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迷子のうた【わたしの花瓶】

空にしたはずの弁当箱開けたんだ
中は空っぽなんだけど

鞄に閉まって歩くと
ダンベルがツカツカ突いてくる
まだ突いてくる

ダイエット始めたってお母さんが
一緒にやってくれたら嬉しいとか言って
色んな形のダンベル集めてる

丸い所が林檎とか玉葱とか
「それで疲れてるんだ!!」

背中にダンベルが当たるんだ
最近、ダンベルに疲れてるんだ

何歌ってるか
わからないバンドのCD
枯れた花を見たような気分さ
「あなた、可哀想だね!!」

何悩んでるか
わからないベッドの中で
枯れた花を見るような目をして
「わたし、可哀想だね」


「ああ、誰かセミーデッドフラワーズ…」
エブリモーニング
仏壇の奥で音立てるロック

土曜の朝はミッシェルガンエレファント
日曜の朝はBLANKEY JET CITY
聞きながらダイエット、エブリデイ


平日の夜は必ずローリング・ストーンズ
「デッドフラワーズ」

枯れた花、撮って帰ろう
「弁当箱に何か入れて帰ろう」

どうでも良かったことが
凄く見えるようになって

「割りと快感なんだ」
ロックンロールダイエット

体、軽すぎて

「わたし空っぽじゃん!!」
この弁当箱みたいに


「ギター買って帰ろう」
枯れた写真の奥で歩いてる夜道
盆暮れ感情、背負い投げ

殆ど空っぽの箱に露る私
あなたが求めてるバンドエイド
「それがエフィカシー」

その傷口を思う存分開けて
枯れた花を差し込んであげる

「それがエクスタシー」
空っぽ箱とロックと私


盆暮れに買った薔薇の花を
わたしの花瓶に差し込んで歌う
「あなたの花瓶に差し込んであげる」

盆暮れ勘定、今すぐ払え!!

自分の花瓶にスポットライト射し込め
砂漠の薔薇をスパッと抜いて光を

「差しこめっ」


内なるゴールデンレトリバーのエサ代、読みたい書籍の購入、音楽などの表現活動に使わせてもらいます。