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日本在住国際同性カップルの結婚が絶望的な話

あまりにも絶望しているので筆をとるの巻

今日は産業保健がどうとか、医療がどうとかそういう話は一切しません。
とにかく自分が今困っているのだということを伝え、やり場のない悔しさと絶望感を供養するために書いています。

日本が同性婚を法制化せず、うだうだしているのは皆様もご存知の通り。
でも日本人が海外の法のもとで結婚することにはそれなりに寛容だと思っていましたし、まぁそんなに高い壁はないだろうと高を括っていたのです。

そこにはあまりにも罠が多く、せっかくパートナーと婚約したのに、幸せを味わったのはつかの間、二人して社会の「普通」のハードルの高さに打ちのめされています。

何の生産性もないですが、日本在住の日仏同性カップルが結婚しようとするとめちゃくちゃ大変なんだという愚痴に付き合って下さい。

異性カップル日本人同士の場合

ここまで来ると異性カップル日本人同士の圧倒的マジョリティの結婚がどれほど大変なのかが気になり調べてみました。

2024年3月からは戸籍謄本すら不要になり、
婚姻届・身分証明書・印鑑があれば手続き終了です。

異性カップルの皆様本当におめでとうございます。

こんなに簡単に結婚できて心底うらやましいです。

紙一枚書けば、数々の恩恵が受けられる。

本当に私からしたら夢のような話です。

どうかその当たり前が当たり前でないこと噛み締めて、幸せになって下さい。

異性同士日仏カップルの場合

さすがに国際カップルになるともう少し複雑になります。
日本側とフランス側の2カ国で手続きをするわけなので、当然っちゃ同然です。

まずは在日フランス大使館で配偶者の婚姻要件具備証明を取得する必要があり、大使館での手続きが必要です。要するにこの人は婚姻する要件を満たしている人ですよと国のお墨付きを頂く手続きです。
(この段階で日本人側の戸籍謄本の翻訳を添付したりとそれなりに面倒そうではあります)

あとは日本人とほぼ同じ要領で日本の市役所に書類をペロっと提出して日本側の手続きは終わりです。

日本の手続きが終わると、婚姻届記載事項証明書が発行されるので、外務省で公印(アポスティーユ)をもらって、フランス語訳を大使館指定の翻訳者に依頼して、申請書とともに在日フランス大使館に提出すればフランス側の手続きも終了です。

国際カップルって大変ですよね。
でも日本から一歩も出ずに手続きが完了する!素晴らしいじゃないですか。
心底うらやましいです。

どうかその当たり前が当たり前でないこと噛み締めて、幸せになって下さい。

同性同士日仏カップルの場合(日本在住ver.)

真打ち登場!!!
最強難易度の組み合わせについて誰も興味ないだろうけど解説します!!

まず異性カップルであれば日仏カップルの場合は、日本側の婚姻手続きを完了してからフランス側に報告すれば終了なのですが、日本は同性婚を法制化していないため日本側の婚姻手続きを先に取るということが出来ません。

となると残された手段は、先にフランス側で婚姻手続きをするという方法しかありません。(というか日本側の手続きはしても拒否されるので、日本が同性婚を法制化するまで報告を留保するしかないのです。)

そしてイギリスのような国では日本国内で大使館が日英カップルの婚姻手続きをしてくれるのですが、フランスは何かしらの事情で大使館では国際カップルの婚姻手続きを行うことは出来ないとされています。(大使館に確認済み)

※この点について根拠が不明瞭なので、今後も大使館とはコミュニケーションをとっていく方針です。

となるとフランス側の婚姻手続きをするためにはフランス本国で婚姻手続きを行う必要があります。つまり日本にいたままでは手続きが出来ないのです。


フランスの婚姻手続きは大変

そしてフランスの婚姻手続きは複雑で、自治体にもよると思うのですが、所定の書類を婚姻予定日の6ヶ月前から5週間前までの間にフランス国籍者の出生地もしくは両親の居住地に提出する必要があります。

そこから場合によっては役所で面接を受けたり、10日間の公示(謎の大衆に対する異議申し立て期間)を経たりする必要があります。

ちなみに書類の提出自体は、家族に依頼して代理で提出してもらうことも出来るようでした。

しかしこの書類が厄介なのです。

書類の闇

フランス国内で婚姻手続きをする場合には日本人は4つの書類を用意します。
まずは戸籍謄本(外務省証明付き、フランス語翻訳付き)を用意し、それを在仏日本大使館に提出します。
すると、①独身証明書②出生証明書③慣習証明書の3つを日本大使館が発行してくれるのです。

ここで鋭い方はお気づきだと思います。

「在仏日本大使館」が発行してくれるのです。


「在仏」


婚姻地を管轄する総領事館の話ではフランスに行かないと書類がゲット出来ないのです。

もちろん郵送申請などの可能性も確認しましたが、一回は必ず本人が大使館に出頭するように言われました。

日本の外務省ではウェブサイトをみる限り対応してくれません。
(週明け念の為外務省にも電話する予定です。)

「そっか!じゃあフランスに行って日本大使館で書類をもらってから婚姻手続きを一気に終わらせればいいのか!」


甘いです。

ショートケーキよりもダンキンドーナツよりも甘いです。

書類は「婚姻予定日の6ヶ月前から5週間前まで」に提出しないといけないのです。

しかもフランスの結婚式は市庁舎で公的な儀式として執り行われるため、日も限られており、ギリギリで書類を提出しても希望日に婚姻手続きが出来るとは限りません。

つまり滞在期間は5-6週間では済まないし、日取りを決めるまで何の保証もないわけです。

そんな状況で普通に日本で働いている人間がフランスに滞在しながら婚姻手続きが出来るなんて到底思えません。

ハッキリいって無理です。

となると残された手段は1つ。

1度フランスの日本大使館に出頭して書類を作成してもらい、それをもって現地の役所に提出して日取りを決めて帰国。予定された婚姻手続き日に合わせて2度目の渡航をして婚姻手続きを完了させるというウルトラ手法です。

旅費だけでいくらかかるんでしょうか。
しかもこれで上手くいくかどうかも誰にもわかりません。
完全に運任せです。

2回渡航することを考えると旅費など諸々で100万近くはかかるはずです。
渡航のために仕事を調整して有給も使わないといけません。

※結婚休暇制度があるのは本当に助かる。

あれ、、、

日本で結婚するときっていくら必要なんでしたっけ?

区役所で手続きするだけなら無料?


国際カップルでも多少の書類費用と翻訳費用がかかるくらい?

めちゃくちゃうらやましいです。

結婚するだけでこの障壁です。

あまりにも高すぎる壁に私もパートナーも打ちひしがれています。

そもそも日本が同性婚を法制化していれば。。。

せめて海外で結婚しやすいように日本で書類を発行してくれれば。。。

考えてもキリがありません。

私達も黙っているだけでは悔しいので、思い当たる人に次々と連絡をしてアドバイスを仰いだり、大使館での対応が変わらないか嘆願したりしていますし、これからもできる限りのことをまずはやってみようと思います。
(日本国内で書類発行が出来るようにならないか)国会議員の先生にも嘆願メールを出してみようと考えています。


でも今日は悔しくて疲れました。



皆さんにとっての当たり前は
私達にとっては遠い遠い高嶺の花です。
どうかそのことをたまに思い出して、私達のことも応援してくださると嬉しいです。



最後まで読んでくださりありがとうございました。

同性婚法制化を応援するための投げ銭用に有料エリアを設置します。(内容は何もありません)

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7/22追記
・総領事館の話では書類は本人の出頭が必要と言われましたが、パリ日本大使館では代理人による申請や郵送申請も認められているような記載がウェブサイトにありました。パリ日本大使館に問い合わせてみるつもりです。
・明日以降、パリ日本大使館の問い合わせ結果次第では外務省にも相談してみます。
・それでも対応が難しい場合には行政不服審査法というものがあり、不服申立てもできるかもしれないため、行政窓口に相談してみようと思います。

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