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銭湯に一日入り浸った話②

続き。

さて、この銭湯は数回利用したことがあるにも関わらず、浴場への入口が分からなくて、ここかな!と開けたら掃除道具入れだったことも書き記しておく。素っ裸でモップとかバケツの前に仁王立ちしたことありますか。しかも笑顔で。

露天風呂ではあんなに風が心地よかったのに、脱衣所にあがってきた途端に
汗が吹き出してくるのはどうしてなのか。
天井やロッカー上の高いところに、いくつも扇風機が設置されているのに、リモコンもその扇風機の横にくっついているのはどうしてなのか。誰の手が届くと言うのか。

こんな汗まみれではぴちぴちの体操服なんて着ていられないので、ズボンだけ履いて(安心してください。上はハーフトップですよ)、パウダールームで涼むことにした。ここもとても清潔できれい。
髪を乾かすふりをしてドライヤーの「冷」を扇風機がわりに使っていると、化粧水と乳液が目に入った。ポーラか?いや無印だ。安い。(黙れ)

そうこうしているうちに汗も引いたので、フリーサイズ(M)(上)を着てみた。
着ているそばからぴっちぴち。フリーサイズって何。そのフィット感だけで笑いをこらえきれず、その場に崩れ落ちた。もしその様子を見ている人がいたら、貧血かなんかで蹲ったんじゃないかと思ったに違いない。
なんなのこれ。水着?

(ひとりで)ひとしきり笑ったので、メインイベントのだらだらルームへ移動する。丁度お昼だったので、何か食べたくて、メニューに『エッグベネディクト』と見つけたので注文した。こんなところに(失礼な)そんなオサレフードがあるなんて。1回食べてみたかったので飛びついたのだが、出てきたものは思い描いていたものとは違っていた。これはエッグベネディクトで合っているのか。

コレがそのベネディクトとやら。

美味しかったからいいけど。ビールもあったし素敵なフルーツドリンクもあったけど、ノンアルビールにした。丁度よかった。(何が)

時は満ちたのでいよいよだらだらする。
思ったよりそこはとても広々とした空間で、あちこちにゆったりすわり心地の良さそうなソファやらなんやら置いてある。ヨギボーが散りばめられているゾーンは畳で女性専用エリアもある。それでも広い。狭いところが好きな人用にちょっとしたプライベートエリアもある。PCを使いたい人はそれ用の小さなテーブルも貸出があったし、ブランケットもある。あと壁一面ぐるりと雑誌や文庫や漫画が美しく配置されている。端から全部見ていったら、ネットで途中までしか無料で読めなかった漫画が12巻揃っていたのでいそいそ運んだ。

風呂はどんなに趣向を凝らしたものがあろうとも露天一択なのに、だらだらスポットはとりあえずぜんぶ座って、寝転んで、だらだら具合を試してみた。良いだらだら場所を探り当てるには、ちょっと座ったくらいでは騙されることがあるため、漫画1冊くらいはそこで読んでみることをお勧めする。(誰や)

結局、すぐ横になりたい人なので、畳エリアでヨギボーを贅沢に組み合わせて石油王の昼寝ベッドみたいなのを作った。やばい。とける。
あと11巻読んでしまわないといけないのに、秒で寝た。1時間以上ぐっすり寝た。一回目が覚めたけど、また寝た。だってものすごく静かなのよ、その空間。平日の昼間で人も少なかったけどもう何から何まで最高。

ところで、文庫でも漫画でも、少し間が開いてしまったら最初からちゃんと読み直したくないですか。それで、1-2巻あたりはつい何十回と読んでしまうことになって、すっかり覚えてしまいませんか。これを教科書などで出来たなら私は今ごろどうなっちゃってたんだろう。出来なかったのでどうにもなっていない。

自販機で飲み物を買って、ヨギボーに寝転んで漫画を読みふけった。10巻くらいでさすがにもうちょっと飽きてきたけど頑張って最後まで読んだ。私の頑張りとは。あんなに集中したのはいつぶりだろう。(それはどうなのか)

12巻を読破し、その疲れを洗い流すためもう一度お風呂へ向かった。(漫画読んで寝てただけやで)
19時を過ぎていたが外はまだ明るくて、内湯と露天との仕切り窓が全開で、内湯でも露天と変わらない清々しさで入れた。なんという心遣い。
昼間より人は増えていたけど、混み合ってはいない。経営大丈夫か。

結局、会計を済ませて外に出たら20時くらいになっていた。ゆうに8時間以上だらだらしていたことになる。なんだこれは。素晴らしい。
風がけっこう強く吹いていたみたいで自転車がなぎ倒されていた。
すっかり遅くなってしまって、行き先も告げていなかったので家族が心配しているかもと思いスマホを見たが誰からも何の連絡も入っていなかった。

なんとなく、どこからどこまでが夢だったんだろう、なんてことを思いながら自転車を漕いで帰った。











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