バイクの後部席に乗ってドキドキしたあとで読書と友情について考えたこと
大学生になってから、何度も読み直す本が増えました。
引っかかるところがたくさんある内容を楽しめるようになったんですね。むしろそっちの方が発見が多くて、楽しいんです。冒険とか格闘をしているような感じです。
ここ一週間だと『現代経済学の直感的方法』『赤目姫の潮解』『いま生きる階級論』『生命進化の物理法則』と格闘しています。
僕にとってこれらの本は、読んでいるというより付き合っていると感じる相手です。
2周目、3周目と読み返すことで「あぁ!」「なるほどぉ」という深い知的な喜びを味わうことができ、その過程が思い出として刻まれていくようです。
味わい深い本は、一読してもわからないことだらけで、でも面白くて「どういうことなんだろう?」とあれこれ考えさせられます。
他の本を読んだりテレビを見たりしながらも無意識にヒントを探していて、意外なところから「あれはそういうことか」とひらめきを得ると飛び上りたくなるほど嬉しくなります。
こんな風に、たくさん考えて、寄り道してきて、もう一度向き合ってみたときに前より味わえるところが増えているのを実感した瞬間、それがこの上ない喜びなのです。
かといって、わかりにくい本ならなんでもいいというものではもちろんなく、感覚的なことで上手く説明しにくいのですが、これは付き合い続ける意味のある本だと直覚するんですね。この本を消化した先には、今とはずいぶん違う世界の見え方が待っているという確証みたいなのがあります。
友人との付き合いもこれに似ています。
最初に会った瞬間に、この人をもっと見ていたい、理解したい、この人の魅力を引き出してみたいといったことを感じる相手というのが一定数いるんですね。どんなことがあってもこいつと向き合い続けることは辞めないだろうと確信できると言えばいいのか、とにかくそんな感じのする相手です。
今も付き合っている高校時代からの友人たちには特にその度合いが強く、彼らと久々に話すと胸がドキドキします。あえて恋っぽく表現しました笑。
先日、そんな高校時代からの友人の一人と遊ぶことになり、バイクの後部席に乗せてもらったのですが、もうね、嬉しくてたまりませんでした。
背中は無防備にその人の素を晒している感じがするものですが、友の背中ほど情緒が詰まったものはないなと思いましたね。風も何割り増しかで爽快でした。
彼といろいろ他愛のない話をしましたが、何を話していても楽しかったです。沈黙も心地よかった。今日までに学んだこと、経験してきたことはこいつをもっとよく見るためだったんだ、いやこいつに捧げるためだったんだという気になりました。幸せなことです。
これも高校を卒業してからそれぞれが全く違う道を歩み、ごくたまにしか会えなくなったからこそかなと思います。
友人との付き合いでも、たくさん考えて、寄り道してきて、もう一度向き合ってみたときに前より味わえるところが増えているのを実感した瞬間が至福なのだと言えます。
大人になるにつれ、苦味や癖のある味を楽しめるようになるといいます。僕はまだどちらかというと濃い味とか甘いものが好きです。
大人になるにつれ、人生の悲哀や生活の面倒も「これもまた一興」とか思えるようになるのかもしれません。
僕もたくさんのことを経験し、考え、受け入れ、味わいを知るのかもしれません。
今よりもっと複雑に、より独自に、なかなか理解されにくいような仕方で味わえるようになることが豊かになるということなのかなというのが今の自分の感覚です。
せっかく本土での大学生活だし、季節を深く味わえるようになりたいなと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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