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ゲームデザイン超入門

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ゲームデザインなどを見直すきっかけになるメモを書いていきます。初心者向け。
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#ゲーム制作

電子書籍『ゲームデザイン力を育てる50の講義』を出版しました。

noteを毎日更新したおかげで電子書籍がつくれました。メインの仕事以外に趣味とか副業で、なにかをアウトプットしたいなあと思っていました。でも、なかなか続きません。 そんな時『習慣づけをするには、細切れに小さくして・無理なく・毎日やれる範囲でやったほうが良い』という動画をみました。たしかに、これは思いあたります。 だったら、まずは一番好きなゲームでやってみる! そう思ってはじめたプロジェクトがゲームデザインやゲームシステムに関するエッセイ『ゲームデザイン超入門』です。 毎

【ゲームデザイン】面白いけれど難解なゲームがあったら?

こんにちは、ゲームであそんでいますか? ゲームをつくっていますか? 今日はゲーム開発の打ち合わせで初期『ウィザードリィ』の話をたくさんしたせいか、タイムスリップ気分のククトニアンです。 それにしても『ウィザードリィ』って、たくさんのクリエイターに影響を与えていますよね。あの『ドラゴンクエスト』も原点にしているようです。 作者の堀井雄二さんが作ったミステリーADV『軽井沢誘拐案内』には『ウルティマ』っぽいマップがあったので、最近までウルティマ派だと勝手に思い込んでいたのです

【読書】村上春樹さんと大学教師の意見が、真逆だった話。(つづき)

こんにちは、ゲームであそんでいますか? ゲームをつくっていますか? 今日はゲームであそぶ時間がつくれなくて寂しいククトニアンです。 以前のnoteに「アドバイスって難しい」という話を書いたけれど、時には相手の人生を変えちゃうこともあるんですよね。というのも、自分がまさに、そうだったので。 十七歳の頃だったかな。ゲームクリエイターになりたかった自分は、企画書を某ゲーム会社に持ち込みました。すると、その会社のディレクターさんが添削をしてくれたんですよね。 真っ赤になって戻っ

【ゲームデザイン】『モグラたたきゲーム』の作者って?

こんにちは、ゲームであそんでいますか? ゲームをつくっていますか? 今日は読書に集中していたククトニアンです。 いま読んでいる本の中に『モグラたたきゲーム』の開発者のアーロン・フェッチャーが……ということが、不意打ち的に書かれていて、ちょっとしたサプライズを感じました。『モグラたたき』の作者って、特定されているんだ! まあ、あたり前か。 あの『オセロ』だって作者が特定されているもんな。ちなみにオセロの原形は、1945年9月茨城県水戸市で生まれました。作者は長谷川五郎さん

【ゲームデザイン】難易度選択か、RPG要素か、それが問題だ。

こんにちは、ゲームであそんでいますか? ゲームをつくっていますか? 今日もPS3版のエアコンバットゲーム『H.A.W.X. 2』で遊んでいるククトニアンです。昨日あたりからシナリオの中盤に入ってきたようです。ミッションが派手になり、難易度があがってきました。 この『H.A.W.X. 2』ですが、同じミッションの失敗を繰り返すと【難易度を下げる】【難易度変更なし】という選択肢がでてきます。「うーん、あおってくれるじゃないか!」と独り言をいいながら、今のところ「難易度変更なし」

偉人の言葉から学ぶゲームデザイン No.04|伝説のゲームデザイナー「上田和敏×遠藤雅伸」対談より

つまり、「ボードゲームのメカニクスを分析すると、ゲームデザインの能力があがる」というお話。これは見逃せない言葉だ。わたしも、コンピュータゲームを作る方にも、ぜひボードゲームを研究してもらいたいと思う。その理由は3つあります。 第一の理由。ボードゲームは、ルール(計算式)やデータが全て公開されている。だから、どのようにデータや乱数を扱っているかを確認できる。逆にコンピュータゲームは、数値の扱いはブラックボックス化されているので、気軽に分析をすることはできません。 第二の理由

偉人の言葉から学ぶゲームデザイン No.03|スティーブ・ジョブズ名言集より

この名言を、まずはゲーム機に当てはめて考えてみよう。例えば「タッチペンで遊ぶ携帯ゲーム機」とか「スティック型コントローラーをTVに向かって振るゲーム機」の企画書を一般ユーザーにみせたとする。Nintendo DSやWiiがリリースされる前だったら、買いたいとリアクションしてくれる人はいるだろうか? ゲームソフトはどうだろうか? やっぱり遊んでみないとわからないという結論になるだろう。企画書や仕様書だけをみて、頭の中でゲームを動かせる人はプロでも少ない。だから人気のソーシャル

偉人の言葉から学ぶゲームデザイン No.02|星新一『ひらめきの法則』より

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」ということは、よく聞く話だけれど、星新一の講演録『ひらめきの法則』には「定石を覚えろ」という+αがあります。ストーリー制作であれば、小話のあらすじを覚えて頭の中に叩き込む必要があるし、囲碁・将棋であれば定石を覚えなければ強くなれない。当たり前だけれど、大事なポイントですよね。 ゲーム制作であれば、ゲームシステムが定石にあたります。 近年のゲーム受託開発ビジネスはコンペが基本になっています。だから、どれだけ多くの定石を知っているか

偉人の言葉から学ぶゲームデザイン No.01|『超訳ニーチェの言葉』より

「自分はやり方についてどちらの選択もできたと考えているから」こそ、快感とか不快感を感じるという部分は、ゲームデザインでも重要なポイントです。プレイヤーは自分自身で判断して、その結果がフィードバックされるからこそ納得感をもって楽しめるのです。 ゲーム制作に慣れていない方は、特にマルチエンディングに注意してください。プレイヤーの知らない間に選択をつみ重ねたことにされて、最終結果だけ押しつけられるものはリピートプレイに繋がりません。

【ゲームデザイン超入門】プレイヤースキルに応じて楽しめるテクニックを用意しよう。

こんにちは、ククトニアン(https://twitter.com/kuktonian)です。【ゲームデザイン超入門】のお時間がやってきました。今回のテーマは「アクションゲームのテクニック」です。 プレイヤーは今までできなかったプレイができるようになると、達成感を感じます。ですから、ゲームを長くあそんでもらうには初級・中級・上級と段階的に挑戦できるテクニックを用意してあげることが大事です。 そして、難しい挑戦にはリスクとリターンが上がるように設計するとよいでしょう。 たと

【ゲームデザイン超入門】思考と決断を楽しむ「カードドラフト」の仕組みを使ってみよう。

こんにちは、ククトニアン(https://twitter.com/kuktonian)です。【ゲームデザイン超入門】のお時間がやってきました。今回のテーマは「カードドラフト」です。 場にでている複数の対象(カード・ユニット・エネルギー・etc)から自分の欲しいものを選んで手に入れるゲームメカニクスを「カードドラフト」といいます。 自分の状況だけでなく、対戦相手に取られたくないもの・希少なもの・組み合わせで有利になるものを選ぶ必要があるので駆け引きと戦略性がうまれます。

【ゲームデザイン超入門】属性システム(3すくみ)に慣れてきたらアレンジをしよう。

こんにちは、ククトニアン(https://twitter.com/kuktonian)です。【ゲームデザイン超入門】のお時間がやってきました。今回のテーマは「属性システムのアレンジ」です。 属性システムのシンプルな使い方は、攻撃力アップもしくはダウンです。これだけでもゲーム性はあがりますが、ゲーム制作に慣れてきたらあたらしい仕組みも考えてみましょう。 例えば『ペルソナ5』では敵の弱点属性で攻撃して成功をすると相手がダウンして「1MORE」が発生。再攻撃ができるようになりま

わかりやすい目標と進捗状況の可視化について。

これは『ラストハルマゲドン』の序盤に置いてある石板に書かれている文章です。ゲームクリアの条件に108の石版が大きく関わっていることが、すぐにわかります。しかもパッケージの付録として、大判の世界地図と石版の位置を記録するチェックシールまでついていました。 魔族が支配している謎に包まれた世界を大量の会話ではなく、石版のテキストで少しずつときあかし、プレイヤーに想像させながらプレイしてもらう構成です。 余談ですが高校時代の友人エム君は、このゲームをMSX2版で解きました。クリア

ビジュアル・ストーリー・システムの3大要素で世界観を表現するのがゲームデザインです。

『ラストハルマゲドン』では主人公である「魔族」を表現するために、独特なシステムが入っています。まず1つ面白いのは時間帯によって行動できるモンスターが変わることです。 10:00〜22:00(昼)はオーク、ハーピィなどが行動します。22:00〜10:00(夜)はガーゴイル、ゴブリンなどの夜行性モンスターが暗躍します。 そして月に一度、時間が10倍の遅さで流れる「サルバンの破砕日」がやってきます。この日は昼も夜もなく、ゴーレムやアンドロスフィンクスなどの特殊モンスターが終日行