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KEPPLE の事業が好きなワケ

こんにちは。KEPPLE の鈴木です。カスタマーサクセスを担当しています。KEPPLE は『Create New Industries 世界に新たな産業を』を Mission に掲げるスタートアップです。イノベーションを促進するグローバルプラットフォームとなるべく、スタートアップマーケットを可視化するメディア『KEPPLE』スタートアップデータベース『KEPPLE DB』投資先管理 SaaS『KEPPLE CRM』スタートアップ向け SaaS『株主総会クラウド』ファンド決算サービスなど、スタートアップエコシステムのためのプロダクトやサービスを提供しています。2021年7月に約 4.7 億円の資金調達をしました。スタートアップ投資を通じてオープンイノベーションを進めていきたい事業会社さんやCVCさんを中心におかげさまでご利用が増えており、身の引き締まる思いです(筋トレも流行っています)。

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KEPPLE の Mission

最近、私が KEPPLE の事業が好きな理由を思い出すいいきっかけがありました。KEPPLE が支援するスタートアップエコシステムは、やりたいことがある人のやりたいことを実現する仕組みのひとつとして、より良い未来を生み出しています。夢や希望を持てる社会は素敵だと思う質なので、KEPPLE の立ち位置に意義を感じている、という話をします。


受動的な我慢を解決する方法

先日「我慢には二種類ある」という記事を拝見しました。

受動的な我慢と能動的な我慢。受動的な我慢は、理不尽を強いられる我慢。能動的な我慢との違いは「解決を目的とするかどうか」。解決を目的としない我慢は、し続けると病みます。かくいう私も理不尽に晒され続けて背中にカビを生やしたことがあります(今となっては笑い話ですが)。

やりたいことがあるときに、やりたくても叶わない環境にあることは、理不尽さを伴う受動的な我慢の一つだと思います。そんな理不尽さを解消し、かつ、やりたいことを叶える方法のひとつに、起業家と投資家によるスタートアップのエコシステムがあると思っています。

イノベーションと能動的な我慢

代表の神先がよく引き合いに出す話として、ケニアで "救急車版 Uber" を展開する Flare 社があります。KEPPLE AFRICA VENTURES の投資先でもある同社は、2019年にナイロビでテロが発生した際、迅速に救急車を手配したことで幾多の人命を救いました。"Before Flare" では救急車の到着に2時間掛かることもあったのが、"After Flare" には15分で到着できるようになったからです。

イノベーションを生み出す過程は我慢を強いられることもきっと数えきれないほどあると思いますが、これは理不尽の解決を目的とした能動的な我慢です。現に Flare 社の創業者は様々な困難も乗り越えていくだろうと思わせるエネルギーを感じさせました。(そんな彼らの熱にあてられて私も KEPPLE に入社してしまったわけですが。)

もちろん、投資家もタダで支援するわけではなく、やりたいことを実現するために非連続な成長を目指す企業と、投資を通じてリターンと社会へのインパクトを最大化させたい投資家の利害が一致してこそ成立する仕組みです。資本主義の仕組みを活用した「やりたいことのあるひとがそれを実現する方法」の一つだと理解しています。(非営利でも、法人ではなく個人でも、やりたいことを実現する方法はたくさんありますので、適切な方法を選択することも大事だと思います。)

やりたいことをやりたいと言える大切さ

また、受動的な我慢をし続けると「学習性無力感」につながり、夢や希望を持てなくなってしまうことも挙げられていました。

私は現在の日本は、受動の我慢と能動の我慢を混同し、かつ受動の我慢の機会があまりにも多く、それに適応して希望や夢を抱く人が減り、希望や夢を持つ人に社会が否定的になり、夢や希望がなくなっていると考えています。人間の持つ能力は適応です。適応とは学習であり、受動であれ能動であれ人間は学習をしてしまいます。受動の我慢の過学習のことを、私たちは「学習性無力感」と呼んでいるのではないでしょうか。個人にできることは、自分はどちらの我慢をしていてどのぐらいまでなら許容できどこから先は許容しないのかをきちんと線引きし、しっかりと意思表示と意思決定する事だと思います。また、能動の我慢においては、こうなれなければおしまいだというような直線的な捉え方をせず、どうなっても何とかなるという楽観的で立体的な人生観を持つことだと思います。

夢や希望という意味では、私も、やりたいことを「やりたい」ということには勇気がいります。ありがたいことに「やりたいことをやれ」と言われて育ったものの、失敗を恐れるがあまり、碁でもやたらと長考するきらいがありました(ちなみに、あくまでやりたいことがある場合についての話です。やりたいことがないといけないというわけではありません。)

「やりたい」と言っても応援してくれる人がいることは、とても素敵なことだと思っています。いつかインドでヘルスケア事業の立ち上げをさせてもらったときに、ビクビクしながらやりたいことを伝えていたら、助けてくれる人がたくさんいました。そのとき助けてくれたのは、現地の大企業やスタートアップ、イグジット経験のある起業家や投資家でした。後から振り返ってみてそれをスタートアップのエコシステムと呼ぶのだと気づくわけでして、また同時に事業を興すには大変なレジリエンスが求められることを知るわけですが、応援してくれる人がいるということそのものが、私自身を何度も助けてくれました。このとき私は能動的な我慢と受動的な我慢どちらも感じていて、結果的に事業立ち上げは試行錯誤の末に撤退したのですが、このときに能動の我慢強さを試されていたのだと思います。

能動の我慢強さが最も試されるのは夢が破れたときです。夢を達成するために耐えてきたのにそれ自体がなくなってしまった時です。この時に夢を抽象的に捉え新しい夢を描きなおす力が問われ、自分自身と向き合い自分を柔軟に変える力が問われ、自分で自分を癒し立て直す力が問われます。このような能力は知識ではなく体験でしか得られないために決して教える事ができません。受動の我慢は押し付ける事ができますが、能動の我慢はその人がそうしたくなければ成立しないために押し付ける事ができません。故に周囲は、機会を提供し応援するぐらいで、その人自身がいろんな経験を通じて傷つきながら少しずつ手に入れていくしかありません。

鬼のような Hard Things に晒され続ける起業家とは比べ物にならないほど小さな話だとは思いますが、自分の中でどこまでなら受動的な我慢と能動的な我慢ができるのかはわかってきているので、結果オーライ。いまこうしてスタートアップエコシステムを応援する立場にいることに、納得感を持って日々仕事に向き合えていることは、とてもありがたいことだなと感じています。

都合のいい話ばかりではないと思いますが、スタートアップエコシステムが盛り上がれば、きっともっと素敵な社会になる。イノベーションを促進するグローバルプラットフォームとなることで、世界に新たな産業を創ることを目指していますので、もし少しでも興味を持っていただけたら、気軽にお話聞いてください。



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