セクシャリティの見立てについて③
セクシャリティを見立てる練習には、自分自身のセクシャリティについて理解を深めること、自分自身のバイアスについて気がつくことが、準備段階として挙げられます。
自分自身のセクシャリティについて、と言うことで考えると、例えば自分のジェンダーはどのようなものか。性的嗜好はどのようなものか。ジェンダーをどのように表現したいか。身体的な性はどのようなものか。
いくつかの視点から自分自身を捉え直し、自分自身もグラデーション中に位置することを確かめる作業が有用です。様々な可能性に自分が開かれ、また他者も同様に様々な可能性に開かれていることを、認識する必要があります。
また、暗黙のルールに気がつくと言うことについては、例えばゲイやレズビアンについてどのように捉えているか。バイセクシャルについてどのように捉えているか。トランスジェンダーや性分化疾患、アセクシュアル、クエスチョニングなど、諸々の(便宜上ではあれど)セクシャルマイノリティの人たちについて、どのように捉えているか。
これらについて考え、書き出してみると、自分自身のセクシャリティに関する自己理解や、他者に対するセクシャリティのイメージが、輪郭を掴みやすくなると思います。また、自身が抱えるunconscious biasに、自覚的になりやすいです。
同時に、セクシャリティに関する知識が自分にどの程度あり、何を補えば良いかと言うのをクリアになるかと思います。
例えばどんなライフスタイルになるのか。人口における割合はどの程度いるのか。どんな悩みを抱え、どのような支えや喜びを得るのか。
重要な事は、知識を得て、想像力を働かせ、「思いを巡らす」と言うことなのだと私は思います。その点で言えば、何か特別なことをする訳ではありません。
セクシャルマイノリティは、「いるか・いないか」ではありません。誰しもが多様性の中に位置付けられ、そして割合としても関わった人々の中には必ずセクシャル・マイノリティはいるはずです。多様性を等しく尊重する関わりが、重要となります。
その上で、目の前のクライエントのセクシャリティを、ステレオタイプに囚われず、受容し、関わることが求められます。
では具体的に、どのように関わるか。セクシャリティを見立てた上での関わりは、どのようなものが考えられるか。
それについてはまた改めて、まとめてみたいと思います。
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