見出し画像

または如何にして私は心配するのを止めてラベンダーを育てることになったか

ベランダ住宅事情に関して情報共有は果たした。
次は環境に関する共有。
また私の心配事を共有しようと思う。

昼間にベランダに出ると嫌な音を立てて飛来する生物が存在する。蜂だ。種類を正確に特定するのは難しいがアシナガバチだと思われる。虫が苦手な自分としては、あまりにも大きく感じるサイズ感の蜂である。飛来する原因は隣家の椿なのではないかと訝しんでいるのだが、隣の青い芝生に対する手段を人類は遥か昔から持ち合わせていないので隣家がどうであろうと自分の芝生でどうにか戦う必要がある。

ちゃきちゃきの現代っ子である私はグーグル先生に蜂対策をご教示願い出た。調べてみると蜂が好む香りと嫌う匂いが存在するらしい。好む香りとしてあげられるのはシンチョウゲ、クチナシ、キンモクセイ、ジャスミン、スイセン、ユリ、ラベンダーである。まずここに列挙した植物は育てないことが確定した。その他にも飲み残しの缶ジュースや柔軟剤も好むらしい。この辺りに関しては問題ないだろう。

どうやら隣家の椿が特別原因になっているわけではなかったようだ。ここに謝罪する。

嫌いな匂いに関しては木酢液というものがどのサイトにも書かれていた。木酢液とは木材を炭化させて作った液体だそうで、これが蜂の鼻には火事を連想させるらしく忌まれるらしい。

こうして、
避ける植物と木酢液を買うことが決まった。

私は蜂以外にも昆虫全般が苦手である、なぜか蝶々は大丈夫なのだが。そんな人間がベランダで園芸をするなんてあまりにも不向きなことこの上ないと思うのだが、植物を育てたいと言う憧れや情熱がその恐怖に勝っているのだから仕方がない。

ただし勝っているからと言って正面から戦うつもりは決してない。不必要な戦闘は避けるべきだ。それが僕の生き方であり、如何にして戦闘を避けつつ安全地帯に滑り込むかこそランクリーグのムーブで意識していることでもある。

そのため蜂以外の昆虫対策にもぬかりなく先手を打っておく必要がある。

グーグル先生によると虫を寄せ付けない植物があるらしい、特にハーブ類。レモングラスやユーカリ、ペパーミントにローズマリー、そしてハーブの代名詞とも言えるラベンダー。ラベンダー!?

ラベンダーは蜂を寄せ付けることになってしまうが、その他の害虫を寄せ付けない効果があるらしい。ハーブの中でもラベンダーが特におすすめらしく、色々な葛藤を抱きながら私は近所の花の卸売場みたいなところへ散歩に出かけた。

優先的に育てようとしていたハーブ類だが、近所で手に入るのは「イングリッシュ・ラベンダー」と呼ばれる品種のみだった。これはもう、ラベンダーを育てるしかないかもしれない。

家に帰り、ベランダに出て、室外機に目をやる。実はここにはトウモロコシを植えようと思っている。なぜトウモロコシなのか。理由は単純で、夏に収穫出来てベランダで栽培出来るものには、例えばトマトやナスやキュウリがあるのだが、そこに並んでいたトウモロコシにロマンを感じたに過ぎない。

決して偏食が理由ではない。

となると追加の日照権付与を行う必要がある。

ベランダの壁に金具を取り付けている家を見たことがある。それを取り入れよう。ちゃきちゃきの現代っ子はAmazonですぐに調べる癖がある。ベランダの壁に取り付ける金具を「プランターハンガー」というらしい。早速メジャーで壁の厚みを測り、注文する。明日が楽しみだ。

ベランダで思い耽っているとあることに気づいた。

ここ数日、蜂が飛来していないことに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?