満を持して書く弟のこと。(ある意味私より被害者)その29
けれども数回やり取りをするうち、晴信も慣れたのか、先方が会社にいるかどうかの確認を怠ったようだ。
ある日、晴信から電話がかかってきた。
「今日、○○さん会社休んでいた。せっかく午後半休して行ったのに!!」
結局チケットは受け取れなかったようだ。
この電話の要件は何?
午後半休して行ったのに受け取れなかった鬱憤を私にぶつけているのか。前もって会社にいるかどうか確認せずに、午後半休してしまう晴信が悪い。
それを言葉の端々に、
「会社休むなんて」
と相手の人を責めているようなニュアンスをまぶしてくる。
そもそも私に電話してきたところで、何の解決にもならない。後日予定を確認して、再度出向けば良いだけではないのか。
私は、晴信の愚痴を聞きながら、心の奥で大きなため息をついていた。
どうしてこんな性格になってしまったのか。
こういう態度は、私にだけしているのか。友達にも同じようにしているのだとしたら、大きな問題だ。
でも、そんなことを尋ねたら、またまた機嫌をそこね攻撃されそうなので、確かめることはできなかった。
驚くべき態度は、他にも あった。
父が急に具合が悪くなり入院した時、病院のベッドの横で何度も何度も大きなため息をつくので、父が何か感づいてしまうのではないかと気が気ではなかった。
しかたなくわざと私がおどけて、明るい雰囲気に持っていこうとしたけれど、すぐに、
「は~ぁ」
と始めるので、すべては水の泡。
相手のことより、自分の心配が最優先で、周りが見えなくなるところは、母にそっくりだった。
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