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「リーダーシップ理論(フィドラー)」カンサイ”経営学”サイコウvol.6

 先月行われた「日経フォーラム 世界経営者会議」日経新聞の記事にも出ておりましたが、ネットフリックスCEO リード・ヘイスティング氏の話はかなり興味深い内容でした。

以前「NETFLIXの最強の人事戦略 自由と責任の文化を築く」著:パティ・マッコード 訳:櫻井祐子を読んだときもかなり衝撃を受けてはいたんですが・・・。

『「ノールールズ(規則なし)」を掲げ、「脱ルール経営」を進めている。優秀な人材に命令系統は必要なく、文化や価値観で管理できる。誰もが自分で意思決定をし、変化を起こしたいものだ。創造性が求められる組織では、命令より、刺激を与える方がアイデアが生まれやすい。才能がある人を採用し、自分で決めさせる企業文化が成功につながった」』(日経新聞12/4記事)

ちなみに本の裏表紙に「常識に挑戦する新興企業を導いてくれる、魔法のような一冊!」とのリード・ヘイスティング氏のコメントがありまして、「うーん」日本の既存企業でこの人事戦略をやるとなると相当タフな取組方をしないと実現は難しい。ただ自分が社会人大学院時代に所属していたゼミの教授であった徳岡晃一郎教授や野中郁次郎氏らが提唱されていたMBB(マネジメント・バイ・ビリーフ)「思い」のマネジメントは、近い考え方、こういったマネジメントの考え方の理解が、日本社会にも進んでいくことを期待してます。

 さて記事の中で、もう一つ興味をひいたコメントが、

私たちは企業というよりスポーツチームに近い。優勝するために最高の選手を集めるのはスポーツでは当たり前のことだ。成績が悪ければ交代もあり得る。デジタルなエンターテイメントを担う企業は競合が続々と出てきている。<中略>私たちがすべきは学び続け、改善し続けること。(日経新聞記事)

 大学時代に書いた論文では、企業組織においては、外発的動機が強く、集団の凝集性が低くなるものと考えていたようですが、企業とりわけエンターテイメント業界においてはスポーツチーム同様の組織特性があるのでは?と改めて考えて見直してみてよいのでは・・・。(ここで言うスポーツはプロスポーツかと思いますが)

 そこで改めて卒論のリーダーシップ先行研究から

 スポーツ集団において勝つためのリーダーシップとは、どのようなものか考えてみることにする。
 【リーダーの資質と条件】
 以前から、リーダーの望ましい特性について数多くの研究がなされてきた。それらの研究成果を紹介して見る。
 ストックディル(Stogdill,R.M,1948) はリーダーの重要な側面として、いくつかの研究報告をもとに大きく5つに分類している。
能力(知性、機敏さ、発言能力、独創性、判断力)
業績(学力、知識、体力)
責任感(頼もしさ、イニシャティブ、忍耐力、攻撃性、自信)      参加態度(活動力、社交的能力、共働性、適応性、)
地位(ソシオメトリックな地位、人気)
 また、ムーア(Moore,J.W,1962)は、スポーツコーチのパーソナリティー適性を評価するテスト項目の一部を以下のようにあげている。リーダーシップ能力、ユーモアのセンス、親しさ、統率力、身だしなみ、正直、勤勉、信頼性、情緒安定性、忠実、忍耐力、責任感、大望、創造性、楽観的、計画性、理解力、協調性、教養、自己鍛練、信頼感、これらの項目は、スポーツにおけるリーダシップの適確性を評価する上で1つの参考にすることができる。
 さらにギップ(Gibb,C.A,1947) は効果的なリーダーシップの原則として、次のようなものをあげている
実力がある
メンバーを良く知り、思いやりがある
コミュニケーションがスムーズである
個人として責任を取り、模範を示す
メンバーをチームとして訓練する
決定を下す

 以上あげたように指導者としての資質や条件は、スポーツにおけるリーダーシップにとって重要なものであり、望ましい特性を多く備えていることは成功する上でプラスに影響するであろう。
 しかし実際にスポーツで優秀な成績をおさめているリーダーは、そのおかれている課題や選手の特性などによって様々なリーダーシップを発揮し、また選手たちは自分たちの状況にあったリーダーを求めていることから、より状況にあったリーダーシップと言うものが重要である。そこでフィドラー(Fiedler,F.E,1969)の考えをみると彼は、リーダーに必要なものは、性格やパーソナリティーはそれほど重要でなくて、集団に必要とされる課題達成の方法について、熟知しており、それをうまく達成できる能力を持っていることが大切であると指摘している。もちろんパーソナリティーがあってその特徴を生かしたリーダーシップの発揮であるが、あくまで、その状況との関係、その集団の特徴によって、違った課題、問題を解決したり、達成することが重要なのである。(卒業論文より)

 リーダーシップのコンティジェンシー理論、正直変数が多くなりすぎて理解できてません。そしてコンティジェンシー理論以降に発表されていく経営学におけるリーダーシップ理論的展開は、どの立場の誰が、誰に対するといった状況把握をする必要があって個人的に難解極まりないと思ってしまってます。フィドラーの考え方を再度学びつつ、もう少しリーダーシップ理論を学び続ける必要性をリード・ヘイスティング氏の言葉から感じております。(笑)

 

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