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神奈川大学英語教育講演会「生徒の表現意欲を高める表現活動の工夫」(講師:萩原一郎先生〔都留文科大学特任教授・神奈川大学非常勤講師〕)

英語英文学科・英語教育コースでは、2020年の新型コロナ禍以来やむを得ず休止していた「英語教育講演会」をみなとみらい新キャンパスで復活開催しました。土曜日午前にもかかわらず、教職課程を履修する学部1年生から大学院生まで英語教員志望の熱心な学生が集まり、熱心に耳を傾けました。

2022年12月10日(土) 10:00~11:30 @3009講堂

 以下、参加者の中から学部1年生から大学院生までの感想を抜粋して掲載します。

1年Aさん: 英語授業研究会のようなオンラインの研究会に参加したことはあったけれど、今回のような対面の講演会は、私にとって初めてのものでした。様々な経験をされてきた萩原先生が実際に行ってきた英語活動の話を聞くことで、たくさんのことを自分の知識として頭に入れることができました。英語表現活動として生徒の成長には最適なものであるけれど、教員にとってはすごく大変である英語劇を取り入れたり、偏差値が高くない高校でもオーラルイントロダクションを英語で行ったり、生徒の学力差に合わせたプリントを用意したり、ライティング活動やスピーキング活動に力を入れたりしていました。自分の身を削り、このように様々な活動を生徒のために行なっていたことがよくわかり、これは見習わなければならないことであると感じました。

2年B君: 講演の中で特に印象に残ったことは2つあります。一つは理想の英語授業と実際の英語授業の対立についてです。今回萩原先生のお話の中にありましたが、実際の英語授業には、学年共通で行うことの苦労や発展的な活動に伴う教師側への追加負担など、様々な制約があること、そしてそういった状況でも教科書で扱う内容を絞り、活動に充てる時間を確保するなど工夫し、与えられた中で最高のパフォーマンスをしなければならないことを学びました。二つ目は生徒との日頃の関係とクリエイティブ活動の関係性についてです。帯活動についての質問の答えとして萩原先生は、日頃の生徒との信頼関係について触れられていました。クリエイティブな活動を生徒に与える先生との関係が薄ければ、いくら良い活動であったとしてもその活動は生徒にとってただただ負担の大きい活動になるのだと思いました。それを防ぐためには、「〇〇先生の授業だから頑張ろう」と思ってもらえる、活動をする上での必要負担に耐えられる関係性を日頃から築く必要があると考えました。

3年Cさん: 萩原先生のご講演を聞いて、継続すること、そして実践することがいかに大切か学びました。萩原先生のようなご活躍されている先生でも、最初はつまずき、思うようにいかないことが多かったと聞いて、どこか安心したし、それでもあきらめずに取り組むことで、自分も生徒も納得できる先生という姿になれるのだなと感じました。教師も、英語ができるだけではだめで、生徒との関係づくりなど長い時間が必要な、授業に直接関係ないのではないかというようなところが授業を成功させる大きな要因になっていることを学びました。B高校で行われた、英語劇は驚くべきものでした。音や小道具、衣装などもきちんと用意されていて、声の大きさも完璧、長いセリフなのにスラスラ出てくる、高校生のレベルとは思えませんでした。また、劇は、セリフの意味や背景を理解していないと感情を込めて演じられないと思うので、やらされている感はなく、自主的にやっているというのが一目で分かりました。

4年D君: 中学校英語教師として現場で働き始める前に、今日の萩原先生の講演を聞くことができてよかったと思う。学校で教師として働き始めると、数人の先生方と共に同じ科目を指導する可能性が高い。ある程度決められた枠がある中で、どのようにして自分がやりたい理想の授業を設計するのかを粘り強く探していきたいと思った。次に、個別に指導し手をかけた生徒はよく伸びるという話を聞き、それぞれの生徒に合った丁寧な指導ができるようになれたらいいなと思った。生徒との関係性を良いものにし、クラスの雰囲気を作り上げていきたい。

大学院2年E君: 今日の講演会を聞いて、改めて日頃の授業で表現する練習を積み重ねていくことが重要だと感じました。もちろん、学期末などに行うスピーチ大会などの大きな活動もとても重要であり、生徒が大きく成長する場だと思いますが、それと同時に、萩原先生が実践されていたような、日々の授業でのretellingや簡単な作文などの小さな表現活動の積み重ねも、生徒の英語力を鍛えるという点で、非常に重要であると思いました。そして、そうした日々の活動の際に、生徒のレベルに合わせてスモールステップを踏んだり、難易度に変化をつけたりするなどの細かい配慮が、落ちこぼれてしまう生徒をつくらないようにする上でとても重要だと感じました。私も来年4月から授業を作っていく際に、今日聞いたことを参考にして、表現活動を実践していきたいと思います。

学生、院生が熱心に萩原先生のお話を聞きました。

コロナ前の2019年度のプログラムはこちら

2023年1月21日(土)に開催される神奈川大学英語教育学会研究大会のお知らせはこちら。学外の方もご参加いただけます。

開催報告です。ぜひご覧ください。


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