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  • 産業医からのにじいろ処方箋

    産業医・産業保健職を主な対象として、企業の人事・労務担当者に知っておいてほしいLGBTQ+の基礎と健康問題、インクルーシブな職場作りへのヒントを伝えていきます。

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透明人間は誰の目に映るのか。

ずっと言い出せなかったこと 自分でもなぜだか驚くくらい躊躇して言い出せなかったことがある。 それは、

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    • 拝啓、十五の君へ

      アンジェラ・アキさんのこの曲がYoutubeのオススメで流れてきて、とても懐かしく、そして30歳を過ぎた自分にとっても新鮮な曲だと感じた。 15歳という多感な時期を荒波のように感じる「君」と、 後から振り返った時に感じる「僕」の視点に自分自身を重ね合わせてしまう人も多いのではないだろうか。 僕にとって15歳の「君」はどこか学校の中でも家族の中でも居場所を見つけられずにいた。 それでも上手く毎日を乗りこなしていたように思うけれど、心の片隅では、ここは君の居場所ではないと感じ

      • 産業医からのにじいろ処方箋(#22 社会がLGBTQ+を死に追いやっているという事実について考える)

        LGBTQ+に対する偏見は命に直結するという事実最近ある方に紹介されてこちらのTEDを見ました。

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        • 産業医からのにじいろ処方箋#21:多様性についての議論に居心地の悪さを感じたら気に留めてほしい4つのルール

          多様性の議論は居心地が悪いもの近年ダイバーシティやDEIといった言葉を以前よりも多く耳にするようになったのではないでしょうか。 または、「〇〇と言ってはいけない時代」と、自分がこれまで慣れ親しんできた常識を打ち破られ、どうして良いか分からない人も多いように思います。 そんな人達が「多様性を押し付けられている」「なんだか肩身が狭い」そう思うのも無理はないでしょう。 多様性について議論をするということは、これまで自分が無意識に享受してきた特権に目を向け、時に自分がこれまで加

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        • 産業医からのにじいろ処方箋
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          産業医からのにじいろ処方箋#20 「結婚の自由をすべての人に」を実現するためにアドボカシー講座に行ってみた話

          結婚の自由をすべての人に-Marriage for All Japanとは私が自らの当事者意識を持って、心から応援しているキャンペーンがこの「結婚の自由をすべての人に-Marriage for All Japan」です。 (長いので以下「マリフォー」) 日本では戸籍上の性別が男女のカップルにしか婚姻が認められていません。 すなわち私のように同性カップルは結婚の自由がないのです。 結婚が出来ないということは、 相続の時には遺書がないと財産を引き継がせることが出来ません。

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          産業医からのにじいろ処方箋#19 企業はなぜLGBTQ+の課題に取り組むのか-社員からの視点

          はじめに前回の記事では、企業がなぜLGBTQ+の課題に取り組むのかについて、大まかに整理しました。今回の記事では社員・顧客・株主という3つのステークホルダーのうち、社員(労働者)の視点から企業がLGBTQ+の課題に取り組むべき理由を深掘りしてみたいと思います。 まずは、LGBTQ+社員にとって職場での経験はどのようなものかを見てみましょう。 LGBTQ+労働者にとっての職場での体験(Employee Experience)LGBTQ+労働者にとって職場は、仕事自体のストレ

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          産業医からのにじいろ処方箋#18 企業はなぜLGBTQ+の課題に取り組むのか-3つのステークホルダーからの視点

          企業がLGBTQ+取り組む動機は様々企業がこの課題に取り組む課題を聞かれても雑多な答えが返ってくることが少なくありません。そこでこのシリーズの中で、少しずつこの課題を整理してみたいと考えています。 企業がLGBTQ+の課題に取り組む理由を聞かれた時によく挙がる言葉が「生産性」「ブランドイメージ」「社員満足度」などです。 これらの雑多な切り口はステークホルダーごとに整理すると分かりやすいかもしれません。この記事では社員・顧客・株主の3つの視点から考えてみましょう。 ステーク

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          産業医からのにじいろ処方箋#18 企業はなぜLGBTQ+の課題に…

          産業医からのにじいろ処方箋#17 僕が「家族」を取り戻すまでの話

          家族にカミングアウトするということいつのことだったか、アメリカで同性婚訴訟が行われていることがニュースで報じられていた。 そのニュースをリビングで見ながら両親が「この人たち気持ち悪いね。」と言葉を交わしていたのを今でも鮮明に覚えている。 この一言が僕にとっては長年の傷になっていた。 多くの人にとって家族とは代替が難しい存在だと思う。 生まれてから多くの時間を過ごして来た人たちである。 もちろん悪いことも沢山あったが、それでも長い時間を過ごし、多くのものを与えてくれた両親

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          産業医からのにじいろ処方箋#16 足踏みシリーズ解説(11日目-16日目)

          足踏みシリーズとは(再掲)私がTwitterで始めた、毎日電車で足を踏まれるフィクションシリーズだ。 https://twitter.com/ktobitate/status/1646282834922053632?s=20 世の中には毎日のようにLGBTQ+に関するニュースが流れる。 それに対して同情的なコメントをしてくださる方も多いように思う。 しかし、なんとなく「わたし」と「あの人達」という構造が透けて見えることが多いように感じていた。 そしてそれと同じくらい、否

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          産業医からのにじいろ処方箋#16 足踏みシリーズ解説(11日…

          産業医からのにじいろ処方箋#15 足踏みシリーズ解説(6日目-10日目)

          足踏みシリーズとは(再掲)私がTwitterで始めた、毎日電車で足を踏まれるフィクションシリーズだ。 世の中には毎日のようにLGBTQ+に関するニュースが流れる。 それに対して同情的なコメントをしてくださる方も多いように思う。 しかし、なんとなく「わたし」と「あの人達」という構造が透けて見えることが多いように感じていた。 そしてそれと同じくらい、否定的な意見も多く目にする。 「少数派に合わせて自分たちが我慢を強いられるのはおかしい」 「みんな大変なのに、どうしてあいつ

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          産業医からのにじいろ処方箋#15 足踏みシリーズ解説(6日目…

          産業医からのにじいろ処方箋#14 (Niji Hubオンラインイベントを開催しました)

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          産業医からのにじいろ処方箋#13 足踏みシリーズ解説(1日目-5日目)

          足踏みシリーズとは私がTwitterで始めた、毎日電車で足を踏まれるフィクションシリーズだ。 世の中には毎日のようにLGBTQ+に関するニュースが流れる。 それに対して同情的なコメントをしてくださる方も多いように思う。 しかし、なんとなく「わたし」と「あの人達」という構造が透けて見えることが多いように感じていた。 そしてそれと同じくらい、否定的な意見も多く目にする。 「少数派に合わせて自分たちが我慢を強いられるのはおかしい」 「みんな大変なのに、どうしてあいつらだけ特

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          Happy Prideの祝福をあなたに

          この週末は東京レインボープライド2023が東京・代々木公園で行われた。COVID-19でオフラインでの開催が中止・縮小されていたが、今年からは会場での人だかりが戻ってきた。ブースエリアもとにかく人だらけ。ゆっくりと出展も見る余裕もないくらいの大盛況ぶりだった。 私がパレードに参加するのは実は今回がはじめて。スポンサー企業との関わりや、自分自身の関心がLGBTQ+コミュニティをいかにサポートするかに移ってきたこともあり、自然と参加することにした。

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          産業医からのにじいろ処方箋 #12(番外編) 2022年ふりかえりと新年の抱負

          皆様、あけましておめでとうございます。 産業医のK(@ktobitate)です。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 2022年に起きたことnote連載の開始 2021年12月31日にこのエントリーをしてから約1年が立ちました。 これを契機に沢山の方々から励ましのお言葉を頂戴し、背中を押していただいた1年間でした。

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          産業医からのにじいろ処方箋(#11 セクシャルマイノリティが生きづらい理由を掘り下げる)

          はじめに前回のnoteでは当事者目線として私が職場でどのような困難に直面したのかということについてお伝えしました。 このような物語は世の中に無数にあふれており、共感を得やすいのではないかと思います。一方でこれらの多くの経験談を繋ぐための枠組みが欠如しており、より一般的に事象を理解するのが難しいのもの事実です。 今回のnoteではLGBTQ+の困難を理解する上で重要となるいくつかのキーコンセプトを紹介しながら、より抽象化した次元で事象を理解する手助けが出来ればと思います。こ

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          産業医からのにじいろ処方箋(#10 私は職場でセクシャルマイノリティとして何に困っていたのかを話します。)

          はじめに私は、これまで医学部を卒業して以来、様々な職場で仕事をしてきました。その中でセクシャリティが足かせとなり、職場で居づらい思いをしたことが幾度となくありました。 今回は産業医としての立場を離れ、ひとりの「働く人」として職場で何に困っていたのかについて、お伝えたいと思います。

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