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満を持して書く弟のこと。(ある意味私より被害者)その1
私のエッセイには、幾度となく登場する3つ年下の弟、晴信。今回は、彼のことを中心に書いてみようと思う。晴信について書くことで、やはり歪んだ私の家庭を理解してもらえるのでは、と思うからだ。
私と晴信は、長きに渡る音信不通だ。
かれこれ7、8年は経つのではないだろうか。それまでも、会うのは年始や夏休みに私が実家に行った時くらいで、頻繁に行き来していたわけではない。
私の推測だけれど、母を通して語られる私の話が気に入らなくて、それが真実かどうかも確かめないまま、無視をしているのではないか、と思っている。
「だから私言ってやったの。お姉ちゃん(私のこと)なんか、向うのお義母さんの言うことをはいはい聞いてうまくつきあってるって」
と母。
それは、晴信のお嫁さんの直美さんをけなすための方便。別に私は、義母とうまくやっていたりなんかしていない。逆に大げんかしたことさえある。
「それ聞いて晴信は何て言った?」
私が母に尋ねると、
「何も言わない」
との答え。
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そりゃそうだろう。
本来なら直美さんをかばって母に意見する役目を持つ晴信は、そういう面倒くさいことは避けたいタイプ。だったら、何も言わないという選択をするのは当然。
母は、それをねじ曲げて、
「その通りです」
と翻訳しているのだ。
いつまで経ってもかわいい息子の晴信。その晴信を奪った直美さんは、憎たらしい存在以外の何者でもない。一族で集まっている時も、直美さんにだけ他人行儀な態度を取る母を見ていて、いつもハラハラしていた。私の夫の広大は、もともと社交的だし、私が揉めないように最初に紹介する時から、心を砕いたのが功を奏して、ずいぶんと気に入られている。
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