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親が子どもに暴力振るってもすぐ捕まらないのに、なんで子どもが親に手を挙げると即逮捕なんですか?

映画『記憶2 - 少年たちの追憶と贖罪 - 』

昨日、認定NPO法人育て上げネットでは、少年院を出院した少年の更生自立の支援を支えてくださる寄付者とともに、映画上映会および、中村すえこ監督を迎えてのトークショーを開催しました。

少年院に収容される前、少年院での矯正教育を受けている最中、そして出院後の少年たちを追ったドキュメンタリーは、いま、さまざまなメディアが追っている闇バイトや特殊詐欺に手を染めた少年たちの声をリアルに聴けるものでした。

犯罪白書など統計データを見れば、非行少年たちの多くが育った家庭や地域環境がどのようなものであったのかを想像することは容易です。加害者であることは事実です。しかし、その幼少期の環境は、虐待やいじめ、家庭内暴力など、生きることに希望をなくしてしまうに十分すぎる劣悪さです。

自身の母親に暴力を振るった少年は、少年院の中で話しました。

親が子どもに暴力振るってもすぐ捕まらないのに、なんで子どもが親に手を挙げると即逮捕なんですか?

映画『記憶2』から

https://nakamurasueko.com/kioku2-assets/img/kioku2.mp4

映画は自主上映で、特に11月は各地で開催されています。また、書籍も出版されていますので、活字で読むこともできます。


『帰る家がない少年院の少年たち』(中村すえこ)

トークショーでも、中村監督はおっしゃっていましたが、犯罪加害者であり、社会的な被害者でもある少年たちの行為は、私たち大人社会の一端を反映しています。

それぞれにできることは限られていても、「知ること」や「伝えること」、ときには直接手を差し伸べることもできるかもしれません。それが新しい被害者も、新しい加害者も生まない社会につながります。

育て上げネットでは、少年院の中を実際に観て回るスタディツアーや、当事者や識者を交えた公開型・非公開型のセッション、非行少年に限りませんが、自宅に帰れない、親を頼れない若者や子どもたちのための夜間の居場所「夜のユースセンター」など、この問題を一緒に考え、自分ができることを見つける手がかりを一緒に探します。

少年刑務所・少年院・少年鑑別所(法務少年支援センター)、触法少年・非行少年など、公的施設やNPOの活動などでも、なかなかテーマや話題になることは少ないかもしれません。

もちろん、ひとを選ばずにオープンな場所であるため、排除もしていないでしょう。それでも、少年たちが頼って来ることが少ないのは、私たちの「知らない」ことが、少年たちには伝わっているのかもしれません。

まずは「知ること」から一緒にやりませんか。


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