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「この人ったらね」で始まる毒矢。私の悪口を言い続ける母親の闇。その17

 その類のことを言ったことはあるけれど、まったく自覚がないので、暖簾に腕押しの状況になるか、思い切って言った分、その傷口にさらに深く塩を塗りこまれてしまうので、痛い。
 いわゆるセカンド・ハラスメントを受けてしまう。まだ本題に入っていないのに。
 あまりにひどい対応に涙をこらえるのが精一杯だ。ここで落涙してしまったら、
「こんなことで泣くなんて。バッカじゃないの?」
 とまたまた笑われるかけなされてしまうので、とにかく我慢するしかない。


 義母でさえ、私の思いの丈をぶちまけた時は、
「稀沙さんがそんな風に思っていたなんて知らなかったわ。ごめんなさいね」
 と謝ってきたと言うのに。
 この時から、義母の態度が180度変わった。
 何人かの事情を知っている友人は、母のあまりのひどさに、
「縁を切ることはできないの?」
 と提案してくれるけれど、私が、
「縁を切った」
 つもりで宣言し、音信不通にしたとしても、そういう状況すら理解できない母は、きっと数か月後厚顔で連絡してくるに違いない。
 そして私は。
「あの、この間縁を切ったって言ったけど?」
 と母の出方を伺いつつ言うだろう。
「何言ってんの! 親子で縁が切れるわけないでしょ。それよりみかんがたくさん送られてきちゃったから宅急便で送りたいんだけど、日曜日の午前中家にいる?」
 と全く意に介さない反応が戻ってくるだけだと思う。
 こうやってうやむやにするのは、母の得意技。
 私が小学生の時、度々夕食の最中に席を立たざるを得ない状況になった。それは、食事のマナーのことを色々叱られて耐えられなくなったり、友達とどこかに行きたいので許可をもらおうとしたのに無下に却下されたりして、泣いてしまいこれ以上食事が続けられなくなってしまうからだ。



 

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