清瀬・アンヌアンネ|金賞の技が光るレーズンパンは朝食でもおやつでも
レーズンパンのコンテストで金賞を受賞した経歴をもつパン職人が、畑の多いのどかな街・清瀬にて、パンのみせ アンヌアンネブレッド営んでいると聞きました。今では地元民に愛されるパン屋であり、清瀬野菜の魅力をパンで伝える一翼を担っています。
わたしのなかでレーズンパンは、数年前に食べた老舗洋菓子店・タカセのレーズンブレッドで時がとまっています。母がタカセのレーズンブレッドが好きで、学生時代によくおつかいを頼まれていたのをふと思い出しました。
パンのみせ アンヌアンネ
清瀬駅から徒歩約10分、見通しのいい広い道路沿いに「パンのみせ アンヌアンネ」があります。
オープン時間の10時にあわせて到着すると、自転車が数台とまっていて一番のりを逃したことにちょっとがっかり……
ドアを開けて入ろうとしたところ「少々お待ちください!」とレジのスタッフさんから声がかかりました。どうやら店内は2~3組までのようです。
アンヌアンネのコンセプトは「清瀬の野菜を使ったパンづくり」。お店の前に整列している、色鮮やかでツヤツヤなお野菜を眺めながら入店を待ちます。
アンヌアンネで販売されているお野菜は、清瀬の若手農家が集まる出荷組合「清瀬ベジフルパーティー」から取り寄せたものです。
狙うのはアンヌアンネの顔ともいえる「レーズンパン」です。
オーナーシェフの安井健介さんは、アンヌアンネのオープン前、老舗パン屋「アンデルセン」に10年勤めていました。
在職中の2012年にカリフォルニア・レーズン協会主催のレーズンパンのコンテストで金賞を受賞。2020年には同協会による投票で「最もおいしいレーズンパン」に選ばれています。
レーズンパンのほかソフト系が得意
買おうと決めていたレーズンパンとアンヌアンネブレッドが思ったよりもボリューミー!
レーズンパンはハーフサイズもあります。今回は金賞受賞の技術が生みだすパンを堪能しようと、丸ごと一本購入しました。
2cmほどの厚みにスライスして、まずは温めずにいただきます。
どこをかじってもレーズンの物足りなさを感じないくらい、たっぷり練り込まれています。
白ワインに漬けこんだレーズンを使っているので、熟した香りがほんのり。じっくり漬けたのが伝わるみずみずしいツヤがありながらも、シャキッとした歯ごたえがあって存在感がすごい!
リベイクするとレーズンの甘みが引きだされ、フルーティな酸味も感じやすくなります。レーズンの贅沢さを感じたいなら温めたほうがいいのですが、わたし的にはそのままが好み。家に着いたらすぐに食べてほしいです。
一本のクープが入った、なんともハード系っぽい見た目ですが、トングでつかんだ瞬間に意表を突かれました。アンヌアンネブレッドはソフト系なんです。
米粉を使うパンに似た、もっちりさとやさしい味わい。バターは思ったよりも控えめで食パンに近い親しみやすさのあるパンです。
リベイクするとバターのコクとマイルドな塩味がふわっと。クラストが弾けるよにパリッとしてクラムは変わらずしっとり・ふわふわ。そのまま食べるのももちろんおいしいのですが、食感のコントラストと風味をより感じられるリベイクがおすすめです。
ちなみにアンヌアンネブレッドとレーズンパンは生地が似ていて、どちらとも手で潰してもすぐ元に戻る弾力があります。レーズンパンの方が密度が高くぎゅっとした生地、アンヌアンネブレッドはふわふわと空気を含む生地です。
タルティーヌとはフランス式のオープンサンドイッチのこと。カットされた細めのフランスパンに清瀬野菜がトッピングされています。
使われる清瀬野菜と味付けは日替わりとのことで、この日使われたのは長ネギです。長ネギの辛みがアクセントになり、意外にも相性抜群で新感覚。小ぶりなものの満足感があります。
清瀬野菜とチーズだけかと思いきや、たまごフィリングが隠されていました。このたまごフィリングをたっぷり使ったサンドイッチにしてほしいくらいおいしい!
カレーパンは甘口と辛口の2種類が用意されていました。辛口が好みなのでキーマカレーパンを選びましたが、人気なのは甘口のカレーパンのようです。
ひき肉がたっぷりと入っていてまさにキーマカレー。庶民的な懐かしさを感じる馴染みの味でした。
地場野菜の魅力をパンで伝える
清瀬の農家さんから仕入れる新鮮な野菜を使ったパンを展開するので、旬を取り入れた四季折々のパンに出会えます。長ネギがトッピングされたタルティーヌには驚きとおいしさがありました。