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🇮🇷イラン人のパパ友と語る🇮🇷

息子が通っている幼稚園には、イラン出身のパパ友がいます。Aさんとしましょう。日本人のお父さんも幼稚園で会うことがあるのですが、以前Aさんが幼稚園で何か説明しようとしていて話が通じなかったように見えたので、通訳したことがあります。それ以来、Aさんと話すようになりました。

イラン人の方とお話することは今までなかった為、とても新鮮な感じがします。世界史でもイランの歴史を扱う箇所は若干ありますが、王朝の変遷の羅列だったので、無理やり暗記した割にはあまり記憶に残らなかった経験があります。

ところで、私はPoet AliさんのTEDトークが大好きです。この方は言語の本質について詩人の観点から語っていて、その一例にイランのTaarofという一種のエチケットについて説明しています(3:20あたりから)。

TaarofはAliさんによれば謙虚さを示すためのもので、TEDでは少し誇張気味に「私はあなたの足の下にいる汚れです」というくらい自分を下げて表現していました。日本語には謙譲語がありますが、このような考え方がイランにもあることに気づかせてくれたTEDトークです。

そして今、目の前にはイラン人がいる。これは聞いてみるしかない!ということでPoet Aliさんの動画を見せてみました。すると「これは確かにそうだ」という反応。とても新鮮な感覚でした。

通訳者として仕事をしていると、色々な国の方の話を聞く機会があります。聞くだけでなく、それらを訳すのですが、登壇者との雑談は思ったより時間が許さないものです。そういう意味で、イランの方と直接話せたことはとても貴重な時間でした。

彼からの質問もありました。「英語にはhoneyとかsweetheartとか、配偶者などを指す表現があるが日本語ではどうですか?」という質問です。これには唸りました。通訳を11年していても、なかなかこのようなことを話す機会がないからです。皆さんはこの質問について、どう思いますか?

正しい回答ができたかわかりませんが、日本語ではhoneyなどに対応するような、独立した単語としての呼びかけの言葉はあまりないように思います。むしろ人の名前の最後に接尾辞のような形で「くん」「ちゃん」などを付け加えますよね。ちなみにペルシア語ではクンと言うと「お尻」という意味になってしまうそうです。「達也くん」などと聞くと「達也尻」と聞こえているのかなと不思議に思ってしまったり。

家に帰って早速、イランの動画をYouTubeで調べ、家族で見ました。この動画は4Kで非常に綺麗でした。

子どもたちには早速「イランは世界地図のどこにあるでしょ〜か?」とクイズにし、先に見つけようと必死に探していました。動画を見たり世界地図を眺めていると、イランの歴史を勉強してみたくなりました。

アケメネス朝ペルシアやアッバース朝などは今でも名前を覚えていますが、他のイスラム圏の国々とごっちゃになってしまって、よく覚えていません。なのでこれを機に、イランの勉強をし、Aさんにもイランについて教えてもらおうと思っています(ちょっと図々しいですが)。

Aさん曰く、テヘランと比べると大阪の空気はかなりマシだそうです。これには驚きました。私は大阪に行くたびに空気の汚さを嘆いていますが、それよりもひどいのか・・・。そういえば年初にドバイを訪れた時も、その車の多さと空気の汚さには辟易とした覚えがあります。動画だけでは空気までは伝わってきませんからね。

その他、Aさんとは日本社会の生きづらさも教えてもらいました。日本にずっといると海外からの視点で日本を見ることができません。常に異質なものを自分の中に持ちながら、今いる状況を相対化するというか、客観的に日本を見ることができるようになりたいものです。


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