すてきな えがおの おんなのこ
さっちゃん このまえ
ふられちゃったん
だって
ちゅんちゅん可愛い小鳥、さえも、そんな風に、こそこそと、あたしのこと噂してるよな気がしてる。
一生懸命歩いているけど、ガッコに近づくたび、足は細かく震えてく。
心臓はもう満杯で、爆弾みたいに破裂しそうだ。
そんな誰も、もう気にしてないかもしれないんだ。あたしだけかもしれないんだ。
そそ、みんな、あたしに興味ないんだ。
へへん、知ってるよ、みたいな。
心の中でくらいカッコつけてなきゃ、やってらんない。
だけど、うん。
だけど、あたし以上にみんな興味持ってるかもしんない。あたしが思ってる以上に。
想定内に収まる、人の不幸は、平凡な日常には、気持ちいいだろうから。
ゆっくりゆっくり歩いてるのに、どうして学校につくんだろって。
おもいながら、げた箱で靴をはきかえた。
吐息が足と同じくらい震えてる。
あたしが足を踏み入れた途端、教室は一瞬静かになるような気がして、それと同時に私の弾けそうな心は一瞬にして凍りつくような気がする。
想像する。
教室が近づいてくる。
いままで出したことないくらい大きな声で、教室中に響かせて「おはよーー!」って言いたい。
爆発しそうな心臓をもっともっと爆発させたい。
そのまま、あーあー泣いてしまいたい。
想像する。
教室にはいる。私はほんのり微笑んだまま席に座る。誰かが面白がりながら席の遠くであたしをみる。
そんでまた誰かが、優しそな顔してそっと肩を叩く。
さっちゃん、つらかったねって。
そしたら、あたしは、この、抱えきれないほどのいろんな気持ちを全部塗り替えちゃうくらい、猛烈な笑顔で言ってやるんだ。
んん、もうかなしくなんかなーいよっ!
あたし、寝たら忘れるの!
しあわせになろーとしなきゃ
しあわせになれないからね!!
って。
(15の空間を思い出して。)
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