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介護職員処遇改善加算という分かりにくい制度を、大枠で考察してみる

■ 制度を分かりやすく伝える意義


時々だが、介護保険制度や法的解釈について質問されることがある。

徐々に法令も整理されてきているので、最近は介護サービス事業者からの問い合わせは少なくなってきたものの、お付き合いのある銀行や税理士事務所から相談されるほうが増えている気がする。

ここで厄介なのは、介護サービス事業者であれば概要は知っているので本題として細かい話はできるが、そうでない方々へは介護保険制度の基本や大枠から説明しなければいけなくなる。

とは言え、それ自体は別に苦ではない。むしろ、介護業界の一部でも、介護に携わっていない方々に制度を知ってもらう機会になると思っている。

しかし、どんなに熱を帯びて鼻息を荒くして伝えたところで、内容を理解してもらえないと意味はない。そのため、介護業界でない人にも分かりやすく伝えることは常に心掛ける。


■ 複雑さから脱却しきれない加算制度


ここ最近のトレンドは「介護職員処遇改善加算」に関する相談である。

これは取得・算定している事業所は増えているし、書類作成の簡便化が進んでいるものの、具体的に理解している事業所は少ないように見える。
だからこそ、お客さんの中に介護サービス事業所がある銀行や税理士事務所などもまた、制度理解しなければと四苦八苦することになる。

そこで私のような一知半解な者にも相談してくるわけだが、このように偉そうに書いている私もまた、実績報告をする際には「あれ? この項目なんだっけ」「おや? 計算が合わない」となる。

書類作成の簡便化が進んでいるのはありがたいが、毎年のように微妙にフォーマットが変わるうえ、(ありがたい話ではあるが)中途半端な時期に助成金や新加算が追加されることもあり、これが悩みの種になる。
というのも、実績報告用に自前で集計表を作っておいても、1年間分で集計する項目と数ヶ月分で集計する項目に分けることになり、結果的に上記のような「あれ?」「おや?」という状態になるからだ。

そもそも、国が提示する実績報告のフォーマットが未だにエクセルなので、うっかり関数が設定されている項目を削除してしまうとエラーになる。このあたりの回避方法はあるだろうが、おそらく多くの事業所では四苦八苦していると思う(もしかして、四苦八苦しているのは私だけか?)。

このあたりは、国保請求がオンライン化しているわけだし、LIFEというケアプランに関するデータベースがあるのだから、それぞれを独立した制度にするのではなく、加算申請も一元化したプラットフォーム的なシステムができても良いのではと思う。

こればかりは民間で構築するわけにはいかないから、国頼みになってしまうので仕方ないが・・・。


■ 加算制度を大枠で捉える


そもそも医療福祉系は「加算」の名のつくものが多い。多いというか、年々増えていると言ったほうが良いだろう。
受給した金額以上を介護職員に支給する前提である介護職員処遇改善加算に類する加算だけでなく、特定事業所加算などの加算や、同一敷地内減算などの減算といった売上に直結するものもある。

これらを詳しく言うと話が長くなるが、ひとまずは

「介護職員の賃金に寄与するための加算」
「事業経営としての売上に寄与するための加算(減算)」

があるくらいに考えて良いと思う。

ちなみに、介護職員処遇改善加算に類する加算は売上となる介護報酬として入ってくるものの、上記のとおり介護職員に支給することが前提(というか要件かつ義務)なので、実質的には売上とは言えない。つまり、利益として考えるものではないのだ。

その点からも、新しい加算制度を算定するようになった際には、お世話になっている税理士事務所や融資いただいている銀行には、そのあたりの説明はするようにしている。そうしないと、収支報告や試算表上で売上は上がったのに利益が変わらないと突っ込まれかねないからだ。

特に加算制度は「利用者数が増えたから売上が上がった」という要素ではなく、「算定要件に準じた体制を整備したから受給できる」というものだから、直接携わっていないと介護サービス事業所の管理者ですらピンとこない状態となりがちである。

そのため、ざっくりで分かりやすい説明をするようにしている。


―――と、ここから私が対外的に説明している介護職員処遇改善加算に関する説明を使用と思ったが、やたら長くなってしまったので本記事はここまでとし、後日お伝えしようと思う。

別に大した話ではないし、我ながらやや正確さに欠けると思うので特に気にかけなくても差し支えはない。

それに私なぞが説明しなくても、他の方々がブログや動画などで分かりやすく説明してくれるので、そちらを参照いただいたほうが早いと思う。

但し、厚生労働省の情報は通知文や記入データばかりで「うわっ」となるので、(失礼ながら)興味本位で見る場合を除き参考としてはお勧めしない。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。


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