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発明奨励賞を受賞しました

令和5年度関東地方発明表彰の発明奨励賞をいただきました。
本発明は研究所時代に開発したもので、非常に思い出深い発明です。

当時、データサイエンティストに転身して文字通り右往左往していたのですが、研究所ということで特許を出すことが求められました。

しかし、私はSEあがりだったので発明には縁がなく、正直途方に暮れていました。今世の中にある技術で解けない問題を見つけてそれを解く方法を考えるというのは、どうにも無理ゲーではないかと思ったものです。

発明では課題を見つけることがとても大切だと言われます。幸いなことに、取り組んでいた研究テーマは課題が山積みだったので課題を見つけることはできたのですが、それを解く方法を考えることに大変苦戦しました。

公知になっている論文、参考書、ライブラリで解けない問題を解こうとしているわけですから、そう簡単にできるものでありません。Linuxのコンソールをにらみながらノートを広げてあーでもない、こーでもないと一人で悶々と考える日々。

人生で初めて「考えすぎて頭全体が熱くなる」という経験をしました。
これには本当にびっくりしました。

そして、ノート1冊ほど書きつぶしたころに、「あれ? こうすればなんか上手くいきそう…」という発見がありました。そのメカニズムはさっぱりわからなかったのですが、上手く方法が見つかったのです。

そこで、先輩に頑張って説明してみたところ、「それはノイズがランダムに発生しているという仮定でワークするね」という言葉をいただきました。知らず知らずのうちに統計的なアプローチに足を踏み入れていたのですね。

本発明は小さなものですが、データサイエンスのプロとしての一歩を踏み出せたという意味で本当に良い経験になりました。

技術ポイントや関連文献については以下のページにまとめていますので、興味のある方はごらんくださいませ。


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