思わず感涙する親御様の気持ちが分かったし、中座でおばあちゃんと退出する友達を見ていて、ああいいなぁ、家族っていいなぁと、私の家ではこんな感動的な挙式披露宴は無理だなぁとか思っていたから、せめて手の届く範囲で困っているカップルには親族皆様含めて「最良の日」を手伝いたいと思ったからだ。

しかし私は失恋女王である。
恋にまつわる男性心理や追いかけさせるテクニックなど、本を読んでは成る程と知識を溜めた。
それを私が実践する機会は6年のブランク、そして合間の本気の片想い2年間で「もういいかな」と思ってしまったのだ。

けれども脚の手術をした時に、「子供には遺伝しないし、1人までならこの脚の病気を悪化させずに産めるよ」と言われた。欲が出た。

マッチングアプリでは下心ではなく君のは前心だねとなる人もたくさんいたし、婚活パーティーは無料キャバ嬢をしているのか?これは金を払って行う接待なのか?と思ったほどだったが、人手不足でカムバック要請がきてブライダルで再びバイトで働いているからこその憧れとも言えるのか謎な「結婚したい」が沸いてきた。
バリバリ寝食を忘れプランナーとして働いていた時よりも、結婚って良いなぁと思う。

私は「ふたりでひとつ」にはなりたくない人だ。
生育環境が違った2人が出会って恋をして結婚に至る、その選択をした友人達が心底凄いと思うし、そこまでの関係性を作らないから未だに未婚独身独り身なのだとも思う。
負い目としての脚の病気とメンタルの病気もある。

それでも数年後「婚活本気出しておけばよかったなぁ」と愚痴るのならば、今が一番若いのだしダメ元で安心安全な方法で婚活をしてみようと思った。

お見合いである。

私は恋に落ちやすい。ならばマッチングアプリであってもお見合いであっても大差はない。
無理だな、と思えば断れば良いのだし、セクハラまがいのメッセージのやり取りがないだけ気が楽だ。(6年彼氏がいないと言うと、確実に「え!じゃあその間セックス1回もしてないの!?とナチュラルにセクハラされるのだ。うんざり。)

これは叩かれるかもしれない考え方だが、両親が亡くなったあと、1人ぼっちで複数の病を抱え生きていくのが怖いというのが大きい。
兄も弟も東京に住んでいる。
駆けつけてくれる肉親より、気の置けない友人の方が近い。
けれども彼女達もキャリアがあり家庭があり、疎遠とまではいかないが、大学生の時のように気軽には会えない。

お見合いをしようと思う、というのは母より先に弟に相談した。
月会費がかからなくて団体に加盟する4万円だけでスタートができるらしい、お見合い日程が決まれば四千円払っていくシステム。もちろん成婚費は0円。
大手の結婚相談所を利用しても相手が見つからずお金だけなくなるというリスクもない。
やれるだけやってみたい、一人で生きていくのが怖いから、とLINEした。

弟は「まず最初に、一人ぼっちにはならないから安心して!大丈夫だから!」と言ってくれた。
大きくなったんだな、だってもう27歳だもんなと謎に涙が溢れてきた。

頑張って仕事についても長続きしない私の躁鬱やメンタルの弱さや家族を大事に思っていることも彼は知っている。
だから「姉ちゃんは一人じゃないからね!」と言ってくれる。なんて優しい子に育ったのか。

3歳の頃、節分の豆まきで鬼が怖くてギャン泣きしてるのに鬼が豆を差し出すと泣きながら大人しくその豆を食べる可愛い子だった。
九九がなかなか覚えられずに毎朝化粧をする母親に九九を唱えてはダメ出しで涙目になっていたあの子が。
いつの間にか家族で一番背が高くなって、家族で一番学歴も良くて、良い仕事についた。

いつまでも「お姉ちゃん」でいたけど、弟はちゃんと「弟」として成長していた。
私は母ではないのに懐かしいのに嬉しいのと色々ごちゃ混ぜになっておんおん泣いた。

1年間だけ頑張ってみようと思った。
21日(土)、バイト終わりにはじめてのお見合いがある。
脚の病気もメンタルのことも書く欄がない団体からの申し込みを受けてのお見合いだ。

卑屈になりすぎず、かといって戦闘モードで持論を展開するわけでもなく、いいなと思える人に出会いたい。

社会通念に即して「結婚したい」と思ったのではない。
母の留袖は女紋だ。その大好きな母方の紋の入った黒留袖を着せたい。父方のミョウガの家紋じゃなくて、蝶々の家紋の。

年始に母の姉、母と着てきた中振袖を着せてもらってそう思ったのだ。

婚活男子は「恋がしたい」「ゆるふわ思考」となかなか私も偏見というか、疑い深くなってしまっているが、減点ではなく加点で相手を見ることは今後の人生でも良い影響を与えるだろう。

あとなんせネタになる←

どう転んだってネタにしちゃえる人生のスタンスで良かった。
大人になった弟よ、お姉ちゃんの背中押してくれてありがとう。
貴方のお姉ちゃんで良かったって、本当に最近思います。

だからあんたと彼女が結婚するときは、微力ながら相談に乗りたいな。そんな小姑は嫌かな。

27年越しだけど、弟に生まれてきてくれてありがとう。

世の中の人類全てが感じる理不尽を打ち消し「ご自愛力」を普及するために活動します、この瀕死の体で。東西南北行ってやる!講演だったしてやる!サポートお願いします。