【12月編】漫画家9℃の月推しマンガ3選2022
こんにちは、漫画家の9℃です。
こちらは
マンガ好きの漫画家が、先月発売新刊の中からおすすめタイトルを紹介する
という記事になります。
12月発売新刊の中から、今回は3作品選出させていただきました。
※
以下、作品タイトル(巻数)・著者・レーベル(出版社)・あらすじ・オススメポイント、という感じで紹介していきます。
電子書籍ストアBookLive!のリンクを貼っていますが、「書影がすぐ見れる」「登録なしでブラウザ試し読みができる」「私が普段使いしている」という理由です。
BookLiveに扱いのない作品については、公式サイトを載せています。
それでは紹介させていただきます!
『霧尾ファンクラブ(1)』 著・地球のお魚ぽんちゃん
…リュエルコミックス(実業之日本社)
好きな人が被っても、仲良くいられる…よね?
クラスメイトの霧尾くんに恋する二人の女子高生。彼の一挙一動に、生み出した妄想に、今日も大騒ぎ。
たまに抜け駆けしようとしたり、やっぱり勇気が出なかったり。一番のライバルで一番の理解者である友達と紡ぐ、青春ラブバトルコメディ。
爽やかで切ない雰囲気を醸しておきながら、隙あらば体を張った全力斜め上ギャグが炸裂し、かと思えば本当に爽やかで切ないシーンも挟まってくる、つきすぎた緩急が癖になるタイトルです。
”ファンクラブ”ふたりで遠慮なく騒ぐときと、好きな相手本人を前にしたときのぎこちなさとのギャップのリアリティにもキュンとします。
いつか本当に真剣に勝負するときが、裏切るときが、決着がつくときがくるかも…という事実を見ないふりしながらも、明るくアホらしく過ごすふたりをずっと眺めていたくなります。
『和庵のひと肴(1)』 著…高倉あつこ
…ときめきごはん(少年画報社)
どこか小綺麗で上品で、でも暖かそうな小料理屋さん。
その扉を開くにはすこし勇気がいるけれど、入ってみれば優しい笑顔の女将さん、そしておいしいご飯とお酒。
お腹も心も満たしてくれる、ほっこりグルメ物語。
定期的に読みたくなる、ほっこりあったか飲食店漫画。
こちらの作品に出てくる料理はあまり聞きなじみのないメニューが多いのに、なぜか懐かしい「おふくろの味」として思い出せそうな、そんなの絶対おいしくて優しい!と思えるアイデアと表現力が魅力です。
店主である女将さんも、はじめましてなのに見事な「理想の女将さん」であり、あまりの安心感。
毎話触れるお客さんそれぞれの人生悲喜こもごもも味わいながら、相席した客の気持ちになれるような、じんわり優しい作品です。
『雨宮さん(1)』 著・あらゐけいいち
…ゲッサン(小学館)
うまく説明できないけどなんか「好き!」な、日常にたくさん散らばる些細な良さを丁寧にかみしめていく少女・雨宮さん。
誰かと共有したいけれどなかなかできないそれを抑え込みながら生きてきた彼女の転校した先は、彼女と同じくらいかそれ以上に変わった生徒たちであふれたクラスでした。
雨宮さんのフェティシズム執着っぷりは特殊でも、ひとつひとつの「なんか好き」には意外と共感できるものがあるはず。
メルヘンと現実が交錯する世界観でもこちらを置いていかないのは、その卓越した着眼点と表現力がもたらす「知ってる」感のおかげでしょう。
日常生活を今一度丁寧に楽しみたくなる、気持ちよく笑顔になれる作品です。
今回の紹介は以上になります。
ここ二年ほど、一年間に読んだマンガから改めてお気に入りタイトルを選出する「くどまんが大賞」をひとりで開催していたのですが、ちょっと多忙により2022年分はできそうになく…
代わりというほどでもないですが、2022年に月間オススメ作品として紹介した中から、特に気に入ったものを3作品ほど挙げさせていただきます。
見逃していた方も「そこまで推すなら…」という方もぜひ読んでみてください!みなさんの年間推し作品も気になります。
【年推しマンガ3選】
・税金で買った本 (紹介回→https://note.com/kudo_9c/n/nc2c4d6f775d3)
・きつねとたぬきといいなずけ (紹介回→https://note.com/kudo_9c/n/n8f4df3732500)
・あかり (紹介回→https://note.com/kudo_9c/n/nbfdb28576898)
それでは、今月も楽しいマンガ生活を!
9℃
ありがとうございます!これからも頑張ります。