見出し画像

地元にあったご神体のお引越し

皆様如何お過ごしでしょうか、久賀池知明です。
つい先日こちらの記事にて祖母の体験を書きましたが

今度は実家付近に存在していた御神木と小さい社の話が聞けましたので、書いていきたいと思います。
まずは実家付近の簡単な地図です。

現在の簡略化した地図です。縮尺とか適当ですがご愛敬ということで笑

そしてざっくり百年?くらい前の地図がこんな感じです

井戸の枠組みは10年位前まではありました。私が子供の頃には完全に潰されており、中を覗いても土と岩が入ってました。

ご神木と小さい社があったそうです。
社の方は分かりませんが、ご神木に関しては「天神さん」と呼ばれて、住民に親しまれていたそう。
そして何十年前か、家を作ったりする関係でこの二つを移動させようという事になりました。それがこちらです。

家があるところ以外はだいたい畑か原っぱです

木を神様として信仰しているのはとても日本らしいですね。山そのもの、岩、木、人、犬など、万物に神様が宿り、それと共に生きる。

この2つの神様は関係性がある訳ではなく、偶然近くにあったそうです。と言うより、昔は今より沢山神様がいらっしゃったので、

ご神木は地元の小学校のすぐ横にある神社に移動する事になりました。
木を丸ごと移動する訳にはいかないので、枝なのか根なのかを奉納し、祭神として現在も祀られています。

小さい社の方ですが、社と家の間を走る小道の奥に家を作る計画が立ち、小道を広げる必要があるとの事で、約15メートル程のお引越し。

地鎮祭を済ませ、さぁ社を移すぞーとなった時、施行主さんが突然気分が悪くなり、発熱。
ざわざわざわ……
移動が終わって少しすると体調は元に戻ったそうです。

神様、お引越し嫌だったんでしょうか?
お引越しして、まぁここでも悪くねぇか?と思われたんでしょうか?
今までずっと見守り続けて来た土地から離れるのは、人間含めて生き物にとって勇気がいる事ですが、神様もきっとそうだったのでしょう。

社自体あるいは御神体を他の場所に移すことを
遷宮
というそうです。
こういったお引越しは、ある程度人が住み始める前までは結構頻繁にあっていたようです。
悲しい話ですが、道路工事、住宅建設などで社やお墓が偶然出てきた際、地鎮祭など行わずそのまま引き倒してしまう事もあったと聞きます。

かく言うお引越ししたあの小さい社も、現在はソーラーパネルを設置する場所になっています。

旅の安全や縁結びを祈っていた神仏や慰霊碑がそれ程多くあり、いつからか人が寄り付かなくなり捨てられてしまった。しかし時を経てそこに人が住み着くとは、なんともやるせない気持ちになりますね。

この記事が参加している募集

#ふるさとを語ろう

13,643件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?