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推しに出会って怖いものが減った(LovemyselfとBTS)

最近チャレンジしたことがある。
今までで一番短い髪型にして、お出かけのときは日差しよけでないキャスケットをかぶる。流行りのカラーメイクを取り入れて、今日は派手目なチェーンネックレスをつけた。柄が大きく入ったカーディガンを羽織る。今まで買ったことのないデザインだから、コーデの幅が広がってとってもかわいい。楽しいな。

今日はどうしたの?とか、失恋?とか、どうでもいい揶揄をうけることもあるけれど、私には魔法の言葉がある。

「実は最近、K-POP(もしくはBTS)にはまっているんです」と。

変わったんじゃない、伝えられるようになった

変わったねと友達や、誰かに言われる。ジェンダーフリーなんて、前の私からは一言も聴いたことがなかったよ。と少しあきれている声がする。
そのたびに私は、BTSに影響されているからと少し笑って答える。
憧れているから真似しているんだ。と。

でも本当は、私が変わったんじゃない、ずっと思っていた。
まず、ジェンダーに関して。
Facebookのアイコンを虹色にするとか、表に出すのが怖かった。誰を好きになっても良いし、ならなくてもいいと思っている。
普通、に飲み込まれない世の中になってほしいと思っている。
でもそれを表に出すことで、この人は普通じゃないのかな、と思われることが怖かった。

おかしくないと言うことを渋る私は、だれより差別的だったと思う。

そして冒頭に書いたお洒落について。

今日、お洒落だね(なんでそんな目立つ格好しているの?もういい年なのに)
すごく髪切ったね(女の子らしくないね。ただでさえ、女子力が低いのに)
●●ちゃん結婚したって聞いた?(貴女はいつまで婚活もしないで遊んでいるの?異性に興味ないの?)

()のついた中身は誰かに言われたわけではない。でも私には確かにそんな声が聞こえて、誰が見ている訳でもないのに萎縮していたし、「目立たないこと」を一生懸命実践していたと思う。

BTSに出会った時に感じた違和感

パステルカラー、レースやスカートのようなファッションを着こなす。
奇抜で明るいヘアカラーに、きっちりとメイクして、綺麗な一面を見せる彼らを最初に目にした際、「国柄の違いってすごいな」
と国で区別することで理解したのを今でも覚えている。男性の強いリップやアイメイクは見慣れておらず、強い違和感を抱いたのだ。

そして何かにつけて【キヨウォ(かわいい)】を連発する彼らに不思議な気持ちになったものだった。男の子なのに、かわいいものが好きなんだ。
相手にも可愛いっていうんだ。そしてそれを公言するのか。
女性ファンをつけるってそういうことなのかな?って。

でも彼らを気になりだして、2018ユニセフのLovemyselfのスピーチを見たり、インタビューを読んで気づく。
国柄なんてことはなくて、スキンカラー、ジェンダー…アジア人としての揶揄、時に成功者としての妬みをしっかり受けながら、今のスタイルを築いていて。彼らはあえて、そうしているということに。
そして男女を大きく分けていたのも、【かわいい】は嬉しくないと思い込んでいるのも。なにより、未熟で少し歌って、少し踊れること…完璧でないことがアイドルである必要条件だと思い込んでいたのは、世間でも誰でもなく、私自身だということに。

他人は自身の鏡というけれど、その通りだなと思った。
私に聞こえていた人の声は、他でもない私自身の声だった。

私にとってのサンクチュアリ

2018ユニセフでのスピーチを基にした話を続けさせてほしい。これまでの話も、この素敵なスピーチに基づいているような気がする。
リーダーRMにとってのサンクチュアリ、聖域は、音楽であり、彼が所属しているBTSだと彼は言った。

音楽を通じて、誰もができないと思ったことを成し遂げて、一歩ずつ進んでいったのだと。そして昨日までの自分も間違いなく自分であり、失敗やつまづいた過去の上に今の自分があると。

私にとってのサンクチュアリは間違いなく、彼らなのだと思う。
困ったとき、自分の声に押しつぶされそうになる時。人の目が気になって仕方ない時に私はひとつ、彼らに勇気をもらう。

貴方が話すことで貴方自身を見つけて欲しいというRMに、無視するアンチのお陰で成功したよありがとうと煽るSUGAに、ゆっくりでもいい、自分のペースでと寄り添うJINに、自分が選んだ先の自分だよと笑うJ-HOPEに、1人じゃない約束だと歌うJIMINに、対等な友達だと見つめるVに、すぐ潰れなかったよ!と元気に叫ぶJUNGKOOKに。

貴方たちに憧れているから、こう言えるんですよ。と。貴方達の背中を見て、シャンと背筋を伸ばしているよ、と。

今できる私の精一杯

最近のファッションにテーマはある?と英会話で聞かれるタイミングがあったので、すこし悩んだのちに私は、
「ジェンダーフリーを意識してます」と答えた。
短い髪や、パンツスタイル、そしてシルバーアクセサリーを最近は取り入れているんです。と。
でもまだ私には勇気が必要なので、BTSに憧れているのでちょっぴり真似していますとはにかみながら付け足す。

まっすぐ答える私の顔は、前よりもずっと綺麗だと思う。
なにより、私がわたしのことを、好きになれる答えだ。

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