映画鑑賞記録 - 2021年7月編

殺しにきてるレベルで暑い日が続きますね。オリンピックばっかり観てるせいで家で映画を観なくなってしまいました。これはいけない。そんな私の鑑賞記録、今月もスタート。

新作

キャラクター

菅田将暉主演のサイコサスペンス。殺人鬼役はまさかのセカオワ Fukase、ということで話題になっていましたがとにかくFukaseの演技が最高すぎる!マジで普段から犯罪を犯しているのではと不安になってしまうレベルの演技。あからさまな展開もありつつしっかりハラハラさせてくる良作でした。

ブラック ・ ウィドウ

ついに公開!!!!昨年5月から1年以上待ち続けました。映画館でまー寝るの新作が観られる、なんて幸せなんでしょう。気になっていたクオリティもMCU作品の中でもかなりトップレベルで、脚本・キャスト・音楽がうまい具合に絡み合っていた良作スパイアクション。オープニングでもう勝っている!詳しい感想はポッドキャストで語ってます!

竜とそばかすの姫

待ちに待った細田守監督最新作!(と、言いつつも前作『未来のミライ』が不評すぎて未だに観ていなかったのは内緒)このタイミングで時をかける少女〜ミライまで全て見返した状態でいざ鑑賞!

結果的には「とっても豪華でリッチな見応えあるアニメーション、音楽・画のクオリティ・主人公を演じる中村佳穂、全てが絡み合っている」という誉めちぎりポイントと「細田守がずっと抱え続けている脚本の粗問題が今作でも顕著、物語への没入を妨げる」という事前に予測していた不安が的中といった具合でした。こちら詳しいも感想はポッドキャストで!

RUN / ラン

2018年に公開され話題になった全編PC画面サスペンス『search / サーチ』の監督であるアニーシュ・チャガンティの最新作!前作が大好きだったので(以前投稿したオススメ洋画10選にも選出しました)めっちゃ楽しみにしてました。

前作が曲者だっただけにそれに引っ張られないか心配でしたがその不安は無駄に終わる完成度。しっかりとヒューマンスリラーとしてハラハラさせつつうまい具合に終わらせてくれる出来。突き抜けた面白さがあるか、と言われると正直そこまでではないものの、監督の確かな腕を感じました!

旧作

キングコング 髑髏島の巨神

ついに『ゴジラVSコング』が公開になる、ということで予習として鑑賞!正直キャラクターや展開がそこまで好きになれず、微妙だったかな・・・・ちなみに『ゴジラVSコング』は完璧完璧観に行くタイミングを逃したのでレンタルを待ちます笑

回路

以前鑑賞した『CURE』『降霊』などで知られる黒沢清監督の作品。この1年間で100本近くホラー映画を観てきましたがダントツで怖かった。脚本は予想の斜め上をいく展開になっていくのでイマイチピンとこなかったのですが、とにかく演出が怖い。唐突に現れる死者と黒いシミ、とにかくおぞましい動きをする謎の霊、日常の崩壊、ワンカット飛び降りシーンなど、思い出すだけで少し鳥肌が立つような名シーンの連続です。これはすごい。

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE01

6月から7月にかけて一気に鑑賞した伝説のコワすぎシリーズ。セカンドシーズンとして制作されている鑑賞。こちらのサブタイトルは「恐怖降臨!コックリさん」もう意味がわからない・・・

正直なところ、これまでのシリーズが壮大な展開になりすぎていたのでインパクトの部分ではかなり物足りなさも感じるんですよね。しかしある意味シリーズの一番美味しいところでもある「胡散臭さ・馬鹿らしさ」がミニマムな世界で展開していくのでファンであれば問題なく楽しめる作品。今作は何と言ってもフジロック。みんな大好きフジロック。コックリさんの呪いもフジロックでどうにかなるわけよ。(まじで本編見てくれ、意味がわかるから)

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE02

こちらのサブタイトルは「暗黒奇譚!蛇女の怪」もうなんでもアリだな。今作はあまり好きではなかったのですがシリーズを通して初めてとなる恋愛モノになっており(半分本当半分冗談)そこの目新しさがポイント。その中にしっかりとしたコワすぎイズムが盛り込まれていて面白かった。でも工藤・市川というメインの人たちの主張がかなり薄いのが難点。

この作品を最後にコワすぎシリーズは休止中になってしまっているので再開を望むばかりです。白石監督、売れっ子になったからな・・・いつでもいいから戻ってきてくれ!

時をかける少女

小さな頃から何回も観ているのにやっぱり面白い。改めて観ると、タイムリープというSF要素と恋愛・学園モノという青春要素のバランス感がとにかく絶妙で、どちらも過不足が無い。物語に入り込むのにバッチリすぎる塩梅。

そりゃタイムリープの仕組みとか未来の仕組みとか深く考えたら矛盾出てきそうだけどそんなの関係ね〜!魔女おばさんが何なのかとか関係ね〜!(原作の主人公らしいけど)面白くてキュンとできればそれで良い〜!って感じ。「未来で待ってる」と言われたところで千秋はいつの時代の人間なのかわからない時点で真琴とは会えなくね????そんな疑問、わかってる前提だけでキュンと来ちゃう、それでいいんだよな!

サマーウォーズ

おそらく一番有名だしみんな観てるやつ。自分も飽きるほど観てるけどやっぱりエンタメとして完璧!老若男女全ての世代が難しいこと考えずに頭から尻尾まで楽しめる最高の娯楽映画だと思います。恋愛もバトルも心理戦も家族愛も全部詰まってるしちゃんとオモロい、OZの設定も2009年と考えればめちゃくちゃ先進的。

みんな持ってるのがガラケーとDSiなのに侘助だけiPhoneなのめっちゃ細かい!なんだか今だから気づく細かさかも。

ちなみに正直なことを言うと、細田守が脚本に絡んでないサマーウォーズと時かけが1番思想が薄くて観やすいってのが事実だな〜と改めて感じました。それでいてキャラクターの細かいディテールであったり、展開の面で「いくらなんでもそれはない!!」がちょいちょいある。そこがノイズになるかが細田守を受け入れられるか否かの鬼門だな、と思いました。例えば今作であればラブマシーンの犯人の設定や陣内家内で飛び交うゴリゴリの性役割がかなりノイズでしたね。

おおかみこどもの雨と雪

やっぱり細田作品史上ナンバーワンです。めっちゃ久しぶりに観たけど、頭から尻尾までずっと泣きそうになってました(案の定ラストでボロボロ泣いたんですけどね)

この作品から本格的に細田守監督が脚本に絡んでるので、結構批判も出て来るようになりました。今作で言えば「狼と人間が交わるの意味わからん」「親父に責任感なさすぎ」「後々のこと考えてない」「1人であんなに農業やリフォームできない」はい。全部そうだと思います。ただそこがノイズに感じるか感じないかでこの作品が合うか合わないか分かれそうだな〜っていう感じですよね。僕はもうそんな気にならないくらいこの作品が大好きです。目を積むれるレベルでほかが大好きなんです。

花と狼男の出会い方と愛が純粋ですき
小さい頃の雨と雪可愛すぎてすき
自然表現とても美しくてすき
正体バラすとこエモすぎてすき
ぜんぶすき!

バケモノの子

初めて観た時にめっちゃつまんなくてなんやねんこれ、と思ってたのですが、久しぶりに観たら思ったより良かったです!

父と子の話、子供の成長の話を描きたいのはすごく分かったし、ひとりぼっちの熊鉄と九太がイコールの存在→2人が揃う事で力が増す(闘技場でのあれ)→最終的に一つに、という流れはとても自然に感じました。また、九太自身が成長していくにつれて自分で知りたいもの学びたいものに目を向けていく、現実にも向き合う(上手くいくかは別として)と言うところも感じたので良かった。

ただ2点超絶残念ポイントがありました。まずヴィランが残念。なんとなく理由はわかるんだけど「ええ?急に?」というか、ヴィランの動機がどうも入り込み辛い。突然感。そこでそんなことしたところでな・・・・っていう。そして「女の子何?」問題。確かに九太が生きていく上で異性のサポートが抜けているのでこういうキャラが出てくるのは理解できないこともないのだがそれにしてもどういう立ち位置?いくら何でも誠心誠意すぎるというか、なんの疑いもなく色んなもの受け入れすぎ?基本細田作品は根っこがファンタジーなので展開や舞台設定にあーだこーだ言うつもりはないのですが全体的にキャラクターの掘り下げ方はあんまり好きじゃないかも。

未来のミライ

結果思ってたよりは良かった

結局のところ監督がやりたかったモノとみんなが見たかったモノが違かったのかな・・・たしかに知らん家のホームビデオだしなんか子供嫌いになりそうなのも分かる(笑)けどここで描かれてるのは普遍的な家族であり子供であり意識的に妻・夫の役割の話も描いている、という点でまあ家族の映画だよねっていう。ただそれが直接的すぎるからホームビデオなんすよね。全部。

あと、これまでの作品では一応許容できたトンデモ要素(仮想世界とか、狼人間とか)がまったく説明もなく、結局なんなの?感がめっっちゃ強いです。最後の盛り上げるところ(東京駅でのあれこれ)も「だから何?これ何?結局なにを見せられてるの」ってなるから全体的な印象として弱い。シンプルにお話としての魅力が薄い。あとくんちゃんの声なーー惜しい。とにかく惜しい。

でも作品としてのクオリティ、絵や音楽はめちゃくちゃ綺麗で楽しめました。これはほんと。でも『竜そば』がそれを越えてきたので『未来のミライ』の存在意義はどこやら

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