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「やる気スイッチ」の見つけ方 ~モチベーションについて~(前編)


やりたい事があっても
「やる気が出ない」
「ついつい先延ばしにしてしまう」
といったことはないでしょうか?


また、部下や子供の
「モチベーションを高めるにはどうすれば良いか?」
と悩んだことはないでしょうか?

せっかく良い目標を立てても,
モチベーションが低ければ
上達は期待できません

そこで今回はモチベーションに関する情報を
ご紹介します。

皆さんの「やる気スイッチ」
見つけていきましょう!!

【今回の記事のゴール】
・モチベーションを高める3つの基本的欲求を理解する


モチベーションは2種類ある


心理学の世界ではモチベーションという言葉は
『動機づけ』と言われています。

そして、「動機づけ」には大きく分けて
『内発的動機づけ』『外発的動機づけ』
2種類があります。

『内発的動機づけ』
「楽しいからやる」「好きだから練習する」など

活動そのものが『目的』となっている場合のことを指します。

様々な活動をするうえで理想的な状態と言えます。


一方『外発的動機づけ』
「先生や上司にやれと言われたから」
「練習しないと叱られるから」
「日本一になるため」など

他の目的を達成するための『手段』として
活動している場合を指します。

外発的動機づけがすべて悪いわけではありませんが

皆さんがイメージする
「やる気スイッチ」は
内発的なモチベーション
ではないでしょうか?


モチベーションに影響を及ぼす3つの基本的欲求


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では内発的動機づけを高めるためには
どうすればよいでしょうか?

モチベーションに関する有名な理論に
「自己決定理論」¹⁾というものがあります。

この自己決定理論の中のミニ理論の一つである
「基本的心理欲求理論」では

私達には
3つの基本的な心理欲求があるとしています。

「自己決定」「有能さ」「関係性」への欲求です。


これらが満たされると
内発的に動機づけられた行動につながります。

自己決定への欲求とは
自分自身の判断や決定をもとに
主体的に行動したいという欲求です。

誰しも、人に指図されながら行動するのは嫌ですよね…


有能さへの欲求
とは
様々な課題に対して
自分の能力を十分に発揮したいという欲求です。

つまり、苦手なこと、うまくいかないことには
モチベーションが湧かないということです。

何を始めるにしても、
まずは簡単なものからスタートして

「自分は出来る」という体験をすることが
重要です。



関係性への欲求
とは、
他者と良好な関係を築きたいという欲求です。

仲の良い友達と一緒なら
どんなことでも楽しくなりますね。

逆に、自分が好きな事でも
嫌いな上司や同僚と一緒なら
楽しくなくなってしまいます…


つまり
・誰からも強制されることなく
・自分の得意なことを
・信頼できる仲間と一緒に取り組む


ことができれば

誰もが内発的なモチベーションが高まり、
その活動に熱中することができるようになります。


実際に、これらの3つの欲求が満たされた環境だと

多くの主体性と努力が見られ
心理的なウェルビーイング(=幸福感)

高まるとされています²⁾ ³⁾。

特に、指導者や上司、親の立場では、

子供や部下の「自己決定の欲求」
満たしてあげることは

主体的な行動を引き出し、
良好な関係性を築く
うえで

非常に重要な要因になります。

なので、上司や指導者は
一方的に指示を与えるのではなく

部下や子供と積極的にコミュニケーションをとり

どのような行動が必要かを考えさせ
相手が発言する機会を設けることが
大切だと思います。


また、相手が自己決定する能力が足りない場合は
いくつかの選択肢を用意してあげて

その選択肢の中から選んでもらうことで
自己決定の程度を高めるということも有効です。


まとめ


モチベーションには
本当に楽しいからやるという「内発的」なものと
何かを得るためにするという「外発的」なものがあります。

ストレスなく行動を続けるためには
「内発的」なモチベーションを高める必要があります。

そのためには
「自己決定」「有能さ」「関係性」の欲求を
満たすことが大切です。

つまり、
やることを

「自分で決め」
「達成できそうな課題」を
「仲の良い仲間と一緒にやる」と

行動が継続しやすくなります

気合いと根性では何事も長続きしません。

知識をつかって内発的なモチベーションが高まる
「環境」を整備していきましょう



Dr. Kのハイパフォーマンス心理学

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<参考文献>
1) Deci, E, L., & Ryan, R. M. (2002). Handbook of self-determination research. Rochester, NY: University of Rochester Press.
2) Adie, J. W., Duda, J. L., & Ntoumanis, N. (2008). Autonomy support, basic need satisfaction and the optimal functioning of adult male and female sport participants: A test of basic needs theory. Motivation and Emotion, 32(3), 189-199.
3) Reinboth, M., Duda, J. L., & Ntoumanis, N. (2004). Dimensions of coaching behavior, need satisfaction, and the psychological and physical welfare of young athletes. Motivation and Emotion, 28(3), 297-313.

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