虚飾
自分を偽るの愉しいね
他人を騙すの愉しいね
結果自分を見失うのは素人で
キャラを演じ切るのが玄人で
束の間の優越感と達成感
刹那の充足と根底の従属
後腐れの無いよう終わらせよう
まるで何も無かったかのように
差し出された手を振り払った罪が
未だ何も掴めないまま終わる末路
そこに優しさなんて無かったもの
自分が救われたかっただけだもの
無自覚のナイフでズタズタになって
その事実さえ隠したまま逃げ出して
「本当にあなたはいつもそうね」って
嘆息混じりに窘められても悪びれない
なのにどうして溢れ出す
頬を伝う温かな一滴二雫
欲しいものはひとつだけ
手に入らない無償の愛
欲望に塗れたこの世界で
欲望の塊と化したこの私に
もしもそれが与えられたのならば
全力で応える事が出来るだろうか
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