【イベントレポート】BizDev座談会!ゼロ〜数百億の事業成長を実現させてきたCOO・事業責任者と語り合いましょう!
みなさん、こんにちは!採用広報の宮脇です。
今回は、2023年12月5日に開催した「BizDev座談会!ゼロ〜数百億の事業成長を実現させてきたCOO・事業責任者と語り合いましょう!」のイベントレポートをお届けします!
Chatworkでは、2025年以降の長期ビジョンとして、あらゆるビジネスの起点となるプラットフォーム“ビジネス版スーパーアプリ”を掲げており、新たな事業やサービスの開発に積極的に取り組んでいます。
その上で重要になるのが【BizDev】というポジション。
「BizDevのミッション・役割」「事業構想におけるポイント」「BizDevに必要なケイパビリティ」など、ノウハウや事例について、取締役COOの福田とBizDev責任者の桐谷の2名がお話しました。
本日は、LT(ライトニングトーク)の様子をご紹介します。
登壇者の紹介
【LT①】BizDevのミッション・役割とは?
大手商社からベンチャー企業で複数の事業グロースを経験
福田:伊藤忠時代は成功したもの失敗したもの含めて、様々なチャレンジをさせていただきました。特にBizDev領域ではグループ企業との事業開発や投資関連など幅広く経験しました。エス・エム・エス時代は、SaaSという言葉がない時代から、介護事業者向けのSaaSを中心に金融のファクタリング事業、人材紹介事業の立ち上げ、教育事業、M&Aの立ち上げなど、約7年で時価総額200億〜300億から3000億ぐらいのハイグロースを経験しました。
BizDevの定義についてお話しします。
フェーズ起点において、0→1、1→10、10→100がある中で、0→1だけをBizDevと定義する人もいれば、1→10、10→100まで含めてBizDevだという人もいます。その他、環境起点、手段起点、思想起点など、人によって定義が異なります。
環境起点から考えるBizDevの定義や範囲
環境起点は、最初から領域やアプローチが決まっているのか、決まっていないのかによって変わってきます。上の図で、横軸をアプローチ、縦軸を領域に分けたとすると左上の両方決まっている領域の場合、「中小企業向けのファクタリング事業を立ち上げることに決めたから、その責任者をよろしく」というような形になります。これをBizDevと呼ぶ人もいればそうでない人もいます。
次に、アプローチは未決定だが領域は決まっている場合だと、「中小企業向けにフィットした新規事業を何か考えて立ち上げてください」というような形になります。この場合だと、金融業や人材業など様々な領域で新規事業を立ち上げることが可能です。
右下の領域が「とにかく何もわからないけど何か新しい事業を立ち上げてほしい」という、ど新規でのBizDevです。個人的にはここを実行している企業は危ないと思っています(笑)。
手段起点から考えるBizDevの定義や範囲
BizDevはすごく崇高なものに聞こえることが多いですが、私の場合、Howとしか捉えていません。自社で立ち上げることをBizDevと捉える人もいるんですが、私たちからすると、「将来どうなりたいか」に対するアプローチの話であり、アライアンスやM&AもBizDevがやるべき仕事だと定義してます。これも会社によって考え方が違いますが、私たちはそのように定義しています。
思想起点から考えるBizDevの定義や範囲
次は思想起点についてです。プロダクトアウトやマーケットインは聞いたことがある方も多いと思うのですが、マーケットアウトという考え方も存在しています。そもそもの顧客ニーズがあるのかないのか、マーケットが存在しているのかしていないのかという観点があり、それに対する思考の仕方という捉え方ができると考えています。
プロダクトアウトは非戦略的思考と捉えており、戦略的に思考すると間違うケースが出てきます。そのためアートな世界で才能やセンスに依存することが多いです。マーケットインはサイエンスの世界だと捉えていて、合理的に読み切るという戦略的思考で勝率が上がります。
この中だとマーケットアウトが難しく、ニーズがないと書いているのですが、実は顧客がニーズを認識していないだけで、実際はニーズがあるという領域です。この領域は、プロダクトアウトとマーケットインの思考を2つとも意識しておかないと成立させられないと思っています。この難しさから、マーケットアウトが非常に面白い領域だと捉えています。
Chatworkはビジネスチャットの会社だと思われがちなのですが、我々としては中長期的に中小企業のDXや業務改善を進めている会社です。現在*43.1万社、664万を超えるユーザーに活用いただき、中小企業向けSaaSとして優位なポジションにいます。世の中にこれだけの中小企業ユーザーを抱えている会社はほとんどありません。コミュニケーションツールのタッチポイントを活用して、どういう事業を作っていくのかが重要になってきます。
*2023年12月末時点
大企業やスタートアップをターゲットにした方が収益が出やすい構造にはあるため、非IT /中小企業をターゲットにするのは一般的にはビジネスとしては非効率で悪手とされていますが、我々はそこに対して向き合ってる希少な会社だと思います。
中小企業にはカテゴリーがある
我々がターゲットとする中小企業を細分化する際に図のようなことを意識しています。
ターゲット1は、課題を認識していて解決能力がある領域なので、自立的に課題解決できます。この領域はエンタープライズと同様にごく一部です。課題認識はあるが解決能力がない領域や、課題認識も解決能力もない領域のターゲット2と3が主戦場になってきます。これをどうやって解決していくのかというのがマーケットアウトの考え方になります。サイエンスとアートを掛け合わせてどうやって解決していくのかということにチャレンジできるのがChatworkのBizDevの面白みだと思います。
中小企業のマーケットはブラックオーシャン
誰も手をつけていないマーケットはブルーオーシャンと言われますが、中小企業のマーケットはブルーオーシャンではなくブラックオーシャンです。参入障壁が高くライバルが新規で参入しづらい、ライバルがもともと存在しない、もしくは少ないマーケットのことをブラックオーシャンと呼んでいます。このマーケットの攻略方法やアプローチ方法を見つけることができれば、ほぼ独占できるマーケットになります。
この中小企業のマーケットにアプローチできるチケットを持っている会社はかなり少ないです。Chatworkはその数少ない会社の一つだと思います。このマーケットにどうアプローチするのかが我々のBizDevにおけるコンセプトです。
ChatworkのBizDevの領域は、0→1から50くらいまで含みます。手段は自社立ち上げ・アライアンス・M&Aまで全てを含みますし、基本的にはマーケットイン・マーケットアウトの考え方で取り組んでいます。
【LT②】ChatworkのBizDevについて
ベンチャー企業にて複数の事業立ち上げを経験
桐谷:こんばんは、BizDevの責任者をやっていますChatworkの桐谷です。
自身のバックグラウンドお話しますと、学生の時にスタートアップ企業に従業員第1号として入りました。自分と社長の家をSkypeで繋いで「Chatwork」でやりとりをパソコン1台で始めたところから、ユニコーン企業まで成長することができました。
2社目は、ジョイントベンチャーで、3人ぐらいの創業メンバーと社員全体で10名くらいから立ち上げました。こちらも結果的にARR数百億円を超える事業会社になりました。前職はABEJAいうAIの会社で事業責任者として、事業の黒字化を実現しました。こちらでは、大手企業とAIのモデル開発、大学や国を巻き込んだ共同研究、モデル開発に必要なデータ整備をマネタイズする範囲も含めて責任者をしていました。
これまで一貫してBizDevをやってきた人だと思っていただければと思います。
Chatworkでは、BizDev担当として入社したのですが、福田とも会話のうえ、初めの半年間は「Chatwork」事業を中心にみていました。その後「BizDevやりましょうか!」というところで、現在はBizDevの責任者として様々な事業を横断でみています。これから先も新規事業を沢山立ち上げていこうと思っているので、Chatwork時代とは書いていますが「???」としています。まだまだたくさんのことに挑戦できればなと思っています。
Chatworkが目指している世界とは?
Chatworkのことを簡単に紹介しますと、ビジネスチャット「Chatwork」をプラットフォームとして “スーパーアプリ”を目指している会社です。
スーパーアプリで「to C」の世界で身近なのが、WeChat、LINE、Facebook等がイメージとして近いかなと思います。一つのプラットフォーム上に、たくさんミニアプリみたいなものが繋がって、その上でいろんなものが使えるものだと理解いただければと思います。
これをビジネスの世界でやっていこうとすると、SaaSが当然入ってきます。また経営支援の領域だと、助成金や補助金みたいなところ、中小企業のお客様が結構お金のお困りごとについて求めてらっしゃるので、そういった経営支援、あと真ん中のBPaaSという領域です。
中小企業の本質的なニーズを考え続ける
BPaaS(Bussiness Process as a Service)についてなのですが、上記の図を見ていただけると理解しやすいと思います。
グレーの部分は、ユーザーが準備をしないといけない領域、 赤の部分は、サービス提供者が準備をするので、丸投げできる領域です。SaaSだと、ネットワーク、ストレージ、サーバーを準備しなくて良いという利点からこれまで利用が進んできたのかなと思います。ただ結局、業務オペレーション、SaaSを使いこなす人たちがいないことが中小企業にとっては大きな課題になっています。BPaaSは「業務プロセスごと巻き取っちゃいましょう」という形です。一部、BPOの概念を入れてやっているサービスと理解いただければと思います。
先ほど福田の話にもあったサイエンスの部分である超長期のトレンドについてです。確定事項として、「今後人口が減っていく」「DX人材が不足している」など、様々な社会背景があります。ただ結局やりたいことは「DX」ではなく、実は「業務の効率化」「コスト削減」という話だったりするので、我々はもう「DX推進」とは言ってなかったりします。人手不足の解消、コスト削減など、【本質的には何を求めているか】を常に考え続けることを問われてると思います。
Chatworkでの新規事業の立ち上げ
今回、Chatworkの新規事業の一つでもあるBPaaSの立ち上げプロセスを先ほどの図でご紹介します。これはあくまで「Chatwork アシスタント」のリリースに関しては、こうだったという一例です。
上記図のように、フェーズ起点は0→1というところ、アプローチする領域に関しては大枠決定してました、手段は自社立ち上げ、思想としては完全にマーケットアウトという領域です。
今後のBizDevの全体像としては、ビジネスチャット「Chatwork」をプラットフォームとして、自社立ち上げ、アライアンス、M&Aなど様々な方法を駆使しながら、領域を拡大していきます。
プラットフォームを活かしたBizDevについて
我々のBizDevの全体像は、「Chatwork」というプラットフォームを“発射台”として、自社サービスの立ち上げ、アライアンス、M&Aなど、様々な方法を駆使しながら、領域拡大できればと考えています。具体的には膨大な顧客接点、データ基盤、CRM基盤、セールス/マーケティングOps、プロダクト開発基盤などです。
前職、AIの会社にいたとお伝えしたと思うのですが、当時Chatworkとは組みたくてしょうがなかったです。最近はChatGPTを使っている方も多いと思うのですが、その業界にいた人からすると、以前からGPTやその前身のモデルも衝撃的なものでした。今回ChatGPT等の登場により世の中に一気に広がったのは、AIと人間が自然言語で会話できるチャットをもったこと、つまり“UIの勝利”だと思っています。
今、様々なサービスがチャットのUIに寄ってきています。ChatGPTのAPIを叩いて、LINEで回答させるサービスがめちゃくちゃ流行っていると思うのですが、結局あれも「慣れていて自分がよく使うサービスで、回答が来ると便利です」というUI/UXでの成功だと思います。自然言語処理でいろんな情報が処理できるチャットという強力な「面」を持つ会社が絶対に勝つなというのがわかってきて、自分自身Chatworkへの入社の決め手にもなりました。大量のテキストデータとチャットの「面」を持っている、このめちゃくちゃ良いポジショニングを活かして、これからAI活用を本格的に検討していこうかなと考えています。
様々な角度からブラックオーシャンという領域に入り込んでいければと考えています。
最後に先ほども触れました、M&AとかCVCも積極的にやっています。今後、子会社が増えてきたり、様々な領域のスタートアップにご出資をさせていただき、業務連携等々も進めていこうと考えています。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
ゼロ〜数百億の事業成長を実現させてきた経験からChatworkでの挑戦まで、BizDevにおけるリアルな舞台裏を感じていただけたのではないかと思います。
Chatworkではまだまだ一緒に働く仲間を募集しています。少しでも一緒にチャレンジしたいと感じられた方は、ぜひご応募ください。
BizDevのメンバーとともに、心よりお待ちしています!(キャリア登録やメルマガ登録もお気軽にどうぞ!)