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【6月編】漫画家9℃の月推しマンガ3選2022

こんにちは、漫画家の9℃です。

こちらは
マンガ好きの漫画家が、先月発売新刊の中からおすすめタイトルを紹介する
という記事になります。

6月発売新刊の中から、今回は3作品選出させていただきました。


以下、作品タイトル(巻数)・著者・レーベル(出版社)・あらすじ・セールスポイント、という感じで紹介していきます。
電子書籍ストアBookLive!のリンクを貼っていますが、「書影がすぐ見れる」「登録なしでブラウザ試し読みができる」「私が普段使いしている」という理由です。
BookLiveに扱いのない作品については、公式サイトを載せています。

それでは紹介させていただきます!


『太陽よりも眩しい星(3)』 著・河原和音

…別冊マーガレット(集英社) 

小学生の頃からの男友達・神城に密かな片想いをし続ける少女・岩田。
どんどん”異性”になっていく様とずっと変わらない優しさと。その眩しさに募るばかりの恋心に決着をつけようと、ふたりの関係は動き出す。
優しくて切なくてあたたかいピュアラブストーリー。

レビューなどを見て頂くと分かるのですが「片想い相手の男の子・神城くんは、主人公である岩田さんのことがどう見てもすき…好きでしょ…そうだよね!?そうであって…!!」の声多数。私も例に漏れず同じで、両想いにしか見えない!という気持ちと、でも違ったらどうしよう…という不安をずっと持って読んでいます。つまり、片想いの感情の浮き沈みそのものを、読者にも体験として見事に届けてきているという。
1巻発売時から楽しんでいましたが、元々作者さんのファンであるため、もう少し進んでからおすすめするか判断しようと思い…満を持して、展開が大きめに動き出した3巻からのご紹介です。
展開や構成の妙に限らず、主人公たち・サブキャラの誠実で思いやり深い人柄やゆるくほのぼのしたコミカルさも魅力です。


『女の子がいる場所は』 著・やまじえびね

…ビームコミックス(KADOKAWA) 

『女の子だから』しなければならないこと。
『女の子だから』してはいけないこと。
世界で、今ここで、生きている少女たちに降りかかるリアルは、全ての人にとって他人事じゃない。
今と未来のために知り、学び、声をあげてたたかうオムニバス短編集。

適切な表現か不安ではあるのですが…ドキュメンタリー調ではあるけれど、マンガとしてしっかりと楽しめる作品です。現状を真摯に訴えつつも、前向きな発信として描いているからこそだと思います。
淡々とした実在感を感じる読み口がするりと胸に響く、老若男女問わず読んでほしい一冊です。


『あかり』 著・小日向まるこ

…ふらっとヒーローズ (ヒーローズ)

妻をなくした老人の元を訪ねてきたのは、喧嘩別れした息子の娘—ただ一人の孫・あかりであった。
ステンドグラスの作家であり教室を開いている老人は、あかりとの二人暮らしと作品づくりを通して、再び生きる意味を見出しはじめる。
しかし、あかりには重大な秘密があり…。

ざらりとした独特な質感のある作画から、冬の寒さも家の中の明るさ暖かさもありありと伝わってきます。
落ち着いたリズムで静かに穏やかに運ばれつつも、展開や心象の緩急が絶妙で、あっという間に引き込まれます。
不器用な人々の繊細で複雑な関わり合いがとても丁寧に描かれており、単巻完結ながら満足感の高いオススメの作品です。


今回の紹介は以上になります。

最近、私は新しいマンガを買うときは高確率で電子書籍です。なのであえて、紙単行本ならではの「」の話を雑談としてしようかなと思います。

私が子供の頃は、帯って今ほどはどのマンガにもついてなかった気がします。アニメ化とかヒット!みたいな折に期間限定でついているイメージでした。
今は、少なくとも第一巻であればほぼ確実についている、くらいの感じですよね。作品数が増え、たくさんの中から選んでもらうための判断材料の付加が一番の理由かなと思っていますが、買う側出す側どちらにしてもありがたいです。表紙って一枚絵なので、どうしても漫画とは情報の種類が全然違いますから…「おもしろそうか」を重視するとなると、けっこう帯って大事ですね。
内容はもちろんのこと、帯の色や紙質にこだわっている作品を本棚に並べるのも楽しみのひとつです。イチオシ帯マンガは『わかばのテーブル(著・芝生かや)』です。

一方の電子書籍にも、稀に帯も含めて表紙画像としている作品はあります。もっと広まると個人的には嬉しいけれど、スマホでの閲覧が一般的だと思うとあまり重視されないかなとも…

それぞれの良さがどうにか残り続けてくれたらうれしいなと思います。

それでは、今月も楽しいマンガ生活を!

9℃

ありがとうございます!これからも頑張ります。