穏やかだけど難解な映画、「ルート29」の感想
今日は有給消化を兼ねてガラガラの映画館に「ルート29」を見に行ってきました。
最近アクションとかコメディとかそういう俗っぽいジャンルの映画を観ていたので、たまにはちょっと考える感じのジャンルの映画をということでのチョイスです。
結論から言うと、狙った通りの映画は観れました。ただ、万人受けはしないし、消化不良に陥る方もいるでしょう。駄作とまでは言わないですが、平日のちょっとお得なお金を払った分ぐらいのクオリティという感じです。休日分の料金だとちょっと損かな。と思いました。
あらすじ
公式サイトより
感想
とてもシュールな雰囲気で、笑いを誘うシーンも全部シュールに進んでいきます。映画のテンポ自体はゆっくりなんですが、ストーリーは結構サクサク進んでいくなと感じました。
そういう演出、表現なのですが、変な人と変な人が会話してるのがほとんどなので、会話がマジでツーテンポぐらい遅れながら進んでいきます。ヤドンとカビゴンが会話してるみたい。
主人公役の綾瀬はるかが「髪ボッサボサで冴えなくて人付き合いも苦手だけど悪い人じゃない、むしろいい人」という感じをすごく上手く表現していて、とても良かったと思います。
顔がアップで映るところでは、どんなに髪ボッサボサでダサめのメガネかけても綾瀬はるかは綾瀬はるかなのでめっちゃ肌綺麗で美人でした。私もあんな肌になりたい。ニキビえぐいけど。
もう1人の主役である大沢一菜さん、かなりボーイッシュな見た目で、男の子かと思いました(失礼)。なんというか子役特有の嫌さがなく、1人の役者として違和感なく見ることが出来ました。これからどんどん台頭してくるんでしょうね。
ストーリー自体は姫路から国道29号に沿って鳥取まで行くというシンプルなものなんですが、ファンタジーチックなことがちょくちょく起こります。
途中でなんかジジイを拾いますが(意味不明ですが信じてください)、このジジイがとにかく謎で、傀儡のようについて来て映画の中盤くらいで川でカヌーに乗って退場します。どう考えても三途の川じゃそれは。
なんだったんでしょうか、あのジジイは。
他にも色々謎なシーンがありますが、ラストシーンも謎で、伏線を回収してるといえばそれまでなんですが、シュールなものでした。
全体としてすごいシュールで、現代アートをスクリーンで見ているような、そんな感じの作品でした。
なにかこの映画にでかいテーマがあるような気はするのですが、何分抽象的すぎて私には読み取りきれませんでした。
原作が詩集ということもあってか、鑑賞者の技術が試される映画ですね。(susuru並感)
万人受けは絶対にしない映画だと思います。厳しく言えば、過半数の人が「何が言いたいのかわからん」となる映画です。この作品をちゃんと咀嚼するには映画だけでなく、文芸作品や哲学などの素養が必要なのではないでしょうか。
全体的には美しい自然のシーンが多く、おだやかな気持ちで観られる映画です。一部ちょっと心にくるところはありますが、優しく、穏やかな気持ちになれる映画ではあります。
総評としては、ギリギリ平日料金で許容といった感じで、60点くらいかなと思います。
チラッと他のレビューサイトを見たところ、「ミニシアターで上演するような作品」という声が多くありました。
確かに、昔のスクリーンが1個の小さな映画館でやってそうな作品です。そういうのが好きな方にはとてもおすすめ出来ます。そう言われるとどこか懐かしさを感じます。子どもの頃、おかあちゃんと自転車に乗って街の小さな映画館に行ったなあ。。。(しみじみ)
今はそういう個人経営の映画館なんてのもドンドンなくなっていますし(私の地元の映画館も潰れました。)、そういったテイストの作品のファンには厳しい情勢ですね。
厳しいことも書きましたが、
別に面白くないわけではないです。ただ抽象的なものをつかむのが難しいだけで。
平日が暇で、穏やかな気持ちで映画を鑑賞したい方は是非。
休日料金払ってまで観るかは…微妙とさせてください