見出し画像

感謝の心

私は最近、「みんな他人に対して“ありがとう”を言わなくなってきたなあ」 と感じるようになってきています。皆さんはどうでしょう?

例えば、ちょっとこちらが道を譲ってあげたりした時、車の運転中なら、ちっと片手を挙げたり、クラクションをポンと鳴らしたり。歩いている時は、「お先に」とか、「あ、すみません」と言ったり、軽く会釈したり。昔は必ず、当たり前のようにやっていたものです。逆にやらないと相手に失礼になるとさえ思っていたものです。

お先に

でも最近は皆、何のアクションもなく、そうされるのが当然のように、悠然と通っていきます。

何も見返りを期待しているのではありません。しかし、その表情を見ると「えっ?」「何それ?」となります。それは若い人だけでなく、老人においても同じことが言えます。ですから、それは最近の教育のせいではないようです。

ではなぜ、何がそうさせてしまったのでしょうか?学校教育が原因でないとすると、何が原因なのでしょうか。外部環境の影響であることには間違いはないのです。

それは社会環境に他なりません。それらを形作る主たるものと言えば、メディアです。テレビ・雑誌・新聞等、特にテレビの影響が非常に大きいのではないでしょうか。インターネットの普及のせいで、最近テレビを見ない人が増えているようですが(私の家も今はテレビがありません。)、まだまだ“テレビ漬け”の人が多いのも事実です。私はテレビによる“印象操作”が行われていると思っています。故意か無意識かはわかりませんが。

メディアは“いじめ”を起こす原因になっているとも思っています。これは別記事にて、改めて取り上げようと思っています。

番組の一例をあげると、“家に行っていいですか”、“お昼ご飯食べさせてください”、“今晩停めてください”、“バイクを充電させてください”、“人里離れた一軒家に押し掛ける”、等。今はこのような類の番組が溢れています。こう言った番組は、自分勝手なエゴを押し付けて、人の好意を無理やり引き出そうとしているのです。最近“充電させてください”という番組が「何様だ!」といって批判されていますが、私は、悪影響を与えているのはもっと別のところにあると考えています。

最初は、日本人の親切心が見れて、ほのぼのとした番組だったように思いますが、段々これがエスカレートして、これを当然のようにあてにする、「自分が頼んでいるんだから、やってくれて当たり前だろ」、「自分が言っているのは正しい。」、「やらない人、断る人は悪い奴だ、けしからん」、という雰囲気にさせていることです。

だから皆、そういう風に思われるのが嫌で、やってしまうのです。親切心とはかけ離れて、迷惑だとは一切思わなくなっているのです。

昔テレビで暴走族にインタビュアーが「どうしてそんなことをしているのですか?」と聞いたときに「周りに迷惑をかけたいからや」と、答えていました。この暴走族と全く同じで、人に迷惑をかけることが平気になっているのです。

いきなり人の家に上がり込んだり、ご飯を食べさせろ、泊まらせろ、おまけに充電までさせろ、人気芸人だからいいだろう。これはテレビの中ではまかり通るかもしれませんが、一般常識を著しく逸脱しています。

これはもうテレビの横暴だと思います。犯罪行為を誘発しかねないと思っています。実際に人里離れた一軒家で、強盗が頻発しているではありませんか。

こういう番組を毎週面白いと思って見続けていると、自分もそのタレントのように置き換えて考えるようになり、自分がしたことや、言ったことに、相手が従うのは当然のことだと思うようになります。自分が偉くなったように錯覚して、だんだん他人に対して高圧的になってくるのです。実に愚かなことです。

オレ様

日本人は、食事の前に“いただきます”と言います。心には常に“いただきます”という感謝の心があるのです。人は皆生きている、生かされていることに感謝し、“食事はありがたくいただく”というものです。動物に限らず植物も皆この世に生を受けて生きていたものです。食事をするということ、これは命をいただくという行為そのものです。このいただく命に感謝するという行為は実に素晴らしい文化ではないでしょうか。”八百万の神”という日本独自の信仰もこういった自然のものすべてに命があるという考えに通じるものがあるように思えてきます。

自分は何もせず、自身を高めることを怠っておきながら、自分の価値や満足感を感じるために、人をさげすむことまでしないといけないのでしょうか。それは真の幸せではなく、本当は自分自身の中にも“むなしさ”だけが残っているのではないでしょうか。そんな自分に、無意識に腹立たしく思ったりしているのではないでしょうか。

“感謝の心”を示すこと、ありがたいと思う心が、人を満ち足りた幸せな気持ちにするのです。こうした日本人が本来持っていた尊い慣習を忘れてしまうようになってきていることは、非常に悲しいことだと思います。都市伝説的にいうと、“メディアによる日本人つぶし”が起こっているのかもしれません。

こうした“感謝の心”の持ち方ひとつで、とても楽に生きることができます。楽に生きることが出来る人は、他人から見ても魅力的に見えます。魅力的な人の周りには人が集まってきます。自分の周りに人が集まってくると、物や情報も集まってきます。そうすると仕事もよりスムースに運ぶようになります。お客様がどんどん集まって売り上げもうなぎ上りに上ってきます。情報がどんどん集まってきて交渉がやり易くなります。

魅力的な人に集まる

自分の気持ちの持ち方ひとつで好循環が生まれてくるのです。何も悩む必要はありません。“感謝の心”を持つだけで人は変わるのだと私は信じています。

皆さん食事の前の“いただきます”をちょっと心を込めて言ってみてください。何かが変わってくる気がしませんか

いただきます

最後まで読んでいただきありがとうございました。面白かったと思っていただけたなら嬉しいです。良かったらスキやフォローをお願いします。引き続きお役に立ちそうな記事を書いていきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

良ければサポートお願いします。