満を持して書く弟のこと。(ある意味私より被害者)その33
それでしかたなく、晴信に電話して確認することになった。
もう一つ心配だったのは、結婚式のこと。なんと極寒の2月に軽井沢で挙げるというのだ。
あれ。
身体のことを考えて披露宴をやらないと言っていたのでは? 披露宴をやらなければならないのなら、いっそ式もやろうと方向転換したのかもしれない。それにしても軽井沢? 大丈夫なのか。
その時期直美さんは、妊娠6ヶ月になる予定で、いくら安定期に入っているとは言え、現地までの車での長時間の移動を考えたら危険ではないのか。何か急変した場合、知らない土地の医療機関にかからなければならない。
まずそのことを心配していると伝えたら、
「それは双方合意の上だから」
と言う返事。
「双方」の中に、子どもは含まれていないだろう。それで、子どもが危険にさらされても良いのか? 2人目ならまだしも初産なのに、なんとも勇気のある決断。能天気とも言える。
この時点では私は長男の翼を出産した直後だったので、周産期の色々なトラブルに関する知識は持っていた。
私は、生まれてから2,3ヶ月しか経っていない翼を連れて軽井沢に行くこともできないし、東京に置いて参列することもできないので欠席の予定だった。
そして肝心の披露宴の件。キャンセルしないでくれ、との確認。
やはり母が、どんどん決めてしまったもよう。
そんなすぐに予約が取れる会場なんかでやった私が悪い、というような逆恨みじみたことまで言われ、とても嫌な気分になった。
さらに。
「どうして素直に結婚おめでとうって言えないの?!」と切れられた。
雪深い軽井沢のリスキーな挙式を賛成しろと?
「キャンセルすると、お義父さんが困っちゃうから」
と言ったことが、気に食わなかった?
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