最近のプロ野球

最近のプロ野球はどこか片手間で見られているような気がする。バーベキューができる座席やカップルシート、お座敷まである。興行収入は年々増加しているということだが、本当に野球を見に来ているファンは何割いるのか。スポーツの経済効果が大きいのは知っているが、商業的になりすぎてしまうのは果たしてスポーツの発展に良い影響だけだといえるのか。
 本来、野球というスポーツはかなり心理戦要素が強い。言ってしまえば投手と打者の駆け引きの連続で試合が成り立っている。しかし、プロ野球の観客は結果しか見ていない。さらには、ただ球場という独特の雰囲気で酒を飲むことを目的としている人までいる。野球というスポーツの日本のヒエラルキーのトップの駆け引きが目の前で行われているにもかかわらずその結果だけを見て楽しんだ気でいるのはまだ野球の楽しさを知らないのかもしれない。
 もう一つ言いたいことがある。ホームランを多く打つことがいい選手であるという考え方が広く普及してしまっているということだ。これもプロ野球の影響が強いと考える。ホームランを打つことはもちろん難しいし、野球をやってきた僕は知っている。でも、ただホームランを打つにしてもそれまでの過程が重要だと思う。ニュースでも打った選手だけを取り上げる。実際、ホームランというルールは野球というスポーツにおいて一番派手で目に見えて得点が入るから視聴者としてもわかりやすい魅力だろう。しかし、前の打者が仮に20球近く投げさせ後にホームランが出たら?ホームランを打った打者だけが評価を受けるべきなのか?
 他のスポーツと野球の相違点は攻撃と守備の切り替えがターン制であること。そして、あらかじめ攻撃する順番を決められることだ。選手の個性にあった打順を決めることは指揮官の腕の見せ所であるし指揮官の意図を選手たちは汲んで打席に入る。長打を狙う選手もいれば、単打や犠打で塁を進める選手もいる。しかし、ただ長打を狙う選手だけのチームは威圧感こそ感じるものの、色んな個性を持つ打線に比べると圧倒的にやりやすい。色んな選手がいて、さらにその選手たちがそれぞれの役割を全うするチームが勝てるスポーツなのだと思う。
 僕が言いたいことは、ただホームランを打つ選手だけがすごいと言われるのではなく、その打者がやりやすいようにほかの打者は何を考えているかにも注目してほしい。
 僕はあまりホームランを打つ選手に憧れを感じない。だから、好きな野球選手を聞かれてもみんなに知られている選手が言えず、何とも言えない雰囲気を作ることが多々あった。
 この話を考えていて思った。もっと万人ウケする選手を好きになろう。

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