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ああ、わかりあえない、と知った日。(義妹の人生にも思いをはせてみる) その6

 そうして、気づく。
 子どもたちも少し大きくなり、ようやく少し話す時間ができて、私と志穂が2人だけで話していると、必ず100%義母が割りこんでくることに。
 本人は、その気はまったくないだろう。
 けれども、潜在的に自分が仲間に入れてもらえていない、とでも思っているのか、無理矢理話に入ってきて、まったく違う話題を突っこんでくるのだ。
 毎回。
 義母は声が大きいので、どうしても負けてしまう。
「お話し中すまないけれど」
 でもなければ、
「何のお話?」
 でもなく、
「ね~え、昨日テレビで観たけれど」
 と言うような、会話のかっさらい方。


 その度に私は頭に来ていたけれど、志穂は大して気にしていない様子で、義母の話に応対している。
 義弟夫婦が義理実家に来る時は、必ず私たち夫婦も呼びだされる。
 その理由は、
「きょうだいでコミュニケーション取っておかなくちゃ、しょうがないじゃないの!」
 つまり、自分たちは生い先が短いからきょうだいで協力するべき、その機会を作ってやっている、ということだ。
 これが、義母の持論。
 だったら、しゃしゃりでてくるのは、やめろ。
 そうではなくて、ただ自分が酒を飲んで騒ぎたいだけなのだ。こんなことを繰り返していても一向に志穂とゆっくり話すことができないので、私はメールを出すことにした。
 私が義母に対して思っていることを少し長目の文にして送った。
「志穂さんと落ち着いて話したいけれど、いつも義母が邪魔をしてくるので困っている。私にとっては義母が自分の考えをごり押ししてくるので、それは独裁者の前で本当はミカンなのに怖いからリンゴと言わなければいけないような気持ちになる。本当の自分がうまく出せない」
 というようなことをしたためた。もちろんこんなストレートな表現ではない。義母を立てながら、気持ちを吐露する書き方をした。

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