満を持して書く弟のこと。（ある意味私より被害者）その35

　つまり。
　その犬がまだ家にいた頃に交わされた会話ということになる。前の式場をキャンセルするかしないかの時期に、もう犬の心配？
　順番が違うのでは？
「主がいるのに～」
　義母は何度も母の味方をするけれど、母だっておかしい。そんなことを、義母に言う必要があるのか。
　すでに「坊主憎けりゃ・・・」の心境で、息子を盗った嫁（まだ結婚はしていなかったけれど）が犬まで連れてくるなんて非常識、と言うことなのだろう。
　こんなことをあげつらうということは、先々同居したらいったいどんな悪口が飛びだすのだろう。
　そして私は、それを強制的に聞かされることになるのだ。
　そう思ったら、もうその時点でうんざりしてしまった。
　また、晴信から絶句するような相談を受けたこともある。
　晴信が、
「一緒に住むアパートを探そうと思っているんだけど、3ヶ月で引っ越しますって言ったら貸してくれるのかな？」
　と言いだした。

　どういうこと？
　同居はするけれど、現状のままでは都合が悪い。一階部分はそのままでも良いとして、2階はちょっとしたキッチンをつけたりもしたいので、改築には3ヶ月くらいかかるらしい。
　ついては、その間だけ賃貸アパートに住もうかと思うけれど、ということで先の質問が飛びだしたわけだ。
　そこは、そんなに悩むところだろうか。
　まず、改築の手配をして、具体的な工期を知るのが先決では？
　また借りる時にその事情を言う必要もないはず。結果的に数か月で転居する例はいくらでもあるのだし、言えば良い顔をされないのは当然だろう。