嬉しい日
朝、起きてまずカーテンを開けると、
予報のとおり、雲ひとつない真っ青な空。
絶好の洗濯日和。
布団やら、ニットやら、お気に入りのパーカーやら、普段の洗濯で洗えないものを次々洗濯機に放り込んでお洒落着洗いで回す。
コーヒーを飲みながら待つ。
柔軟剤の匂いになった洗濯物を干した。
くるりとユーミンの『シャツを洗えば』を歌いながらノリノリで干した。
猫がベランダに出たがるので出してやる。
人間ひとりと猫一匹。
しばらくのびのび日光浴。
猫が危ないことをしないよう目線で追いつつ、私は考え事をしたり、歌を歌ったりする。
空はどこまでも青い。
隣の部屋もベランダのドアを開けているらしく、クラシックの音楽が流れ込んでくる。
猫が不思議そうに見つめている。
3年くらい前に姉が気まぐれに買ってきたバラがまた大輪を咲かせた。蕾もいくつもつけている。
大した世話もせず、水をあげているだけでしょっちゅう花を見せてくれるのでありがたい。
土の表面は苔むしていて、水をやると少し弾きながら吸収する。
プチプチと弾ける炭酸のように水が染み込んでいく音に聴き入る。
ベランダのドアを網戸にしたまま部屋に戻って、卵とウインナーを焼いて米にのせただけのテキトー昼ごはんを食べる。
お弁当の味がした。
ゆったりした雰囲気の映画を観て、
洗濯物を取り込んで、
お日様の匂いを嗅いで、
涼しい風で昼とはまた別の気持ちよさがある夕方のベランダで再び猫とのびのびする。
他人の幸せを祈ってやれる。
なんてことない一日なのに、
多幸感に満ちていた今日。
生きているとたまに、こういう日がある。
嬉しい日。
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