地方公務員がマネーフォワードのデータアナリストに転職した話
自己紹介
はじめまして、マネーフォワード データ戦略室 分析推進部の久保です。
新卒から地方自治体で10年以上勤務してから、マネーフォワードに転職して1か月半が経ちました。
自己紹介で「地方自治体から転職してきました」と言うと、ユニークな経歴ですね、随分思い切りましたね、などと言われます。思い切ったのは、本当にそうだと思います。
マネーフォワードと言えば、私の入社前の印象ですが、急成長中のメガベンチャー企業です。今までの地方自治体、「安定の極地」のような環境とは真逆もいいところです。
転職を決める直前は特に、不安と迷いからマネーフォワードの分析推進部のnoteを読み漁りました。その中で特に443さんのnoteには共感するところが多く、背中を押される感覚もありました。
このnoteもそんな風にこの先誰かに読んでもらえたらいいなと思います。
データサイエンティストになろう
私は地方自治体に総合職として就職して以来、税務、予算、給与といくつかの部署を渡ってきましたが、ヒトに言えるような専門性は持っていませんでした。
2020年のコロナ禍が始まったころ、自宅軟禁状態になって時間ができ、学び直しがブームになっていたと思います。私もその一人で、その頃から統計学を独学で学び始めました。なぜ統計学かというと、職場がたまたま統計部門だったので近い気がしたのと、メディアの影響でデータサイエンティストに憧れのようなものを抱いていたからです。
その後の3年間で、統計検定の準1級の取得、データサイエンス分野の大学院への通学、マーケティング系の分析コンテストへのレポート提出を行いました。
自治体のデータ利活用から転職活動まで
統計学の学習の途中で、仕事でも地方自治体のデータ利活用の推進担当となり、データ分析研修の企画や、EBPM(証拠に基づく政策形成)の推進に向けた施策提案などを行いました。漠然としたスローガンだけがある状態から事業を具体化するのは大変でしたが、やりがいはあり、充実もしていました。ただ企画調整がメインで、データ分析はあまりできないというのが難点でしたが。
当時思い描いていたのは、地方自治体で社内データサイエンティストのようなポジションになること。そんな職種もポストもありませんでしたが、組織調整が進めば何とかなるだろうと楽観的に考えていました。ですが、結局私の在職中に実現は叶いませんでした。私のいた自治体では、データ分析の専門性を求めるとしても、外部に委託するか有識者に意見を聴くかがデフォルトで、中の職員がデータ分析の専門家になるという発想は理解されにくいものでした。
異動の時期も差し迫り、今までやってきたことはもう活かせないのかなと思い始めていました。その頃、副業の形でIT企業のデータサイエンティストが地方自治体に入り、私も一緒に働く機会も増えていたので、転職の心理的ハードルは下がってきていました。試しに転職サイトに登録してみたことが転職活動のきっかけとなりました。
マネーフォワードに決める
転職活動を始めた当初、正直マネーフォワードのことはよく知りませんでしたが、複数回の面接や人事面談を経て、その魅力をだんだん深く理解していきました。
まず募集ポジションは、私にとって理想的でした。データアナリストの職種で、データ分析の案件にメインに携われること、アナリティクスエンジニアとの距離が近く、エンジニアリング方面の知見も積むことができることに魅力を感じました。
組織的なデータ利活用の意識の高さも、前職の地方自治体の経験から興味を惹かれました。マネーフォワードではデータ基盤を中央組織で構築した後、事業部ごとに整備する段階にあるといいます。前職の地方自治体ではデータ利活用の意識づくりからのスタートで、データ基盤の構築は遠い未来の話でしたので、10年以上先の未来に行ける期待感がありました。
一番魅力に感じたのは、社風でした。マネーフォワードは、相手に対するRespectを大切にすること、丁寧なコミュニケーションを行うこと、その姿勢が浸透しているように感じました。落ち着いた人が多いという印象も私にとっては魅力的でした。(この印象は入社してからも変わりありません)
ただ、本当に転職するか否か、最終的な懸念は自分に対してでした。地方自治体の経験しかないのは、ハンデではあると思います。データ分析は大学院などである程度経験したとはいえ、実務経験はありません。
面接や人事面談で、そうした本音ベースの話も丁寧に聞いてもらえたこと、冒頭のとおり、分析推進部のnoteに勇気をもらえたこと、諸々考えて最終的に、この会社でなら大丈夫なんじゃないか、信じてみようと思い、転職を決めました。
中から見たマネーフォワード
入社して最初に意外だったのは、想像よりずっと丁寧なオンボーディングがあったことです。ベンチャーの激流に入社後すぐに放り込まれる覚悟もしていましたが、私の場合はそうではありませんでした。
入社するとまずは組織やプロダクトの構成、所属部署の立ち位置を理解し、多様なツールや環境のセットアップが必要でしたが、研修やドキュメントが整備されていたことと、先輩社員との毎日の朝会などのサポートも充実していましたので、安心して仕事をスタートできました。
メンバーとの関係づくりも重視されていて、毎週のミーティングではメンバー間の相互理解、相互承認を促すような工夫もされています。おかげで、早い段階でコミュニケーションしやすくなったと感じます。タスクも初めはシンプルなタスク、SQLクエリの機能追加などからスタートして、段階的にステップアップすることができるのも有難かったです。
率直に、ここは社員を大切にする会社なんだなと感じました。
また、初めこそ地方自治体とは全てが違うと思っていましたが、しばらく働くと何となく共通項もわかってきました。
文書はGoogleドキュメント、課題やタスクの管理にはスプレッドシートがよく用いられるようで、この辺りは前職のWord、Excelと大きな違いはありません。もっとも、ドキュメントの簡潔さや構造を持たせることは、より強く意識されていると感じます。
分析プロジェクトの進め方は、日々のミーティングで学ぶことばかりですが、仮説思考などは、前職のEBPMの活動で学んだことともリンクしそうです。
それと、詳しくは入社してから知ったのですが、マネーフォワードは公益につながる政府系の活動にも力を入れています。私も幸い、関連のプロジェクトに関わることができ、前職の経験が少しでも役立つならうれしく思います。
今、私はデータ調査、クエリ設計について手を動かしながら、今後の基礎になる部分を習得しています。過去の分析事例を見ていると、今後のプロジェクトで、統計解析のスキルが引き上げられそうな期待感もあります。
また周囲には、資格取得に前向きな方が多いので、学習を継続しやすい環境で有難いです。統計検定1級保有者が当たり前のように何人もいらっしゃることには驚きましたが。
データアナリティクス周辺の知見を得るのに、私にとってこれ以上の環境はないと思いますので、日々研鑽を積んでいきたいと思います。
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事が、マネーフォワードの分析推進部に興味を持たれている方、特に異業種からのキャリアチェンジを考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。ぜひ他のメンバー紹介記事もご覧いただければと思います。